アニメモラルハザードのA級戦犯!?〜 「宇宙戦艦ヤマト2」

アニメモラルハザードのA級戦犯!?〜 「宇宙戦艦ヤマト2」

異例の続編、TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト2」。映画版の「さらば」とともに振り返り、その功罪を考えてみましょう^^;


続編のための歴史修正 〜「2」

というようなおハナシが「2」なので、主要登場人物の多くが命拾いしています。そのための「歴史の改変」がそこここに。
まずデスラーと古代の一騎打ちでは、古代が負傷。古代をかばう雪の姿に、デスラーはさらばと同様の台詞と白色彗星帝国の弱点を語り立ち去ります。ついでにいうと、さらばではデスラー同様戦死した腹心のタランも一緒に命拾い。
真田もさらば同様決死隊として突入するも、銃撃を受け動けなくなり、爆破は指示を出すのみで生還します。
雪も爆破に巻き込まれることもなく、佐渡先生もミーくんもアナライザーも無事。
一方で「改変」でも生き残れなかった人たちも、、
土方はヤマトには乗艦していないのですが、新造戦艦アンドロメダもろとも都市帝国に激突していき艦と運命をともにします。
徳川機関長も山本もほとんどさらばと同様、死んでしまいます。
斉藤も単独敵地に残り、真田と明暗を分けます。
最大の改変の「為」の設定変更はテレサに関してです。
さらばにおけるテレサは、反物質世界の人間という設定で、人間というより精神体やある種の神のような存在ですが、2では反物質を操る能力を持つものの、人類と同じような存在となっています。
それは、島と恋に落ち彼の命を救い、またラストにおいても特攻に赴く古代と付き添う雪を説き伏せ、島たちを生かすために単独で超巨大戦艦に向かわせるためでした。
、、なんか釈然としませんねえf^^;

「歴史修正」の動機

今回の記事のために調べていて、「なぜ2とさらばの結末が異なるのか」について筆者は初めて知った話があります。

これはすでに「『さらば』公開以前の1978年6月25日発行の「ヤマトファンクラブ本部」会報第4号にて報じられている。」(引用元は上のものと同じ)そうです。
仰ってることの主旨には筆者は賛同しますけど、どうなんでしょうねえ、、
代わりにテレサ一人に死んでもらう訳ですし、
自己犠牲で死ぬとか非業で死んでいくとかはこのテのおハナシの常道。斉藤はじめ(洒落てんじゃないんですよっf^^;)さらば同様に死んでいくままの登場人物もいる訳だし、、

そもそも、ヤマト単独での意味があるのかないのか分からないような特攻のカタルシスに、テレサが共鳴して一緒に特攻っていうラストや、ほとんどの登場人物が死んでいく悲壮感の美学とか、いかがなもんか、ということはある訳ですが、
ふだんの考えが右にしろ左にしろ日本人に刷り込まれちゃってる、ヤマトのオープニング曲のイントロが流れてくる時の、筆者でも「ああ俺にもこんな右翼な感性がやっぱりあるんだなあ」といった高揚感、悲壮感、そういったものを刺激しちゃって「さらば」をつくっといて、“やりなおし”って、ねえ、、

もう一つの「見解」の方、

というのは、当時筆者も聞いた話で、安彦氏は「僕にとってヤマトはさらばで終わってるんで」といった主旨の発言で、実際それ以降かかわっていませんしね。
(でも上記引用に「ちなみに「死んだはずのキャラクターをどうやって生き返らせるか」の案は安彦と脚本陣の話し合いで考え出された。また本作のストーリー構成も安彦が手掛けている(ノンクレジット)」ともありました。表立たないだけであんたも戦犯やんw)

こんな記述もあります。

「商品展開をバックアップする目的」。やっぱり、、?

