『アリエスの乙女たち』(1987年)アリエス・・・愛のためなら死ぬ事さえも喜び。見極めてみたい、そんな愛を

『アリエスの乙女たち』(1987年)アリエス・・・愛のためなら死ぬ事さえも喜び。見極めてみたい、そんな愛を

スケバン刑事では仲間同士だった南野陽子と相楽ハル子の松村雄基をめぐる激しい愛の戦いが見所でした。高飛車だった南野陽子が失明してしまう松村雄基との壮絶な愛を通じて成長していきます。80年代の大映ドラマらしい激しい展開や名言も多数。このアリエスの乙女たちをじっくり、おさらいしていきましょう。大映ドラマの常連の松村雄基は不良高校生とは思えない名言をあいかわらず連発します。いつ見ても勉強になります!


司は敬子と結婚してしまう。司は陶芸家に弟子入りし、陶芸を学びながら結婚生活を送る。

司の元彼女・津川敬子が司の子を妊娠。結局、司は敬子と結婚してしまう。

陶工見習い・結城司(松村雄基)の前に、恋人・津川敬子(相楽晴子)の両親(平泉成、結城美栄子)が現れた。両親は、結城に衝撃的な事実を告げた。

それは、敬子が妊娠したという報せであった。遅れて敬子本人がやって来た為、結城は敬子と一対一で話し合うことになった。

敬子の希望は一つだった。結婚して欲しい。それだけだ。

敬子はどうしても結婚して欲しいと言って聞かなかった。
結城がなおも断り続けていると、敬子は意を決して踏切の中に飛び込んだ。

敬子「あたし死ぬわ。お腹の子供と一緒に」

丁度、列車が来たところだ。結城は慌てて踏切の中から敬子を引き摺り出した。

敬子は興奮状態で絶叫した「離してよ!あなたと一緒になれないなら死んだ方がマシよ。幾ら頼んでもこの次は死んでみせるわ」

ここまでされると、結城も折れざるを得なかった。

司「敬子、お前の言う通りにしよう。産まれてくる子は力を合わせて育てよう」

とうとう、結城は敬子との結婚を承諾した。

敬子「お早う御座います、お義姉さん。 お掃除しに参りましたわ。 それとも、洗濯を先にしましょうか? 私はこの家に嫁いでくるんですもの、その位のことするの当たり前です」

薫「何ですって?!」

敬子は勝ち誇った顔で答えた「あら、知らなかったの?
司はあたしと婚約したのよ。ねえ、お義姉さん。
司とあたしはもうすぐ結婚するんですよね?」

敬子に振られると、小百合は気不味そうにそれを認めた。

薫は、その足で結城司の工房へ飛んだ。 直接事情を訊こうと、結城司を捕まえて問い質した。

そんな薫に、結城は苦しい胸の内を明かした。それは、敬子が妊娠したという事実であった。結婚しないと敬子は死ぬと断言している。

本気でやりかねない。生れてくる命のためにも、それだけは阻止せねばならなかった。

司「俺は愚かな男だ。敬子とは遊びだった。遊びで済むことと済まないことがあるのに、
俺は軽はずみな真似をした。

心底愛しているのは、あんた1人なのに。後にも先にもあんた1人なのに。
俺は愚かなことを……

こうなったら、敬子を愛するように努力するしかない。
俺は愛してもいない女と結婚するようないい加減な男だ。
最低の男だ。薫。忘れてくれ、俺のことは」

結城はそう言って項垂れた。薫は、思わず結城に縋り付いていた。
結城は、薫を受け止めながらなおも続けた。

「薫、俺はお前を愛してる。俺はお前を幸せにしてやりたいと思ってる。
だが、それはもう出来ない。俺のことは忘れてくれ。
俺も、忘れるようにする。これ以上話していてもお互い辛くなるだけだ。
帰ってくれ。頼む、帰ってくれと言ってるんだ!」

