『新世紀エヴァンゲリオン』

映画公開のため深夜に一気に放送されていたものを見て、ドはまりした一作です。
「小難しいことはいいからドンパチしようよ・・・」なんて思いつつ、使徒のデザインに惚れ惚れしたりしたものです。
「使徒」については名前は知っていたので、何となく天使っぽいロボットを想像してました・・・。色々な考察も出ていますし、色々と奥の深いアニメだったんですね。
概要
あらすじ
2015年。「14年前に起きた」セカンドインパクトの影響により、日本は四季を失い年中夏。
しかも、「使徒」と呼ばれる謎の敵の襲来に遭っていた。
使徒を迎撃せしめるのは、14歳の子供たちが操る「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン」のみ。
しかし、特務機関ネルフによる使徒殲滅船の裏では、上層組織ゼーレが「人類補完計画」なる謎の計画を秘密裏に進めていた・・・。
用語など

汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン
第一使徒アダムを元に作られた「人造人間」。
通称エヴァ。
使徒の展開するA.T. フィールドを中和、もしくは侵食する能力があるため、使徒に対抗しうるほぼ唯一の兵器。
搭乗者と「シンクロ」することで、その意思とトリガーによって動く。
内臓電源はあるが5分しか持たない上、基本的に「ひも付き」。
搭乗者は「エントリープラグ」と呼ばれる筒状のコクピットに乗り、その上でエヴァの延髄部分に挿入されることで各エヴァを操る。
パイロットが不在もしくは戦闘不能状態の時に備え「ダミープラグ」が開発されるが、問題が多い模様。事実、作動した「ダミープラグ」によるエヴァは、使徒と認識された対象が「人を乗せたままのエヴァ」であっても徹底的に破壊しつくした。
画像は「初号機」。

使徒(しと)
作中における「敵」。
全部で17体確認されているが、能力も形状もバラバラ。
必ずしもエヴァで殲滅されるわけではなく、むしろエヴァのパイロットは「何があったのか」分からない状況で終わったことも。
英語では「Angel」と表現され個々の使徒には天使の名がつけられている。
正体も目的も不明とされているが、正体に関しては劇場版で明らかにされた。
以下の共通点がある。
・分析パターンは「青」。
・A.Tフィールドと呼ばれるバリアのようなものを展開。これがあるため、通常の兵器では全く歯が立たない。
・「コア」と呼ばれる心臓のようなものを有し、これを破壊されると「死ぬ」。

登場人物

碇シンジ(いかり しんじ)
14歳。
幼い頃母を「亡くし」、父に「捨てられて」先生なる人物の下で育つ。
いきなり父やネルフに呼びつけられて、使徒やエヴァを見せられて「戦え」と言われる。
傷ついたレイを見て搭乗を決意し、初陣に「勝利」。
以降「サードチルドレン」としてなし崩し的にエヴァンゲリオン初号機のパイロットとなる。
「逃げちゃだめだ」などの名台詞(?)が多い。
性格はといえば、心配されるほどに内向的であり、人の決めたことに従う、「長いものに巻かれろ」主義。
使徒との戦いで少しずつ自信をつけていくが・・・?

綾波レイ(あやなみ れい)
ファーストチルドレンにして、零号機の専属パイロット。
色々と謎が多いが、その正体は・・・・・・。
当初はいろいろと人形的な印象だったが、シンジとの交流もアリ少しずつ人間性が芽生えていく。
肉体は、シンジの母ユイのクローンであり、地下にレイの「代わり」が大量に用意されていた。
どこか無口、無機質、無表情な美少女を「綾波系」と呼ぶようになったのは彼女が一旦。

惣流・アスカ・ラングレー(そうりゅう あすか らんぐれー)
セカンドチルドレンで、弐号機専属パイロット。
ドイツとのクォーター。
既に大学を卒業している才色兼備で、しかもエヴァのパイロット。
天才少女であるため、時折小難しいことを言う。
そのため非常にプライドが高いが、コンプレックスやトラウマの裏返しでもある。
母親はエヴァの起動実験の失敗が元で精神を病み、自殺。
その第一発見者となってしまったことがずっとトラウマだった。
使徒との戦いの中で自信を失い、その上上記のトラウマを使徒に暴かれたことから遂にはやる気を失い、エヴァを全く動かせなくなる。
「エヴァのパイロット」との自負で自分を支えていたようで、母親同様に心を壊してしまう。
口癖というか決め台詞は「あんたバカぁ!?」