当時、松本氏の意図は筆者には聞こえてきませんでしたし、いま知っても、やはり続編つくりたさ、もっとはっきりいうと今後も金を生むための歴史修正に、筆者には思えてなりませんねえ。
あんな啖呵きっちゃったのに、、

「さらば」エンドロール後のメッセージ

あ、でも。先の「さらば」に関する西崎プロデューサーの発言の引用の続きなんですが、、

差し替えられた「さらば」エンドロール後のメッセージ

、、いやもう、ようやるわf^^;; 大人って!
当時子どもの筆者は、松本漫画版も読む前から、ヤマトは漫画家の松本氏原作の作品だと思っていましたが、
その後裁判で裁判所もゆうてる通り、西崎氏のもんやったんですねえ、、^^;

「2」がもたらしたもの

さらばで語られた歴史を塗り替えた「2」によって、ヤマトは以後おびただしい続編がつくられます、、
こんな辺境宇宙の片田舎が毎年のように異星人に襲われ危機に陥り、その度ごとにヤマトは発進していきますf^^;
2の歴史修正などまだまだ序の口にすぎなかったことを、西崎氏のおそろしさを、我々はその5年後思い知ることになるのですが(((( ;゚Д゚)))、この時まだそれを知る由もありませんでした。

で。
我々当時子どもの視聴者が、この「2」の豪腕歴史修正を目の当たりにして、唖然として怒りに震え悄然としてあるいは決然としてヤマトと袂を分かち、以後観ることがなかったか白けてしか観れなくなったかというと、
そうではなかったのです、、

当時、物語の佳境を待たずして既に「2」制作の意図も聞いていたし、その帰着も予想がついていたように思います。続々と続いた続編にも、またまたーなどとは思いながら、それなりにどれも愉しんだものです。
、、そうです、「2」が当時の我々子どもの視聴者を、少し“大人”にしてくれたのかも知れませんね^^;

筆者の少し上の方々、1作目ヤマトの視聴者の中高生SFファンは、(いまではよく分からない感覚かも知れませんが)そのSFとしての「ハード」さに歓喜したといいます。SF設定にSF作家豊田有恒氏を据えていることから、その反響が筆者にも少しは想像できます。
本編中は語られなかった裏の設定も含めて、ヤマトをSF的に検証する、、なんてことも当時の先達は試みたようですが、結果は、、「ダメだ、きっとテキトーだ!」というものでした^^;
後年、ヤマト続編の頃、いわゆるアニメファンとして専門誌などを読んでいた筆者は、度々、満載の突っ込みどころを愛ゆえ弄ぶ格好の題としてのヤマトシリーズを目にしております。曰く、ヤマトにおいては宇宙空間でも煙は上に昇り破片は下に落ちる—ヤマトはそんな細部にも根性入っているのだ、とか。未知の敵兵器に対して予知していたかのように対抗兵器をすぐさま用意する真田の科学力をもってして何故地球は三流文明にとどまっているのか。等々。(先の「辺境宇宙の片田舎が」云々というのも、当時の愛ある突っ込みの一つですf^^;)

ヤマト、とりわけ堂々たる歴史改変を見せた「2」は、我々に大らかにメタな視点で作品を見る目を養ったといえるかもしれません、、f^^;

関連する投稿


松本零士没後初の大型展覧会が名古屋で開催!『銀河鉄道999』50周年プロジェクト始動

松本零士没後初の大型展覧会が名古屋で開催!『銀河鉄道999』50周年プロジェクト始動

漫画家・松本零士の表現に迫る没後初の大型展覧会「松本零士展 創作の旅路」が、2026年3月20日から名古屋市美術館で開催されます。『銀河鉄道999』連載開始50周年を記念し、初期作品を含む300点以上の原画や初公開資料を展示。壮大な宇宙と哲学を描き続けた創造者の軌跡を多角的に読み解く、ファン待望の展覧会です。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


南斗孤鷲拳伝承者で、南斗六聖拳において殉星の宿命を背負う「北斗の拳」のキャラ『シン』のフィギュアが登場!!

