80年代はホットハッチ全盛期♪ 「スターレットターボS」「シティターボⅡ」等、ブームを牽引したクルマたち

80年代はホットハッチ全盛期♪ 「スターレットターボS」「シティターボⅡ」等、ブームを牽引したクルマたち

安価で使い勝手の良いハッチバックボディとスポーツカー顔負けのパワフルなエンジンを両立させたホットハッチは、当時多くの若者を魅了しました。「ボーイズレーサー」とも呼ばれた、ホットハッチブームを牽引したクルマたちを振り返ります。


ホットハッチとは?

ホットハッチのルーツ“フォルクスワーゲン・ゴルフGTI”

はじまりは、1977年に登場した初代フォルクスワーゲン・ゴルフGTIでした。

標準のゴルフ(1,100/1,500cc)をベースに1,600ccエンジン(後に1,800~2,000cc)を搭載。標準モデルの特徴である室内の広さや操縦安定性はそのままに、ハイパワーかつ足回りの強化で非常に高いパフォーマンスを持っていました。

【フォルクスワーゲン】ゴルフGTI

ちなみに、日本におけるホットハッチのルーツは、1974年に発売されたホンダ・シビック RSとする見方もあります。

固められた足まわりと高性能エンジン、わずか705kgの車重とも相まってハンドリングは軽快かつスポーティ。スポーツカーに乗りたいという若者の夢を叶えることをめざした、HONDAらしい身近なスポーツモデルでした。

【ホンダ】シビック RS (1974年- )

そして、バブル全盛になっていく頃、ホットハッチブームが日本にも訪れたのです。

80年代のホットハッチブームを支えたクルマたち

【ホンダ】シティターボ

1.5BOXと言われるほどに短いノーズに、走るために必要なエンジンとFFメカニズムを詰め込み、その後ろには1470mmという高い車高を生かした広い居住空間を作り上げた、遊びゴコロ満載のカッ飛び1.5BOXカー。

【ホンダ】シティターボ (1982年- )

ターポモデルはノンターポと比ぺて明らかにスポーツ志向に振っており、シートはコンパクトなパケットタイプでした。

【ホンダ】シティ ターボII (通称:ブルドッグ)

従来のターボ・パージョンを、さらにパワーアップしたエンジンをひっさげて登場!

愛称の「ブルドッグ」は、前後のブリスターフェンダーや愛らしいグリルの顔だちからきたもの。

【ホンダ】シティターボII (1983年- )

【ダイハツ】シャレード・デトマソ・ターボ

2代目シャレードにはデトマソターボがありました。シャレードのデ・トマソ仕様車としては、これが初代になります。

【ダイハツ】シャレード・デトマソ・ターボ (1984年- )

デトマソ・ターボ Detomaso Turbo

エンジンはベースとなったシャレード・ターボと共通で、内外装のデザインをデトマソが手がけました。

アクセルを踏んだ瞬間、ターボが効きはじめ、一気に吹き上がる加速感=3

ハードにチューニングしたターボ・サスと絶妙のマッチングをみせて、その走りは、まさしく獲物を追う猫科の敏捷な走り。

「Cats' Turbo」(猫科のターボ)の異名をとる、世界初の3気筒1リッター・ターボ

【トヨタ】カローラFX GT

1984年にデビューしたカローラFXの最強グレードが、MR2と同じDOHC16バルブ1.6リッターの4A-GELUを積んだ3ドア 1600GTです。

日本で初めて2ボックスボディーにDOHCエンジンを搭載!

ひと月ほど遅れて登場した、ホンダの市販四輪車としては16年ぶりにDOHCエンジンを搭載したホンダ・シビック Si とは、市場でもサーキットでもライバルとして火花を散らしました。

【トヨタ】カローラFX GT (1984年- )

【ホンダ】シビック Si

【ホンダ】シビック Si (1984年- )

ホンダ初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、3ドアハッチバックは、自動車としては初の大賞、1984年度グッドデザイン賞を受賞。

1984年度「グッドデザイン大賞」受賞!(自動車としては初!)

フロントからリアまで大きくまわりこんだフルラップラウンドのコクピットがもたらす、クルマとの自然な一体感♪

【マツダ】ファミリア フルタイム4WD GT-X

日本初のフルタイム4輪駆動を装備した3ドアハッチバックのターボエンジン車には、悪路を想定した2段階の車高調整も用意。当時1600㏄クラスで国内最強のスペックを誇りました。
型式名「BFMR」。

【マツダ】ファミリア フルタイム4WD GT-X (1985年- )

【トヨタ】スターレット ターボS

1986年に3代目スターレットに追加された3ドア1300ターボS。
空冷式インタークーラー付きターボは、過給圧を高低2段階に調整する「2モード・ターボシステム」を装備。