葛城ミサト(かつらぎ みさと)
ネルフ戦術作戦部作戦曲第壱か所属の一尉。のち三佐に昇進。
当初個室を用意されていたシンジを強引に引き取り、「家族」となる。
仕事ばかりで家庭を顧みない父を嫌っていたが、セカンドインパクトの際その父に救われたこと、何よりセカンドインパクト唯一の生存者であることなどから失語症にかかっていた。
プライベートではビール好きで、シンジからも「だらしない」と言われるが、仕事の時は頼れる上司。

赤木リツコ(あかぎ りつこ)
ミサトとは大学時代からの友人。
シンジの父とは単なる上司と部下、というだけの関係ではない模様。
エヴァの開発責任者にして、ネルフにおけるスーパーコンピュータ、MAGIの管理、運営もこなす。
MAGIの開発者は彼女の母、赤木ナオコ博士であり、「母、女、科学者」の分身として残された母の形見について、「科学者としては尊敬しているが、女としては憎んでいる」とまで言うお人。
エヴァなしで使徒と競り合った凄いお人でもある。

碇ゲンドウ(いかり げんどう)
シンジの父で、ネルフの司令でもある。
裏でゼーレと何やら企みつつ、自分の野望があるような素振りをよく見せる。
またレイを助けるため我が身を顧みなかったり、楽しげに話していたり・・・。
息子には冷たく接する。
「六分儀」という旧姓を持つことから、婿入りしたもよう。

加地リョウジ(かじ りょうじ)
ミサトの元恋人。
アスカと共にドイツからやってきた。
リツコ曰く「軽い感じ」。結構女ったらし。アスカには慕われている。
二重スパイであり、それが元なのか、何者かに殺害された。

鈴原トウジ(すずはら とうじ)
シンジのクラスメイト。
サキエル戦で街が破壊されて妹が入院したため、当初はシンジを憎んでいた。
しかし、シンジがどんな思いでエヴァに乗っているかを知り、妹に説教されたこともあって「殴った詫び」として自分を殴らせ、以降は友人となる。
フォースチルドレンとしてエヴァ参号機パイロットに選ばれるが、同機は使徒に乗っ取られる。
シンジが攻撃をためらったためにダミーシステムが作動、参号機は徹底的に破壊されてエントリープラグごと握りつぶされる。
一命こそ取り留めたものの、左足切断という重傷を負う。

相田ケンスケ(あいだ けんすけ)
シンジのクラスメイト。
少々「古い」トウジのフォローなどをしており、その関係もあってシンジと友人になる。
軍やエヴァに関して強い関心を持ち、エヴァ参号機のパイロット選出の際はわざわざミサトの家まで来て「乗せてください!」と直談判。したがダメだった。
第四使徒シャムシエル襲来時口実を作って使徒とエヴァの戦いを見(ハンディカメラまで持って)、ミサトの判断で初号機コクピットに乗った経験がある。
観察眼、ボギャブラリー共に中学生とは思えないほど。

洞木ヒカリ(ほらき ひかり)
シンジのクラスの学級委員長。
トウジに想いを寄せており、手作り弁当を食べさせたいと言いたいが、うまく言えずにいた。
彼のフォローで弁当作りにこぎつけるが、その矢先に参号機の事故が・・・。
3人姉妹の次女。

