ゲームセンターあらし】

すがやみつる@京都精華大学マンガ学部(@msugaya)さん | Twitter
ゲーム攻略、アーケード漫画の元祖
時代は高度経済成長期でインベーダーブーム。街中の喫茶店でもテーブル筐体を入れて、大人が100円玉を積み上げてた頃の漫画です。アーケード漫画の元祖ですね。

ストーリー
主人公石野あらしが、ゲームセンターやゲーム大会を舞台に、全国、全世界から集まるライバルたちと熱戦を繰り広げるというもので、ストーリーは基本1話完結です。月刊コロコロコミックでの連載は比較的身近な世界を舞台にしており(それでも連載後半になると世界観は肥大化する)、別冊コロコロでの連載は1話約100ページに及ぶ大長編がメインで、最初から世界・宇宙規模の大きな世界観を持ったストーリーが展開されました。
スケールが大きく、今でも根強いファンがいます。今現在、プロゲーマーを名乗っている大人たちはこの【ゲームセンターあらし】の世界観の中で育ってきました。
作中に登場したゲーム
![ブロックくずし
スペースインベーダー
ギャラクシアン
ギャラクシーウォーズ
パクパクマン
バルーンボンバー[8]
パックマン
ムーンクレスタ
クレイジー・クライマー
ラリーX
ニューラリーX
トランキライザーガン
ドラキュラハンター](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)

登場人物①石野 あらし

基本的にすがや作品の主人公は大文字さとるのような二枚目タイプでしたが、本作では「これまでにない主人公を」ということで、いくつかデザインされた候補の中から出っ歯でブタ鼻の「一番醜いもの」が編集者によって選ばれました。色もデザイナーが臨時に塗ったものがコロコロコミックの表紙になってしまったため、そのまま正式採用になりました。

コロコロ創刊伝説より
登場人物②大文字 さとる

三段リーゼントという髪型が自慢ですが、ストーリー中盤で髪の毛を剃られてしまうエピソードがあり、それ以降は同じ髪型のカツラを被るようになりました。

登場人物③月影 一平太

プライベートでは人形を沢山収集し、寝る時はネグリジェだったりと少女趣味です。原作では白地にインベーダーマーク、アニメでは黄色地に赤で丸の中に「一」と書かれたシャツに腹巻、学ランがトレードマーク。名前の由来は「インベーダー」と「月形半平太」をもじったものであり、自身も「月影インベーダー様」を自称するシーンがあります。
登場人物④石野 ガラエ

あらしの母。ノーブラ。

あらしの母。ノーブラ。正体ばれる。

あらしの母。ノーブラ。必殺技まで繰り出すようになる。
あらしの必殺技
熱血の時代(1978年~1980年末)
それまで遊びとしか思われていなかったテレビゲームに情熱を傾けるあらしの姿に読者は共感を覚えました。他人にとってはどんなにくだらなく思えても、自分が本当に好きなものならば熱中する価値がある。これこそがコロコロコミックの漫画誌としての位置づけを決定した瞬間と言えます。
「熱血」が時代のキーワードであり、コロコロのキャッチフレーズであった時代でした。この必殺技の登場により、あらしは必殺技漫画として定着していく事になります。

炎のコマ
冒険の時代(1981年初め頃~1982年春)
あらしの第二期は第20回(1981年3月号)での真空ハリケーン撃ちの登場と共に始まると言っていいでしょう。体を高速で回転させ、巻き起こす真空の渦で手を触れずにゲームを操作するというこの技は、それまでの必殺技とは一線を画し「超必殺技」と呼ばれた。この技の登場と、同時期に始まった別冊コロコロコミックでの大ページ連載の相乗効果で、作品のスケールは次第に大きくなっていきます。ゲーム自体を攻略する話に代わって、ゲームを通しての冒険や必殺技対決というスタイルの話が主流になり、あらしはSF・ファンタジー漫画としての側面を強く持ち始めた。初期の頃からの読者はこの頃次第に離れていったようですが、もっと若い層にはあらし達の冒険はむしろ歓迎され、結果として読者の交替が起こったと見られます。

あらし最大の必殺技である超新星スーパーノヴァ
宇宙のエネルギーを全身に集め、それを一気に放出すると言う、元祖・元気玉。作者自身も「理屈無用の必殺技」と語る究極奥義でした。
火山の噴火が原因で氷河期になってしまった時には宇宙空間で必殺技を使い、火山灰を吹きとばしたりと、たびたび地球を救う活躍まで見せています。
混迷の時代(1982年春~1983年)
この頃のあらしには、新しい道を探そうとする作者の迷いが現れ、様々な傾向の作品が入り混じる事になります。次々に襲い来る魔神とあらしとの戦いを連続物として描いたものだったり、「あらし史上最大の戦い」と銘打った三部作は、迫害されながらも戦うあらしや、自らの存在に苦悩するあらしのクローの姿などが描かれており、それまでにない深みを持った難しい作品となりました。
逆にそれまでのような熱さを感じさせない、ライトタッチの話が多く描かれているのもこの頃の特徴です。

結局あらしは昔の勢いを取り戻すことなく、1983年10月号で最終回を迎えました。最後の必殺技スーパーノヴァトリニティはこれまでの全ての技を合体させたもので、それまでの歴史を振り返るものになっています。
二号にわたって描かれたこの最終話において、あらしと二人の親友は我々の住む世界を離れ宇宙に向けて旅立った。あらしの歴史は幕を閉じました。
そして今に至るまで、あらしは帰ってきていません。

水魚のポーズ
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テレビアニメ
おとなの事情
放送開始時、テレビ朝日系列局にて『あさりちゃん』のアニメが放送されていました。しかし、これが『あらし』と全く同じ月曜日19:00 - 19:30枠での放送で、同じ『コロコロコミック』連載漫画を原作に持つアニメがバッティングする事態となってしまい、このことが原因で『あさりちゃん』の『コロコロコミック』での連載は打ち切られることになりました。
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