【トヨタ】スターレット ターボS (1986年-)

1984年のフルモデルチェンジでようやくFF化された、3代目スターレット。

スポーティーグレードであるSi/Riは、インジェクション仕様の直4SOHC12バルブ1.3リッターエンジンを搭載。自ら「かっとびスターレット」と名乗って、俊足をアピールしました。

“かっとびスターレット”の愛称で走り屋からも人気のあった3代目スターレット

キャッチコピーは「辛口ターボ」

【スズキ】カルタス GT-i

カルタスは1983年から生産がはじめられたコンパクトカーで、当初はリッターカーとして作られていましたが、過激モデルブームにのって発売されたのがこのGT-iモデルです。 

このモデルには標準モデルが1リッターエンジンを搭載しているのに対して1.3リッターの直列4気筒DOHC16バルブエンジンという当時のコンパクトカーとしては非常に贅沢なエンジンが搭載されました。

【スズキ】カルタス GT-i (1986年- )

【プジョー】205GTI

欧州での発表は1983年。1986年の日本導入と同時に販売開始されたイメージリーダーとも言えるホットハッチです。

【プジョー】205GTI (1986年- )

当初は1,600cc(105PS/115PSが存在)の左ハンドル・5速マニュアルトランスミッションモデルのみ。

1988年にストロークアップにより排気量が拡大された1,900cc(100PS)モデルが導入されると同時に右ハンドルモデルが追加されました。

プジョー車の特徴で「猫足」という言葉で表現される、しなやかなで路面に吸い付くような接地感のある足回りが人気でした。

【日産】パルサー ミラノX1 ツインカム

1986年5月のフルモデルチェンジでN13型に生まれ変わった3代目パルサーは、日本初のフルオート・フルタイム4WD(ビスカスカップリング方式)が高い評価を受け、日産初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
このX1ツインカムは、最もスポーツ性の強い最上位モデル。標準だと黒いプロテクターやスポイラー、ドアミラーなどが全てカラーとなる、総カラー仕立ての「フルカラースポーツ」仕様がカッコ良かったですね。

【日産】パルサー ミラノX1 ツインカム (1986年- )

【フォード】フェスティバ GT-X

キャンバストップと呼ばれるオープンカー気分が味わえるサンルーフと、ヨーロピアンテイストのスタイルが人気を集めた「フェスティバ」のDOHCエンジン搭載モデル。

【フォード】フェスティバ GT-X (1986年- )

【三菱】ミラージュ サイボーグ

145PSのハイパワーを誇った1.6L DOHCターボの「サイボーグ」。

【三菱】ミラージュ サイボーグ(1987年- )

バブル景気の中で登場した3代目ミラージュは、3ドアハッチバックのみがリリースされ、

●基本グレードの「スイフト(スイフトと彼はA型です。)」
●女性を意識した「ファビオ(ファビオと彼女は、B型です。)」
●趣味性の強いホットハッチのスポーティーモデル「サイボーグ(サイボーグとアイツはO型です。)」
●リヤウインドがハメ殺し窓の2シーターモデルの「ザイビクス(ザイビクスとあの人は、AB型です。)」

という4つのバリエーションに性格分けされた車種設定でした。

【日産】マーチスーパーターボ

1988年に発売された競技専用車の「マーチR」をベースに、1989年に発売開始された一般向けモデル。

見た目は初代マーチのものとほとんど変わらない車なのですが、エンジンは930cc直列4気筒OHCにターボチャージャーとスーパーチャージャーという2つの過給器を備えていました。

【日産】マーチスーパーターボ (1989年- )

【いすゞ】ジェミニ イルムシャー

専用の電子制御式ターボ付き1,500ccの2バルブSOHCガソリンエンジン「4XC1-T型」を搭載し、足回りを旧・西ドイツのイルムシャー社がチューニングしたスポーツモデル。

【いすゞ】ジェミニ イルムシャー (1986年- )

最後に、1990年登場のクルマですが、こちらも80年代から続いたホットハッチブームの流れを汲むクルマということで挙げておきます。

【日産】パルサー GTI-R

4代目パルサーに加えられた、WRC(世界ラリー選手権)参戦を前提に開発された最強グレード。

【日産】パルサー GTI-R (1990年- )

いかがでしたか?

1980年代はコンパクトカーに、ターボ車の設定がたくさんありましたよね♪

時はバブル、いわゆる【どっかんターボ】で“燃費よりも加速”を求め、無駄に燃料を消費しても過激な走りを楽しむ時代でした。

しかし、バブル終焉とともに燃費を求める時代になり、無駄に燃料を消費する“ホットハッチ”というクルマのブームは去ることに・・・今なお燃費重視傾向は強く、再び“ホットハッチ”ブームがくる気配はなさそうで、ちょっぴり寂しく感じます。

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