シリーズ第10作目!
1989年に、ファミコンソフトとして発売された「悪魔城伝説」以来
悪魔城ドラキュラシリーズは、しばらく低迷を続けていました。
決して作品の出来が悪いわけではないのに、高い評価を得れなかったのは
「悪魔城伝説」の完成度が高すぎた故かも知れません。
しかし、そんな殻を打ち破ったのが本作です。
第10作目となった【悪魔城ドラキュラX 血の輪廻】は
CD-ROMという大容量の機能を活かし、肉声やアニメによる演出
そしてゴシックホラーに相応しい、荘厳なBGMを効果的に導入。
名作と云われた過去のシリーズをベースに、ゲームとしての完成度も高く
「PCエンジン史上、最高級のアクションゲーム」の評価を得た。
タイトルの「X」は、本作がシリーズ通算10作目であることから由来する。

シリーズ初のCD-ROM作品
プレイキャラクター紹介

リヒター・ベルモンド
リヒターはベルモンド家の末裔で、ラルフや、シモンの子孫にあたります。
歴代の主人公達と同様の操作に加えて
空中での後方宙返りや、前を向いたまま後方移動が可能。
メインウェポンは、先祖伝来の聖なる鞭。
サブウェポンは、短剣、斧、聖水、クロス、懐中時計、魔法の書、鍵
新規アクションとして、サブウェポンの力を引き出す「アイテムクラッシュ」を使用できる。

アイテムクラッシュ!


マリア・ラーネッド

ベルモンド家の遠縁の少女ですが、その血の濃さは尋常ではなく
幼いながら守護精霊を操り、主人公のリヒターより攻撃力が高く、二段ジャンプが可能。
素早く移動できるスライディングに加え、身長が低いことから当たり判定も小さい。
マリアを選択すると、攻略は格段に楽になるでしょう。
メインウェポンは、白い鳩で2連射が可能。射程が短い「クロス」といった感じで
貫通属性を持ち、ブーメランのように戻ってきます。
最大の特徴は「移動しながら攻撃可能」という点。 鳩なのに非常に強力です。
サブウェポンには、赤い鳥、ネコ、カメ、ドラゴン、タマゴ、音楽の書、鍵となり
動物たちは、アイテムクラッシュ時に朱雀、白虎、玄武、青龍へと変化する。

アイテムクラッシュ!?
最強のヴァンパイア・ハンターである、リヒターを軽く凌駕する
性能をもったマリアですが、なんと、専用の隠しワザまで用意されています。

ガーディアンナックル

「マリア、へいきだもん!」
永遠の謎
ヴァンパイア・ハンターを超えた存在「悪魔城キラー」マリア。
これほどの実力を持っ彼女が、一体どうやって捕まり、囚われたのか?
本作品で最大の謎の1つです。

・・・・・・ありえる。
本作の特徴
アクションゲームとしての特徴は
初代「悪魔城ドラキュラ」や「悪魔城伝説」を踏襲しています。
本作品が過去作と異なる特徴の1つに
さりげなく盛り込まれた「演出」があります。

プロローグ

いきなり強敵との戦闘!
少し戦闘をすると、死神は撤退していきます。
馬車を疾走らせる表現自体、これまでに無かったものですが
初戦が死神というのもインパクトが強かったです。

過去作を意識した作り

ステージ分岐

味方?

アクション性も高いですが
従来のシリーズでは、背景に見とれたり、BGMに聴き入ることはあっても
プレイヤーは、ずんずん先に進んでいきます。
アクションゲームですから当然なのですが、ちょっと休憩と言った感じで
「留まる」ことは、意外にも無かったことではないでしょうか。
本作ではそういったことを「させてしまう」魅力もあると思います。

ちょっと一息

めざせ、攻略度100%!
1つの目安として、このシステムは面白い試みだったと思います。
何度もプレイして貰いたい、楽しんで貰いたい、そんな姿勢が感じられますね。
このシステムは、後のシリーズにも導入されることになります。
マリアの存在
ゴシックホラーと銘打ち、雰囲気に重きを置く「悪魔城ドラキュラ」に
「アニメ」や「メルヘン」を放り込んだらどうなるのか?
一歩間違えれば、世界観が崩壊しかねない爆弾のような存在です。
実際に、硬派なユーザーからは批判も多くあったようです。
しかし「逆にマリアがいなかったら?」と考えると、本作は成り立たず
後の評価や続編も、また違ったものとなったでしょう。

その存在はまさに兵器
従来の悪魔城シリーズには「難しい」というイメージがあり
シリーズ10作目となる本作では、それを払拭しようと試みた作品でもあります。

12歳の少女が駆け回り、しかも強い!
「イージーモード」とも言えるマリアは、悪魔城シリーズの間口を広げ
アクションが苦手な方や、初心者の方にも大きな助けとなりました。
その存在を、好意的に捉えた方も多かったでしょう。
また、当時、肉声やアニメによる演出が「主流」だった
PCエンジンCD-ROM作品だったからこそ
「アニメ表現のマリアや、リヒター」が活きたとも言えます。
本作がPCエンジンユーザーと、一定数の悪魔城シリーズファン
そして、悪魔城シリーズを初めて触れた方から評価を得れたのは
タブーとも言える存在を、大胆かつ、絶妙のアレンジで悪魔城へ
加える事に成功したからではないでしょうか。
シリーズの中でも「シリアス」と「コミカル」が共存した特異な作品です。
「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」の動画紹介

シリーズの魅力の1つ「BGM」
こちらは本作の代表曲とも、リヒターのテーマとも言われる
「乾坤の血族」のみを収録した動画となります。
こちらは全曲が収録されたメドレー。
おまけ
本作が成功したことで、後に続編が登場します。
その作品には、リヒターと成長したマリアも登場します。
ここでは、その変わりぶりを少しだけ御紹介。

悪魔城ドラキュラX 血の輪廻 リヒター

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 リヒター

悪魔城ドラキュラX 血の輪廻 マリア

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 マリア
関連作品
ドラキュラⅢ【悪魔城伝説】 - Middle Edge(ミドルエッジ)

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