「闇のパープルアイ」とは?

「闇のパープルアイ」は1984年から週刊少女コミックに連載されていた篠原千絵先生の漫画作品です。普通の高校生だった倫子が突然豹に変身するという衝撃のストーリー展開と、篠原先生の美しい絵とのマッチが全国の女子小中学生を虜にしました。その人気から、この作品で「第32回小学館漫画賞少女部門賞」を受賞されています。
単行本は全12巻、文庫版は全7巻で発刊されています。また1996年にはテレビ朝日系列でドラマ化もされました。
篠原千絵先生の略歴

篠原千絵先生は神奈川県出身で1981年に「コロネット」に掲載された「赤い伝説」で漫画家デビューしました。ホラーやミステリー、SF的なストーリーの作品が多く、代表作「闇のパープルアイ」で第32回小学館漫画賞を、タイムスリップ歴史物の「天は赤い河のほとり」で第46回小学館漫画賞を受賞しています。
その他の代表作には「陵子の心霊事件簿」「海の闇、月の影」「蒼の封印」「水に棲む花」「夢の雫、黄金の鳥籠」などがあります。
大の猫好きで仕事部屋のペン立てには、たくさんのペンに混じって猫じゃらしも立てられています。また猫雑誌にも漫画を寄稿されているそうです。
「闇のパープルアイ」あらすじ


自分の瞳が暗闇で紫に光っていること気付き驚きます。

包丁を落としてしまい、足を切って流血してしまうのですが、自分の血をなめているうちに豹としての本能が少しずつ目覚めていきます。

やがて倫子は豹への変身もスムーズに出来るようになります。

倫子と慎也をかばって自ら爆発死した小田切貢のことを思い出すシーンでは、慎也の素直な気持ちと改めてカッコよく散って行った小田切貢の死に読者も涙しました。

曽根原薫子と倫子との壮絶な戦いはクライマックスへ。
「闇のパープルアイ」登場人物
尾崎倫子(おざき りんこ)

主人公。水島慎也に恋をする普通の女子高生でしたが、ある日を境に身体の変化を感じるようになり、やがて金色の豹へと変身するようになります。母親は若くして亡くなっていることから、変身の血は母親から受け継がれたものでした。運命を受け入れながらも慎也への強い愛情で宿敵となる曽根原薫子に立ち向かいます。
やがて小田切貢との子供である麻衣を出産しますが、曽根原との戦いに敗れ倫子は冷凍保存されてしまいます。15年後、成長した麻衣と対面して記憶が戻った時に母親の顔になったシーンがとても印象的でした。最期は麻衣と暁生を守るために、すでに亡くなってしまった慎也を抱きながら炎に包まれてしまいます。

曽根原薫子との最後の戦いで「もう普通の女の子には戻れない」と決意を固めた時の倫子の心の中のシーンはとても切なかったです。
水島慎也(みずしま しんや)

倫子の2つ年上で幼馴染みで恋人。倫子が豹に変身すると知ってからもその愛は変わらず、小田切貢と倫子の間に出来た子供である麻衣を引き取って育てます。
普通の人間でありながら、大きな黒豹に変身した小田切貢に対して「望み通り決着をつけてやる!」と啖呵(たんか)を切るシーンもあり意外と熱い一面も持っています。
元々成績優秀な優等生でしたが、倫子が消息不明になった後に医者になり、大学病院で遺伝学の研究をしていました。倫子が消息不明となってから15年後、冷凍保存から目覚めた倫子ともう少しで会える。。。というところで命が尽き果ててしまい、倫子と会うことは叶いませんでした。
小田切貢(おだぎり みつぐ)

フリーのジャーナリスト。倫子と同じ変身人間の血を持ち、大きな黒豹に変身します。暁生の育った組織に元々はいましたが、19歳で組織を飛び出し自ら同じ変身人間を探し続けて倫子に出会います。倫子を睡眠薬で眠らせて自分のものにしてしまうやり方は卑怯ですが、彼なりに倫子を愛していました。暁生の叔父にあたります。
最期は曽根原薫子に倉庫に追い詰められ、倫子と慎也を助けるために自らおとりとなって爆発死します。
曽根原薫子(そねはら かおるこ)

倫子と慎也の通う高校の生物教師。父親の研究を引き継ぎ変身人間の研究をしています。倫子が変身人間だとわかってから執拗に追い続け、やがて倫子の妹の舞子を殺した時から倫子との戦いが始まりました。変身人間を公表するためには手段を選ばない悪役中の悪役です。
麻衣を出産した後の倫子との戦いで片目を失い、倫子とともに崖から落ちましたが15年後に姿を現します。暁生たちがいた変身一族の組織と手を組み、純血種である麻衣を執拗に狙いますが、最期は暁生に殺されます。
水島麻衣(みずしま まい)

倫子と小田切貢の子どもで、唯一の変身人間の純血種です。名前は曽根原薫子に殺された倫子の妹、「舞子」から名づけられました。倫子が行方不明後は水島慎也の娘として育てられます。純血種としての能力は未知数で、作中では動物の豹や暁生が変身した黒豹などを手なづけることが出来る他、鉄格子を曲げたり物を念力で動かしたり機械を壊したりしています。
最終回まで変身することはありませんでしたが、篠原先生によると麻衣にも変身能力は備わっているそうです。

麻衣は赤ん坊の頃から能力を発揮していました。
高階暁生(たかしな あきお)

小田切貢の甥にあたり、麻衣とはいとこ同士になります。変身人間の一族で育ち、最初は組織の命令で純血種である麻衣を襲いますが、麻衣の方が力が格上すぎてお手上げでした。麻衣の反撃にあった際にボスが暁生を他の豹と一緒に扱い「ただの黒豹だ、一緒に撃ち殺せ」と言ったのを聞いて組織を抜け、麻衣と共に生きることを決意します。やがて麻衣を愛するようになり、最終回では2人で国外へ旅立ちます。
麻衣が怒りにまかせて変身しようとすると「君に血の味を覚えてほしくない」と暁生が必ず止めていました。元々変身人間は短命ですが、曽根原薫子の研究で麻衣の血清から普通の人間の寿命を生きられる身体となりました。
ドラマ版「闇のパープルアイ」
大人気漫画だった「闇のパープルアイ」は1996年にテレビ朝日系列で実写版でドラマ化されました。キャストを見てみると、今も活躍している方たちがたくさん出演していてびっくりしました。
ドラマ主題歌は当時大人気だった浅倉大介率いるICEMAN
今でも「闇のパープルアイ」を懐かしむ人がたくさん!
