【ディープダンジョン】とは?

開発はハミングバードソフト。
販売はDOG。(後にスクウェア(現スクウェア・エニックス)に移管)
1986年と言えば「ドラゴンクエスト」第一作目が発売された年です。
当時ファミコンではRPG自体まだまだ珍しく、3DタイプのRPGとしては初めてということもあって人気を博し、「IV」までシリーズが発売されました。
当時、PC8001などパソコン用には海外RPG「ウィザードリィ」や「ウルティマ」がすでに発売されていたんですが、その「ウィザードリィ」を元に、日本の子供向けにアレンジしたのが「ディープダンジョン」でした。

ウィザードリィ プレイ画面

ウルティマ プレイ画面
それでは、【ディープダンジョン】紹介していきます!

ストーリー

オープニング
オープニングで王様から、エトナ姫の魂を探すよう命じられます。
そして、先に洞窟に入って行方のわからなくなった勇士ルウの探索も任務。
プレイヤーは主人公の剣士・ラルとなって、単独で洞窟を探索することになります。

ダンジョン画像
「ディープダンジョン」の特徴として、主人公は直接は魔法を使えないという設定がありました。
代わりに、アイテムを購入して使うことで魔法を使います。
(アイテムによっては、使うとHPを消耗します)
敵からのダメージが大きいので、催眠の魔法(ドルマ)が使える「香料」は必携でした。
後半はドルマが通じなくなるので、麻痺の魔法(パラル)の「いかづち」連発に。

ドア

「とびらを けりあけ なかにおどりこんだ。」

戦闘画面

出てくるキャラと話すこともできます。

ごみのやま。

地下には川もあります。

ルウの武器や防具が襲ってきます。

エトナ姫の魂
姫の魂を救出後、ついに隠された空間にいる魔王の許へ!

ラスボス・・・!?
魔王を倒しに行ったはずの勇剣士ルウが、魔王に代わってラスボスになっていたのです!
そして、主人公(ラル)にも仲間になれと誘ってきます。
これもどこかで見覚えがあるような…?

死亡時の画面
このように、今から見れば「ウィザードリィ」の簡易版と分かり、また「雑」な部分も目立つ【ディープダンジョン】。
ただし当時はRPG自体が、そして3Dが斬新だったんです。
潜れば潜るほどトラップが複雑になり、また敵も派手で不気味になるなど臨場感も表現されていて、結構ハマったものです。
【ディープダンジョン】その後
【ディープダンジョン】が人気を集めたため、1988年には続編「勇士の紋章 ディープダンジョンII」がディスクシステムで販売されました。
ストーリーは、前作から数百年後、魔王ルウがドールの地底から復活、勇剣士ラルとエトナ姫の子孫が再び魔物たちと闘うというもの。
地上階と地下階があること、マルチエンディング方式などが特徴になっています。

ディープダンジョンⅡ
なお「Ⅰ」「Ⅱ」は、MSX版や携帯アプリ版も存在します。

MSX版「ディープダンジョンⅡ」の地上画面
その後、ディープダンジョンはROMカートリッジに仕様を変え「4」まで発売されますが、販売が振るわず制作は打ち切りになりました。
ファミコンでも「ドラゴンクエスト」「ウィザードリィ」などのRPGが人気となりシリーズ化されたことで、音楽・グラフィック・シナリオの面で【ディープダンジョン】が見劣りするのは筆者自身も感じていました。

ファイナルファンタジー(1)(1987)
そして皮肉なことに、【ディープダンジョン】を過去のゲームにしてしまったのは、同じスクウェアが発売したRPG「ファイナルファンタジー(FF)」の大ヒットでした。
社運を懸けた「FF」の成功で、スクウェアは完全にファイナルファンタジーにシフトすることになったからです。
そしてFFシリーズは、現在まで続く全世界的大ヒットシリーズとなっています。
【ファイナルファンタジー】ドット絵から高画質CGへ!年々進化し続けているFFの美しい映像クオリティ! - Middle Edge(ミドルエッジ)
まとめ
80年代後半のコンピュータRPGの黎明期にヒットした【ディープダンジョン】。
日本にRPGを浸透させることに貢献しながら、いつしか忘れ去られてしまいました。
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ウィザードリィ」などに囲まれ、相手が悪かったともいえます。
しかし当時の小・中学生にはちょうど良い難易度でもあり、特に「Ⅰ」「Ⅱ」は十分楽しめたのも事実でした。
当時の思い出に浸ってみるのもいかがでしょうか?