MSX(エム・エス・エックス)とは
80年代、圧倒的なファミコンブームの陰に埋もれがちだったものの、静かにブームとなっていた8bitパソコン。
PC-88やX-1、FM7などの高価なパソコンに手が届かなかった子供たちが少なからず、MSXユーザーとして存在していたのでした。
1980~90年代、パソコンは非常に高価な代物でした
とはいえ5~10万円で手に入ったMSXに比して、PC-88や更にハイスペックなパソコンは当時、20~30万円が当たり前の時代だったのです。
今では考えられないくらい、パソコンは高価な家電でしたね。
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「MSX」はMSX、MSX2、MSX2+、MSXturboRと進化しました
MSX規格に参入した企業が多かったのは初代MSXでしたが、次第に各社が撤退。
MSX2になるとパナソニックとソニー。最後の16bit「turboR」にはパナソニックのみとマーケットは先細っていきました。

MSX(カシオ製)

MSX2(ソニー製)

MSX2(パナソニック製)

MSX2+(パナソニック製)

MSXturboR(パナソニック製)
「MSX」とは共通規格の名称でした
MSX(エム・エス・エックス)とは、1983年に米マイクロソフトとアスキー(現・KADOKAWA アスキー・メディアワークス)によって提唱された8ビット・16ビットのパソコンの共通規格の名称であり、 MSXとその後継規格であるMSX2(1985年)、MSX2+(1988年)、MSXturboR(1990年)の総称。
最初のMSXを便宜上『MSX1』、『初代MSX』と呼ばれることも。
MSXturboRでは16ビットのCPUを採用。
複数のメーカーがMSXの仕様に沿って開発したパソコンを発売。また、各種MSXエミュレーターとMSX2をFPGAで再構成したハードウェアである1チップMSX等が存在。
MSXユーザーたちが見上げていた、当時の最強パソコンたち
まさに高嶺の花だったハイスペックマシンたち。
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ほぼゲーム機と化していたPC9801VM以降シリーズ! - Middle Edge(ミドルエッジ)
ゲームパソコンとしては、ファミコン同様に貧弱だった「音源」
PSGの、哀愁漂う音源が実に特徴的だったMSXのゲーム。
しかし後にFM-pacが登場し、質としては低いながらもFM音源を奏でることが出来るように。
そして、コナミは独自音源「SCC音源」で重厚なサウンドを奏でるゲーム群をMSXに供給してくれたものでした。
【MSX】コナミが開発したSCC音源の威力はFM音源にだって負けない!MSXユーザーに希望を与えてくれましたね。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1980年代のポピュラー音楽に多く取り入れられ、当時を象徴するサウンドと評される【FM音源】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
一方、MSXのPSG&FM音源を駆使したハイクオリティーのゲームサウンドにこだわり続けた、マイクロキャビンのような会社もありました。
【Xak(サーク】他機種のFM音源に比べて貧弱だったMSXが、もっとも美しい音色を奏でたとされる名作RPG「Xak(サーク)」はPSGの丁寧な「重ね」がスゴイ! - Middle Edge(ミドルエッジ)
今なお根強いファンが残るMSXに関する情報サイト
西さんVS 孫さん!? MSXの誕生秘話をちょっと語るぞ!:MSX30周年
MSXとは (エムエスエックスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
MSX 情報サイト - MSX JAPAN▉
"ファミコンの劣化版"なんて言われたりしたものです
ファミコンの劣化版、などと揶揄されることもしばしば。
またMSX2以降は、MSXの基本性能が大幅にあがったことでゲーセンや他パソコン機(PC88など)からのゲーム移植も多くありましたが、元ゲームと移植されたゲームのクオリティの差に愕然とすることもありました。
それでもMSXであのゲームが出来るんだ!という気持ちが上回ったのはMSXが好きだったから…
『魔城伝説II ガリウスの迷宮』(MSX版)がレトロゲーム配信サービス“プロジェクトEGG”にて配信開始 - ファミ通.com
MSXに素晴らしいゲームを供給してくれ続けたコナミ
ゲームでいえばファミコンに対してのセガのように、PC-88などの他パソコンに対して常に劣等感が否めなかったMSXのゲームたち。
そんなMSXに情熱を注ぐ会社は、実はいくつも存在していました。
とくにコナミは、最後まで多くのゲームを供給し続けてくれたのです。
【コナミのMSXゲームソフト】MSXユーザーはコナミが好きだった!コナミがMSXにゲーム供給してくれたあの時代を懐かしむ。【あの頃のコナミに捧ぐ】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
そんなコナミのMSX向け最終作品だった「メタルギア2ソリッドスネーク」のクオリティーを忘れることは出来ません。
【メタルギア2 ソリッドスネーク】MSX2ユーザーが唸った!コナミによるMSXオリジナルの最終作品は素晴らしいクオリティー!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
そんなMSXユーザーの心境に近かったであろうセガユーザー
MSXユーザーとセガユーザーは、きっと分かり合える部分があると、筆者はいまでも信じていますw。
ファミコン→PCエンジン→プレイステーションらとの、激しい戦いを孤独に戦ったセガ。
そして他のハイスペックマシンに囲まれて、常にパソコン界の末っ子のような扱いだったMSX。
ああ、懐かしき青春時代。
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