結城は、縋りつく薫を強引に引き離した。

司と敬子、二人は結婚した。

敬子「あなたの愛には形が無いのよ。
 あたしは司の妻。 司はあたしの夫。 
それに赤ちゃんも産まれるわ。 
それに引き換え、あなたは司の何? 
どんなに司を愛したところで、あなたが司と一緒になれるどんな形があるっていうの?
薫さん、色々あったけどあたしの勝ちね」

敬子「薫さん、あなたはその陶器を眺めて司を偲ぶつもりらしいけど、 あなたに出来るのはそれだけよ。」

敬子は、鬼の形相で鉄パイプを握り締めていた。

敬子「薫、司はどんなことがあっても渡さないわよ。 あんたなんか……あんたなんか死ねばいい!」

司は失明してしまう。

バーナーが異常を起こしていることに気付いて、慌てて元栓に手を掛けた。 その瞬間、窯は大爆発を起こして司の体を吹き飛ばしてしまうのだった。

窯焚き中の爆発事故に巻き込まれて病院に担ぎ込まれた。

幸い命に別状はなかったが、
診察の結果角膜が熱損傷していることが判明した。
疲労が蓄積していたこともあり、
司は医師から絶対安静を告げられた。
目に包帯を巻かれた状態で自宅療養に入った司は、
暗闇の中で様々な思案に暮れた。
このまま目が見えなくなるのではないか。

司「見えない。お前が見えない」

『陶芸家としての輝ける第一歩を踏み出したその日はまた、
結城司に失明の宣告が下された日であった』

完全失明。 回復の見込みなし。 医師は、司に盲人用の白い杖を手渡した。

司は一心不乱に陶芸に打ち込んだ。 点字本を頼りに、新しい作品を生み出そうと懸命に頑張り続けた。 土を捏ね、轆轤を回し、分からないことがあれば点字本で調べる。

敬子のするどい台詞・・・

敬子「司、あたしが抱けないのね。 あたしは貧乏だけなら辛抱するわよ。 どうにも我慢出来ないのは、あなたがその見えない目の奥底でも、 ずっと薫の姿を見続けていることよ」

司「薫、俺や敬子のところにもう来るな。
お前俺に同情してくれてるようだが、もうたくさんだ。
愛だのヘチマだの言ったところで、目の見えるお前に俺の身になれる訳がない。
無駄な同情など豚にやってくれ」

言い捨てて、司は夜の街へ手探りで出て行った。

壮絶な薫の意気込み・・・さすが大映ドラマの真骨頂です。

薫はポーチから針を取り出した。「私も何も見えなくなれば、司と同じになれる」

意を決して自分の目を突き刺そうとしたその時、誰かの手が薫から針をもぎ取った。
司の姉・小百合だった。

名言のオンパレード!

司の姉・小百合「薫さん、いつも針を持っているのは女としてとてもいい心掛けよね。 でも、針は物を繕うために使うものでしょ。 あなたに繕って貰いたいのは、司の心」

薫は司の目になろうと誓う

敬子「あんた、また司とあっていたのね!」と殴ろうとする。

それを止める薫。

薫「敬子さん、あなた本当に司の妻なの?司を苦しめることしかしてないじゃない。私はもう司とはあいません。」

敬子「そんな言葉信じるもんか!」

薫「信じるも信じないのも勝手になさい。ただこれだけは言っておくわ。私は司を一生愛し続けます。」ときっぱり言って薫は立ち去る。

長谷川 信吉「すばらしい。あの男もようやく迷いがふっきれたようだな。」
長谷川 千草「そうでしょうか。悩みのない人なんていませんわ。私には迷いを必死で消そうとしている司さんが痛々しいですわ・・・」

陶芸に打ち込む司。その出来栄えは素晴らしいものだった。

女子高生・久保恵美子(佐倉しおり)は、一つの決断を下した。 家を捨てて、身一つで愛する人に飛び込むこと。

磯崎は北海道に出張になる事を告げ、「自分が本当に好きなら、東京駅に来てくれ。」と恵美子に告げる。

恵美子「高志さん。私も行くわ、あなたの出張先まで。私、家を捨てるわ」

恵美子は家を飛び出し、磯崎の元へ行く。

女として、この人なら悔いはない。
自分を捨てて、身を捧げられる人。
迷い、悩み、考え抜いた末の相手が高志だった。
高志は決して完全な人間ではない。
生真面目であるが故に折れやすく、未だまだ頼りにはならない。
裕福な暮しが約束されている訳でもなければ、喧嘩したことも幻滅したこともある。
それでも、やっぱりこの人。
それが、私の道。