南斗孤鷲拳伝承者で、南斗六聖拳において殉星の宿命を背負う「北斗の拳」のキャラ『シン』のフィギュアが登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、北斗の拳シリーズのフィギュア『シン』の発売が決定しました。


JR池袋駅で「キン肉マンSTATION」が開催中!フィギュアメーカー・CCPJAPANから多数の新作限定アイテムが登場!

JR池袋駅で「キン肉マンSTATION」が開催中!フィギュアメーカー・CCPJAPANから多数の新作限定アイテムが登場!

フィギュアメーカーのCCPJAPANが、JR池袋駅南改札前スペースで8月11日(月)まで開催中の「キン肉マンSTATION」にて、限定商品および新作商品の販売を行っています。


最新の投稿


MR.BIGの名盤『ヘイ・マン』30周年記念盤が発売決定!エリック・マーティン来日公演も開催

MR.BIGの名盤『ヘイ・マン』30周年記念盤が発売決定!エリック・マーティン来日公演も開催

MR.BIGが1996年に発表した4thアルバム『ヘイ・マン』の30周年記念盤が、2026年5月8日に全世界一斉発売されます。未発表のファイナル・ミックスや貴重なライブ音源を多数収録した豪華仕様。さらに、ボーカルのエリック・マーティンが天才ギタリストLi-sa-Xらと挑むアルバム再現来日公演も決定しました。


ざわ…!『カイジ』×『ドンジャラ』の悪魔的コラボがAmazon解禁!自宅で17歩の緊張感を味わえ

ざわ…!『カイジ』×『ドンジャラ』の悪魔的コラボがAmazon解禁!自宅で17歩の緊張感を味わえ

福本伸行氏の人気漫画『カイジ』と、バンダイの国民的ゲーム『ドンジャラ』が奇跡のコラボ!「大人ドンジャラ『逆転闘牌カイジ』」が、2026年3月よりAmazonや公式ストアで販売ルートを拡大します。名シーンを再現した「役」や、特殊ルール「17歩」を搭載。圧倒的熱狂と緊張感を、自宅で手軽に楽しめる逸品です。


田原俊彦、伝説の映像が再び!『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.2』発売決定

田原俊彦、伝説の映像が再び!『KING OF IDOL HISTORY in TBS Vol.2』発売決定

「KING OF IDOL」田原俊彦の輝かしい足跡を辿る映像集の第2弾が登場!TBSが誇る貴重なアーカイブから、『ザ・ベストテン』『たのきん全力投球!』などの瑞々しいパフォーマンスを厳選収録。「抱きしめてTONIGHT」や「ごめんよ涙」など、歌謡史を彩るヒット曲満載の豪華4枚組が2026年7月に発売されます。


SF映画黄金期の熱狂を凝縮!『SF映画ポスター・コレクション '60s - '80s』が3月発売

SF映画黄金期の熱狂を凝縮!『SF映画ポスター・コレクション '60s - '80s』が3月発売

SF映画の歴史が大きく動いた1968年から1987年まで。本作は、その「黄金期」を彩った世界各国の傑作映画ポスターを550点以上収録した究極のコレクションです。『2001年宇宙の旅』から『ロボコップ』まで、本邦初公開となる貴重な資料や、AI時代だからこそ響く「人の手による表現」の凄みを一冊に凝縮しました。


マッチ、62歳の誕生日を祝う!『近藤真彦 Birthday Live 2026』東京・大阪で開催決定

マッチ、62歳の誕生日を祝う!『近藤真彦 Birthday Live 2026』東京・大阪で開催決定

歌手の近藤真彦が、2026年7月19日に62歳の誕生日を迎えることを記念し、バースデーライブを開催する。7月14日・15日の大阪・オリックス劇場を皮切りに、22日・23日には東京国際フォーラム ホールAで各2公演を実施。トップスターとして走り続ける「マッチ」の現在地を体感できる特別なステージだ。