「孤独のグルメ」の連載は20年以上も前!
孤独のグルメ とは - はてなキーワード


原作は久住昌之、作画を谷口ジローが担当。
2012年1月よりテレビ東京にてドラマ化され、Season5まで製作されています。
Season5の第7話(ジンギスカン鍋)では、深夜枠ながら5%もの視聴率を獲得。
更なる続編も期待されるヒット作として成長しています。
「孤独のグルメ」を堪能する主人公

食べ歩きに駆り立てる哲学
「時間や社会にとらわれず幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。誰にも邪魔されず、気を使わず物を食べるという孤高の行為。この行為こそが現代人に平等に与えられた最高の癒しと言えるのである」
※TVドラマ版のオープニング・ナレーションより引用

独身貴族を地で行く主人公の五郎。すぐに腹が減るのが特徴です(笑)
料理を作る発想はなく、自分の腹が何の料理を求めているかを確認しつつ、店を選んでいきます。
彼にとって、料理はあくまでも食べるものであり、その時間こそが至福なのです。
どんなに仕事が忙しくても、食を堪能する姿勢に、現代人が忘れがちな食のありがたみを感じる事になります。五郎のその姿勢こそ「グルメ」ではないでしょうか。
独り飯の達人 井之頭五郎
井之頭五郎とは?

食べる行為に特化した作品
本作の特徴の一つに、主人公・五郎の半生がほとんど描かれない点があります。
どのような土地で生まれ、どのような人生を歩んできたのかといったキャラ設定上、当然と思われる人生背景が省略されています。
前述の恋人に関する話のように、断片的に描かれる場合もありますが、それが物語に展開を与えるような事はありません。
あくまでも食を楽しみ、食により孤独な自分を癒すための物語なのです。
原作者の久住昌之は、フランスの評論家に「主人公のバックボーンがミステリアスである点が面白い」と言われたそうです。
実際には、五郎の設定をかなり綿密に設定しています。
ですが、久住としてはキャラがバックボーンを背負って食べているなんて、読者にとってはどうでもいい事という考えのようです(笑)

食を邪魔する者には特盛りの鉄拳制裁!!
第12話 東京都板橋区 大山町のハンバーグ・ランチ

板橋区のとあるハンバーグ屋。
ランチタイムという事もあり、店内には多くのお客さん。
五郎はいつものように注文を決め、出てきた料理を堪能し始めます。
しかし、入店時より気になっていた店長による中国人留学生へのイビリ方。
周囲のお客さんは我関せずと、食事を終え、そそくさと店を出ます。
店内に客は五郎だけが残されます。
そして、店長の理不尽さに我慢し切れなくなった五郎。
箸を置き、カウンターにお札を叩きつけ、「人の食べている前であんなに怒鳴らなくたっていいでしょう」
と文句を言います。
すると店長は反省する様子もなく、「帰れ 帰れ」と五郎をあしらいます。
すぐさま「・・・・・・あなたは客の気持ちを全然まるでわかっていない!」と言い返す五郎。

五郎の食におけるポリシーが披露される場面。
しかし、店長は「なにをわけのわからないことを言ってやがる」と聞く耳を持ちません。
再度「出ていけ!」と言い、手の平を五郎に打ち当てます。
すると、店長の手を掴み、逆に関節技を決めてしまう五郎。(祖父が古武術の館長で、しっかりと叩き込まれた為)
痛がる店長「がああああ」
その様子を見ていた留学生が一言。
「やめて!それ以上いけない」
どこかやるせない表情で店を後にする五郎でした。

美味しそうな料理の絵
原作者・久住昌之による絵の解説

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作画・谷口ジローの綿密な描写


原作者の久住は実際の店舗へ取材へ行き、数百枚もの写真を撮ったそうです。
その原作者が唸る程に、一枚絵で表現してしまう作画の谷口ジローも流石です!
食後の一服は欠かせない!
愛煙家の五郎は、食後の一服までを楽しみます。
「ふう~~」と煙を吐き出す所までが、彼の食の作法なのでしょうね。


食事をするシーンは「濡れ場」だ!
原作者・久住昌之のインタビュー
『孤独のグルメ』久住昌之先生に直撃! - キャンペーン・特集 - 電子書籍ストア BookLive!

はふはふ、むしゃむしゃと「食べるシーン」の描写が「濡れ場」というのもどこか納得出来ます。
擬音語や擬態語を用いて、臨場感を演出する漫画では、特にそうした音が「濡れ場」を連想させるように思います。
本作は「食べる」漫画です。「濡れ場」同様、なんとも人間らしい営みではないでしょうか。

