円谷プロの異色作「アステカイザー」
全日本プロレス協力の下、円谷プロが製作した『プロレスの星アステカイザー』。この作品を『ウルトラマン』や『ミラーマン』の円谷プロが作っていたことは、当時見ていた方でも意外に思うかもしれません。
アステカイザーはバギーに乗って現れる等身大ヒーローで、永井豪、石川賢が原作についています。
アステカイザーや毎回登場する怪人たちの独特なデザインは、それまでの円谷プロのヒーロー物とはまったく異なる雰囲気を醸し出していました。
そして、最も独特だったのは、戦闘シーンの終盤の「カイザーイン」です。あまり無いようを憶えていない方でも、ここについては記憶しているのでは?
アステカイザーってどんな作品?
アステカイザーってどんなヒーロー?
兄の復讐のために体を鍛え、アステカイザーになった主人公が毎回登場する「サイボーグ格闘士」と戦うというストーリーでした。
元々プロレスラーだった主人公は、周囲には兄の死をきっかけにプロレスをやめたと説明しつつ、裏ではアステカイザーとして戦いを続けていました。
番外編的なストーリーであり、アステカイザーの紹介編となっている第一話にはアントニオ猪木が出演。アステカイザーに興味を持ち、記者のインタビューに答えていました。
カイザーイン!
この番組を語るうえで外せない「カイザーイン」。敵との戦闘中にアステカイザーがこの掛け声をあげると、突然アステカイザーの姿が「絵」になります。
いつの間にか背景も実写映像から謎の空間に変化し、敵のサイボーグ格闘士はここから奇抜な技(実写映像では再現不可能)を沢山出し始めます。
どこが壁でどこが地面なのかも曖昧なこの空間では、敵が明らかにパワーアップしていますがアステカイザーも同様です。「カイザークラッシュ」や「カイザースライサー」といった必殺技で相手を毎回撃破します。

カイザーイン
きっとドクター中松 | 本家乞食商店
同じ敵が2週連続登場!ブラックミストの魅力
アステカイザーに登場する敵組織・ブラックミストは、1つの怪人を2周にわたって登場させるという特徴を持っていました。なんとなく同じ敵が度々出てきたことを覚えている方も多いのでは?
現在放送されている平成仮面ライダーシリーズでも同じ怪人を2週連続で登場させることが多いですが、アステカイザーの場合は一度倒された翌週に同じ怪人を強化して復活させるという流れでした。そのため、ストーリーは一話完結となっており毎回敵にしっかりととどめを刺すため、見応えは十分でした。
2016年現在に至るまで密かに人気を誇っているアステカイザー
2013年のTOKYOMXにおける再放送以降、『プロレスの星アステカイザー』は各方面で話題を呼び、DVDやTシャツといった関連商品が次々に発売されています。
アステカイザーのシャツを着て、プロレスの中継を見たり会場に出向いたりするのも楽しいかもしれませんね。
リングでアステカイザーが復活!
2014年の年末、DVDの販促等も兼ねてアステカイザーがまさかの復活。リングではボブ・サップと戦いを繰り広げました。
アステカイザーの人気が伺える出来事です。
アステカイザーの人気が今以上に高まっていけば、もしかしたらウルトラマンの新作にアステカイザーが登場したり、あるいはアステカイザーそのものの新作番組が制作されたりといったこともあるかもしれません。