『うる星やつら』(高橋留美子原作)の漫画・テレビアニメ・『うる星やつら オンリー・ユー』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』ほか劇場版6作

『うる星やつら』(高橋留美子原作)の漫画・テレビアニメ・『うる星やつら オンリー・ユー』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』ほか劇場版6作

高橋留美子の原作『うる星やつら』の劇場版作品、『うる星やつら オンリー・ユー』と『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を中心に『うる星やつら』の世界観をおさらいしてみましょう。劇場版の最初の2作品は正反対の作風ですが、いずれも大傑作であると考えています。後に攻殻機動隊をやる押井守先生からすると、劇場版2作目が納得がいくのでしょうけど1作目も大変素晴らしいです。1作目と2作目はまったくの別物なので比べられない。初代ウルトラマンとウルトラセブンを比べても意味がないのと同じことだと思います。


あたるは、学園祭の準備で泊まり込んでいた友引高校で目を覚ます。隣りに寝ていたラムも目覚め、終太郎やメガネ達と、ずっと一緒に楽しく過ごす夢を見ていたと語る。だが、あたるは「それは夢だ。夢なんだよ。ラム」と夢との決別を囁いて日常に戻り、またいつものドタバタを繰り広げつつ、学園祭初日を迎えた。

エンディングにおいても、あたる達は夢の中にいて、学園祭前日は永遠に繰り返される、という解釈を許容する演出となっている。

そのため、夢から現実へ帰還したのか、夢の繰り返しなのか・・受け手にゆだねられている。

・・・ループもの、夢オチ、劇中劇タイプ(「メタ虚構」の世界)の作品ですね・・・

『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』(1985年1月26日に東宝系で公開)

『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』は、高橋留美子原作の漫画及びテレビアニメシリーズの『うる星やつら』の劇場版オリジナル長編アニメーションである。1985年1月26日公開。サブタイトルの「リメンバー・マイ・ラブ」は、公開当時、「リメンバー・マイ・ラヴ」の表記であった。

同作のテレビシリーズのチーフディレクターを押井守からバトンタッチした、やまざきかずおによる『うる星やつら』の劇場アニメ初監督作品。この作品は『うる星やつら オンリー・ユー』が「あたるを追うラム」だったことから逆に「ラムを追うあたる」をコンセプトに作られた。

『うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ』(1985年1月26日に東宝系で公開)

学校の図書室で、ラムはしのぶから「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」という言い伝えを聞き、「うちもダーリンと結ばれてるっちゃ」とはしゃぐ。

学校の帰り道、新設の遊園地「友引メルヘンランド」が出来た事を知ったラムは早速あたるとデートへ向かう。遊園地には、妖怪や宇宙人とおぼしき者でごった返していて、メガネらラム親衛隊、藤波竜之介のそっくりさんまで現れた。

一方、サクラや錯乱坊は、遊園地に漂う妖気に気が付いていたが、なぜか入園できない。

その遊園地のイベントで、あたるは手品師によってピンクのカバにされてしまい、その手品師と助手の女が姿を消してしまったため元の姿に戻れなくなる。

サクラは、あたるに呪いがかけられていると告げる。その夜、犯人の手品師を発見したラムは、手品師を遊園地の鏡迷路へと追い詰めるが、鏡迷路から亜空間に幽閉されてしまった。

手品師の正体は「ルウ」と名乗る少年。あるゴミ捨て場で拾った不思議な光を放つガラス玉によって超能力を得たルウは、時空を超えて偶然見かけた幼少時代のラムに惹かれて今回の事件を起こし、ラムに自分と一緒に暮らすよう強要する。

ルウ
声 - 岩田光央 、鈴木一輝
ピエロやマジシャンに扮し、あたるをカバに変えた張本人。本当の姿は10歳くらいの少年。
不思議なガラス玉のおかげで特殊な能力を身につけ、過去見物に行った際、幼少時のラムに出会った。

その頃の一点の穢れもない太陽のような笑顔に対し、あたると出会ってからのラムは以前のように笑わなくなったと思い、かつてのように笑うラムを見たいがため、ラムをあたるから引き離し、一緒に暮らそうと目論んだ(そのことをラムに話したが「お前はマザコンの上にロリコンけ!」と大して相手にされなかった)。

両親は仕事で長期間帰っておらず、家庭教師のラーラとO島の三人で暮らしている。
終盤、ルウがラムの遠い子孫であることがラーラによって告げられる(ルウの母親はラムに似ているらしい)。ルウがラムをあたるから引き離そうとしたのは、ルウの自発行為ではなくガラス玉に操られていたためだった。