次の朝、恵美子は高志と海で夜明けを見た。

仰星高校では、薫の不倫と恵美子の同棲が問題視されていた。校長室に呼び出された2人は、退学する事を告げ、学校を後にした。

司「敬子、俺にも覚悟があるぞ。俺は、お前と別れる。 俺も辛抱してきたがもう我慢出来ん。敬子、別れてくれ。 気の合わない俺と暮すのはお前だって不幸だ。 大介は俺が引き取って育てる。お互い別れた方が一番いい」

敬子「司、あんたあたしと別れて薫と一緒になりたいんでしょ?
だけど、そうはいかないわ。

あたしはどんな事があっても籍は抜かないわよ。あたしにも覚悟があるってことよ。

あんた達がどんなに好き合ったところで、意地でも結婚なんかさせてやるもんか。
いいわね、薫。司と一緒の墓に入るのはあんたじゃないわよ。このあたしよ!」

敬子はとうとう薫と司を憎み続ける事に疲れ、司と離婚した。

敬子「別れてあげる。いずれ離婚届ももってくるわ」

司「そうか、俺はあえて引き止めない。すまないと思ってる」

敬子「これだけは信じて。私は、あなたが好きだった。できればいつまでも一緒にいたかった」
司「短い間だったが、俺たちは夫婦だった。もし町ですれ違ったらお互い気持ちよく挨拶しよう。俺が言うのもなんだがお前の幸せを祈ってる。」

敬子「薫と一緒になるつもりかしらないけど、目の不自由なあんたと大輔の世話で疲れ果てぼろぼろになるわよ。私のようにね。」と最後に捨て台詞をはいて出て行く。

敬子「・・・終った。 何もかも終った。 あたしの恋が敗れた・・・」

出たところで敬子は薫とは鉢合わせる。

敬子「司はあんたにくれてやるわ!」
薫「どうして・・・敬子さん」

敬子「疲れたのよ・・・嫉妬するのもあんたちの仲を引き裂くことにも疲れた・・・けど司と一緒になったって、ぼろぼろになって不幸のどん底になるわよ!」

薫は浮かない顔で「敬子さんきっとつらかったはず・・」

恵美子「なにをゆうの!素直によろこばなきゃ!」
薫「そうね!」と笑顔で乾杯

一人帰る薫は、夜空の星に語り掛けていた。

ママ・・・喜んで。薫は今、幸せです。ママと、この喜びをわかちあいたかった。。。

薫は、「口がきけないおばさん」として、司の世話をする事に。司は晴れの舞台にむけて、陶芸展を目標としていた。

司「あの皿は邪心がはいっていた。長谷川先生に言われた時は、この老いぼれに何がわかるんだって思った。そして骨身にしみて今度は死にたくなった。

けど生きる勇気を与えてくれたのはこれ
・・・薫の手紙なんだ。
あいつは俺のことを見つめて続けてくれている。

俺は何があってもくじけない。」

結城 小百合(大場久美子)「また一からなの?」

司と薫は休憩していた。

司「これは色んな年代の焼き物が入っているんです。手触りでわかるんですよ。

この間の作品は心を忘れていました。目の見えない俺に残されてるのはこの手だってこと。
この手で土を愛し、火を愛し、1つの形を焼き上げる。

これがおれに残された唯一の道なんです。前にコーヒー飲んだ女の子の話、しましたね。

目が見えていたころ、俺はその女の子のイメージを真っ赤な色でやきあげました。今度はその人の肌を焼き上げたいんです。その子とはキスもしたことありません、けれどたとえ目が見得なくても、この手はあの人の肌をはっきり覚えています。」

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