難波金融伝・ミナミの帝王「銭の一・二」
ミナミの帝王とは
大阪・ミナミで金融業を営む萬田銀次郎(竹内力)を主人公にした大人気シリーズ。
十日で一割の利息を課す「萬田金融」。暴利な金貸しであり、地獄の果てまでも取り立てる。
「ミナミの鬼」との異名を持ち、ヤクザも恐れる男の物語。

初の劇場版!
「銭の一 トイチの結婚」のあらすじ
会社へも取り立てに出向く萬田金融
丸信ファイナンスで働く小金井の元に萬田銀次郎と金子竜也がやってくる。
会社の屋上に連れ出された小金井。
債権回収がうまくいかなくて返済が遅れてると言い訳をする小金井に、銀次郎が
「どあほぅ、おのれは萬田金融の不良債権なんじゃ!
たかが200万、会社の金庫からくすねてくる位の誠意みせてみぃ」とどやす。
そこへ小金井が密かに想いを寄せている八重子がやってくる。

八重子は、銀次郎と金子竜也の悪態を非難する。
口の悪い金子竜也には張り手を喰らわす正義感の強い八重子。
その後、小金井と八重子は定食屋に移動。
小金井はそこで、八重子が婚約している事を知り、ショックを受ける。
しかし、八重子の婚約者である水木克也にはある目的があった。

結婚詐欺に引っ掛る八重子!多額の借金を背負う
2人はお見合いパーティで出会って、結婚にまで発展する。
しかし、水木の目的は結婚詐欺だった!
八重子に甘い言葉で気を惹き、500万円を借りる。
更にもう500万円が必要と迫る水木。
そして、八重子は嫌悪していた銀次郎に借金をしてまで、水木の為に資金を調達。
500万円をトイチ(十日で一割の利子)の暴利で借りる。
そうして水木は経営が上手くいっていない会社の資金集めの為に、八重子から総額1000万円をだまし取るのだった。
その後、水木に結婚を一方的に破棄される八重子。
巧妙な手口で騙されていた事に気付き、絶望する。
萬田金融へ訪れ、銀次郎に返済できないと告げる。
「そんな事わしには関係ない。銭はその身体叩き売ってでも、払ぅてもらいまっせ」
と相手にしない銀次郎。
しかし、八重子の身体を売ってでも返済するとの覚悟をみて、協力する気になる銀次郎。
1000万円を取り返しつつ、自らも金を得られる方法を思いついた萬田銀次郎。
「ただし、儲けは折半や」と金融屋の顔ものぞかせる。

結婚詐欺師に結婚詐欺を仕掛ける銀次郎!
水木の元へ行き、銀次郎は八重子にまもなく5億円の遺産が入るとウソをつく。
遺産目当てに、再度結婚を申し込む水木。
銀次郎は「あいつの財産むしり取ったるでぇ」と意気込む。結婚詐欺師を結婚詐欺にかける戦いがはじまった。
「結婚詐欺師攻略マニュアル」を作成し、八重子にはそれを徹底させる。
駄目な妻を演じる八重子。段々と結婚生活に疲れていく水木。
そのタイミングでビジネスチャンスが訪れる水木。1億円あれば飲食店を拡大できる。
しかし、それは銀次郎の罠だった。ありもしない5億円を当てにしていた事に気付く水木。
銀次郎に結婚詐欺として訴えるとけしかける水木。
「ええか?詐欺っちゅうのは、相手を騙して金品を巻き上げるこっちゃ
わしがおのれになんぼ程もろたちゅうねん」
その後、離婚が成立し、2000万円の慰謝料を奪い取る銀次郎達だった。
そして、一連の騒動を経て、小金井と八重子は結婚をする事になった。
すかさず小金井の借金の保証人を八重子にと強要する銀次郎。
最後まで金融屋のスタンスを崩さない銀次郎だった。

「銭の二 一千万円の女」のあらすじ
難波金融伝 ミナミの帝王 劇場版 I 銭の一・二 ★ Nanba kin'yû-den Minami no teiô (1993) : パソコン映画館

美代子の一件で味をしめた谷本。
法的効力のない証文を武器に、クラブで女性を口説いては、次々と女性と肉体関係を結ぶ。
クラブのママからの要請もあり、銀次郎はホステスを使った色仕掛けの作戦を考える。

恩を仇で返した谷本を成敗する銀次郎!
クラブで女性(美代子の妹達)にチヤホヤされ、気をよくした谷本はいつものように証文に実印を押す。
そこに銀次郎が現れ、「証文があったら、銭払うんやな」と言葉を吐き捨てる。
実はその証文は、借金の連帯保証人となる1000万の証文にすり替えられていた。署名、実印が押してある言い逃れの出来ないものだった。
知らない内にまんまと騙され、我に返る谷本。
「萬田はん、100万払う!1000万堪忍してぇや・・・」と哀願する谷本。
「わしが許しても、ミナミの街があんたを許しまへんのや!」と銀次郎。
がっくりと肩を落とし、美代子から「自業自得や」と罵られる谷本だった。
作品データ
監督 萩庭貞明
脚本 永沢慶樹、伊藤秀裕
俳優 竹内力、大森嘉之、竹井みどり等
公開 1993年(平成5年)
配給 ヒーロー
時間 85分
いかがでしたでしょうか?
萬田銀次郎の両極端の恐ろしさと優しさ。それらが巧みに描かれた本作。
もう公開から23年が経ちますが、萬田はんの魅力はこれからも色褪せる事なく、人々に受け入れられていくでしょうね!