それを知ったルウは、ラムとあたるを元の世界に帰し、二人から一連の記憶も消して、ラーラ、O島と共に元の時代へと帰って行った。
なお『ラム・ザ・フォーエバー』のエンディングにも、一瞬だけ写真の状態で登場。

ルウと呪のガラス玉(ラムが愛する男と必ず引き裂かれる呪が込められている)

一方現実の世界では、コタツネコから、ラムが遊園地へ男を追いかけて行ったのを見たという情報が入る。しかし遊園地を探っても手掛かりはなく、さらに遊園地にいた妖怪や宇宙人達はいなくなり、サクラ曰く、妖気を発しているのはあたるだけになっていた。

やがて、弁天やラン達の調査により、ラムの失踪とあたるがカバにされた理由が判明する。それは過去に手違いのせいでラムの誕生会に出席出来なかった「樫の木森のオババ」が、『銀河系よろず呪い事引き受け組合』に依頼してラムに呪いをかけていたせいだった。

だがその呪いは、事情を知ったオババがすぐキャンセルしたはずだという。弁天達はその組合へ乗り込み、職員に事情を問いただすと、呪いは手違いでキャンセルされず長年放置され、見事なまでに昇華していたのだった。

弁天やラン達の調査により、ラムの失踪とあたるがカバにされた理由が判明する。

その後、ラムのいない友引町に微妙な変化が起こり始めていた。ラムのいない地球に用はないと、ランや弁天達は各々の故郷へ帰ってしまい、しのぶは怪力が出せなくなり、メガネは旅に出てラムの思い出を消し去ろうとした。

しばらくして元の姿に戻ったあたるは、ラムがいない事につけ込み、喜々としてガールハントを続ける。そんなどこか虚無的な生活の中、あたる達は3年に進級。

ある日ガールハントをしていたあたるはコーラの缶で手を切ってしまう。

その手にはまるで「赤い糸」の様に引く血があった。あたるは忘れていたラムとのやり取りの日々を思い出し、ラムの存在の大切さに気付く。

ラム「ウチとダーリンも赤い糸で結ばれているっちゃ」

ラーラ
声 - 島本須美
ルウの家庭教師。あたるがいなくなったラムのことを思い出したのをきっかけに、二人でラム救出に向かった。

ラーラとあたるに見つかり、なおもラムを連れて逃げようとしたルウに、彼とラムの間柄を告げて、ルウがラムを幽閉し続ければルウの存在自体が消滅してしまうことを説明して諦めさせた。

「大変よくできました」「10点減点」といったハンコを持ち歩いている。本作が劇場公開されていた時期、テレビアニメであたるが読んでいた雑誌の表紙やポスター、または背景でルウと共に登場している。

ラーラ

そこに突然現れたラーラという女と共に、消えたラムを探すために奮起。ラムが幽閉された「メルヘンランド」に向かい亜空間へと突入する。

亜空間に突入したあたるはラムと対面することができたが、呪いの力で姿形を変え(蝶・恐竜・鳥)ラムと引き離されてしまう。しかし、ラムはどんな姿になろうとも必死にあたるを見つけようとする。

そのあたるの指には何本もの赤い糸がついていた(あたるの左手の小指についている赤い糸は1本だけだったが)。

ラムはあたるとの赤い糸をたぐってあたるを見つけた。

ラムがあたるに(情けなさから)電撃を食らわせ、そのショックで呪いは消滅した。同時に「ルウ」や「ラーラ」との記憶も消失し、これまでの時間もすべてなかったことになり、あたる達は「友引メルヘンランド」開園前日に戻っていた。

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』(1986年2月22日に東宝系で公開)

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』は、高橋留美子原作の漫画及びテレビアニメシリーズの『うる星やつら』の劇場版オリジナル長編アニメーションである。1986年2月22日公開。

本作品は、テレビシリーズ『うる星やつら』放映中では最後に作られた。
レベルの高い作画や美術設定とは裏腹に、本来のラブコメディーから完全にかけ離れ、全体的に重く暗い雰囲気となった作品である。

ストーリー構成のモチーフとしては『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と同じく、現実と非現実の認識論・存在論的な再検討を試みたものとなっている。

こうした問題が発生した原因として、様々な制約から当初の準備稿への変更が重ねられ、結果としてストーリーが分かりづらいものになったのではないかという見方もある。

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』(1986年2月22日に東宝系で公開)

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