渚カヲル(なぎさ かをる)
アスカが精神を病んで後、フィフスチルドレンとして急遽送り込まれた少年。
シンジとは親友のような仲になるが、正体は17使徒タブリス。
「人類」を「リリン」と呼んだり、色々と意味深なセリフが多い。
使徒が人類、どちらかしか生き残ることはできず、「君たちは消えるべきじゃない」と言い残し、シンジの操縦する初号機により死亡。
彼曰くA.T.フィールドは誰もが持つ「心の壁」とのこと。
最終回(テレビ版)
23話目で、最後の使徒であり、「初めて分かり合えた、好きと言ってくれた」渚カヲルを殺害したシンジの葛藤、心の闇が描かれます。
他のキャラクター、ミサトやアスカの心の闇もまた。
抽象的な映像に、明朝体で描かれる心理学用語(と思われるもの)。
しかし、「誰も嫌いなんて言ってない」との言葉、様々な自問自答の末、得た回答。
「僕はここにいていいんだ!」
それまで真っ暗だった光景が一転して明るくなり、登場人物全員から祝福を受けるシンジ。
「母にありがとう、父にさようなら、そしてすべての子供たちに、おめでとう」
そんな字幕が出て、終了。
よく分からない最後でした。
映画版(Air/まごころを、君に)
実質上の24話、25話かと思います。
ネルフの上層組織、ゼーレが戦略自衛隊なる舞台をネルフ本部に派遣。職員は次々殺害されて、MAGIもまたコピー機からハッキングをかけられます。
ネルフ本部、というよりも「エヴァを操るチルドレンは全員抹殺」との指令が出ているようで、心が壊れたままのアスカは弐号機に乗せられて湖の底に隠されます。シンジは。
テレビ版と同じくカヲルを殺してしまったことで心神喪失状態になっていました。死を望む彼には、抹殺されることはむしろ望むこと。
しかし、無抵抗のシンジを庇うものが。
ミサトでした。銃を手に、戦略自衛隊を殺害。
逃走の途中、使徒が聖書でいう所の「生命の実」を食べた「別の人類」であり、自分たちは「知恵の実」を食べた18番目の使徒ともいえる存在であると、ミサトは言います。
ネルフ本部、エヴァ初号機格納庫へ通ずるエレベーターで、ミサトは「エヴァに乗る」ことを命じます。
「他人の癖に!」「なら何なのよ!」
ミサトは「自分で決めろ」と言い、「大人のキス」をして、シンジをエレベーターへ。そこには、ゼーレが狙っているエヴァ初号機があるのです。
託されたのは、ゼーレとの戦いだけでなく、ミサトがつけていた十字架のペンダント。
一方のアスカは、戦略自衛隊の攻撃の中、「死にたくない」と胎児のようにうずくまっていました。
しかし、何かを感じます。それは自殺した母。
「ママはずっと見てくれていた、守ってくれていた」
そのことに気づくと同時に弐号機が起動!戦略自衛隊の戦艦を盾にするわ、ATフィールドを有効活用して攻撃するわの大活躍。
そこに、新たな敵が現れます。エヴァシリーズ。量産型の5号機から13号機でした。ミサトとの連絡で、5分ですべて片付けねばならない状態を楽しむように戦うアスカ。
ミサトは、連絡の後息を引き取ります。
そしてレイは。ゲンドウとともにリリスの前に。ゲンドウ自身は彼の野望を果たそうとしていたのですが、土壇場でレイに拒まれます。
「あなたの人形じゃない」
そう言って、レイはリリスに「帰って」いきました。彼女の魂はリリスのものだったようです。
活動限界が来てもう動けない弐号機に、倒されたはずのエヴァシリーズが襲い掛かりました。内臓を食らい、槍を突き刺し-ようやく初号機に乗ったシンジが目にしたのは、ボロボロになった弐号機でした。
生き残ったオペレーター3人が目にしたのは、巨大なヒト。そして始まる、「人類の補完」。
それは、たとえるなら「かつてアダムとイブが食べた知恵の実を返す」こと。
人類は「できそこないの群体」。なまじ知恵を手に入れたために、余計なことをしてしまった。「原罪」とも称されるその行為の「償い」でもあったのです。
一方ゲンドウの野望は?「知恵の実も、使徒が食べた生命の実も手にして神になる」こと。そのためにレイや、手のひらに埋め込んだアダムが必要でした。
しかし、結果的に「神」となったのはシンジでした。使徒を食らうことで生命の実を手に入れた初号機は両手足を貫かれて、巨大な「生命の木」が現れます。
「傷つくのは怖いけれど、他人がいればまた傷つけられるかもしれないけど、もう一度会いたいと思った」
またも抽象的なカット、現実かどうかも分からないカットが続き。
人々の前に無数のレイが現れて、「望んだ姿」となった直後、皆液状になって弾けました。
ゼーレの思惑通り、皆元通りひとつとなることで「楽園」に帰ることができたのです。
しかし、人の姿を保った人物が二人。アスカとシンジでした。
鳴きながらアスカの首を絞めるシンジですが、結局は途中でその行為を止めます。
「気持ち悪い」
そんなアスカのつぶやきで、終劇。