不思議な世界に迷い込んだ双子の冒険物語
明日から学校が始まるという日の夜。終わってしまった休みを惜しみつつ窓から外を眺めたえりか。そこで見かけたのは頭はネコで体が人間のような変わった生き物。さとると共にその変わった生き物を追って迷い込んだ先は・・・。双子の兄妹えりかとさとるが不思議な声に導かれて辿りついた不思議な世界で「ときのかんむり」を探すアドベンチャーゲーム。
2人同時プレイシステムを搭載したアドベンチャー

斬新なのは2人同時プレイが可能なアドベンチャーゲームという点。画面が2つに分かれていてそれぞれ1コントローラー、2コントローラーでえりかとさとるを操作します。ここで、気になるのが1プレイの場合はどうなるのか?ということ。もちろん、2人とも一人で操作することになります。そう、1人でプレイしていても2コントローラーも使用して動かさなくてはいけない。これがかなり面倒くさいんです。この点にもう少し工夫があれば・・・残念な点です。
しかし、同じ部分のやり直しなどには嬉しいメッセージスピードの高速化を設定できる仕様となっています。
1人プレイはクイズナゾザンス!

1プレイでゲームをすすめていると、あるイベントでいきなりクイズ番組風味の画面に変わってクイズが始まります。問題は動物クイズ。ちょっと物知りになれそう。失敗してもやり直しがききますが、とある場所の“ナゾザンス”だけは失敗すると章の最初からやり直しになります。あいことばは忘れないで。
2人プレイではミニゲーム

2人プレイでゲームをすすめるとクイズではなくミニゲームが出現。結構難易度は高めです。内容はその度に違います。ちなみに画像のミニゲームは図書館から持ち出し禁止の本をドロボー・・・勝手に借りるというゲーム。さとるが本を持ったえりかを隠しながらうさぎさんの前を通り過ぎるというもの。2人の息を合わせて。他にも悪いヤツから逃げたり、口に出してはいけないゴから始まるアイツを退治したりします。
ファミコンとしてはグラフィック、音楽のレベルが高い
このゲーム、かなり音楽に力を入れているんです。ちょっと恐ろし気な音楽もあったりするけれど、BGMの種類が豊富でファミコンとしてはかなりのもの。そしてグラフィックにもこっていて、たまに出てくるお姉さん方がかなり美人。なぜか動物の世界のはずなのにお姉さんは人間の様です。
章をクリアするとあいことばが出てくる。これ忘れちゃダメ

章をクリアするごとにファミコン時代のゲームらしく、“呪文”じゃなくて、、、あいことばが出てきます。これを書き留めておくことが必要。忘れたり、間違えるともう一度やり直しになります。書き留めた紙も無くさないように気をつけて。そして・・・このあいことばには後々知られることになる隠しメッセージが。
触れないわけにはいかないブラックなメッセージ
後年、エンディングの後にとんでもない内容のメッセージが隠されていることが判明。こんなファンタジーなゲームの開発の裏にはとんでもないストレスがあったのかと、ゲームクリエイターの過酷さを感じざるをえないエグイもの。決して子供が見てはいけない・・・・・。そして、そのメッセージを見る方法もかなり難易度が高く仕掛けた人間が漏らす以外に見る方法がないと思える。
他にもパスワードを入れると見れるメッセージもあるようで・・・・。
『えりかとさとるの夢冒険』新たな隠しメッセージがさらに続々出てきた!!
アドベンチャーゲームとして素晴らしいゲームです

ゲーム制作の裏が垣間見えるメッセージの方がクローズアップされていますが、ゲームの内容は当時のファミコンの能力を最大限に使って作られた良作。ツッコミどころも満載だけど、アドベンチャーゲームとしてはレベルが高いと思います。クリエイターの血と汗と涙の結晶と言える素晴らしいゲームです。残念ながらバーチャルコンソールには対応していません。