「ファイナルファンタジー」のスクウェアが初めて発売したRPG【ディープダンジョン】の思い出。

「ファイナルファンタジー」のスクウェアが初めて発売したRPG【ディープダンジョン】の思い出。

【ディープダンジョン 魔洞戦記】は、1986年にDOG(現スクウェア・エニックス)がディスクシステムで発表したファミコン初の3DRPGで、続編もシリーズ化されました。 ただしスクウェアの次作RPG「ファイナルファンタジー」の大ヒットや、元ネタの「ウィザードリィ」シリーズがファミコンでも発売されたこともあり、今ではすっかり忘れされてしまっています。 ただし初心者にやさしいシステム、序盤はゴミ漁りでのお金や経験稼ぎ、最後にどんでん返しのストーリー展開など、当時の子供たちの記憶に残る一作でもあったんです。


【ディープダンジョン】とは?

「ディープダンジョン 魔洞戦記」は、1986年にファミリーコンピュータ・ディスクシステム専用ソフトとして発売されました。

開発はハミングバードソフト。
販売はDOG。(後にスクウェア(現スクウェア・エニックス)に移管)

1986年と言えば「ドラゴンクエスト」第一作目が発売された年です。
当時ファミコンではRPG自体まだまだ珍しく、3DタイプのRPGとしては初めてということもあって人気を博し、「IV」までシリーズが発売されました。

当時、PC8001などパソコン用には海外RPG「ウィザードリィ」や「ウルティマ」がすでに発売されていたんですが、その「ウィザードリィ」を元に、日本の子供向けにアレンジしたのが「ディープダンジョン」でした。

画像は、1987年発売のファミコン版のもの。

オリジナルは1981年にアメリカでAppleⅡ用に作られました。
世界初のコンピューターRPGゲームですが、日本でもファミコン版が大ヒットしました。
そのため、今でも日本で続編が作られ続けています。

ウィザードリィ プレイ画面

ファミコン版の「ウルティマ 恐怖のエクソダス」(1987)より。
秋元康監修・後藤次利がBGM担当でも話題になりました。(おニャン子クラブ!)

こちらはむしろ「ドラゴンクエスト」の元ネタ。

ウルティマ プレイ画面

それでは、【ディープダンジョン】紹介していきます!

ドールの街の地下に魔物が棲みつき、街を荒らし姫の魂までさらっていった。
多くの若者が迷宮に挑んだが誰も戻ってこない。
主人公である若者・ラル(=プレイヤー)こそが最後の希望だ!

・・・と、ストーリーとしては王道です。

ストーリー

王様から、娘の魂を取り戻すよう頼まれます。
200ゴールドを貰い、街で装備を整えます。

なお、街のグラフィックは一切ありません。

オープニング

オープニングで王様から、エトナ姫の魂を探すよう命じられます。
そして、先に洞窟に入って行方のわからなくなった勇士ルウの探索も任務。

プレイヤーは主人公の剣士・ラルとなって、単独で洞窟を探索することになります。

3Dで描かれたダンジョンを探検していきます。
全8階。
店で「コンパス」や「水晶」を購入すると、地図や方角が表示されるようになります。

ダンジョン画像

「ディープダンジョン」の特徴として、主人公は直接は魔法を使えないという設定がありました。
代わりに、アイテムを購入して使うことで魔法を使います。
(アイテムによっては、使うとHPを消耗します)

敵からのダメージが大きいので、催眠の魔法(ドルマ)が使える「香料」は必携でした。
後半はドルマが通じなくなるので、麻痺の魔法(パラル)の「いかづち」連発に。

ドアや壁にぶつかると、少しダメージを食らう仕様だったと思います。確か…

ドア

当時、筆者は友人宅でプレイを観ていたのですが、
「この主人公は蹴りあけるしかできんのか!」
と、皆でツッコミを入れてたものでした。

「とびらを けりあけ なかにおどりこんだ。」

当時としては、まずまず美麗なグラフィックでした。

戦闘画面

登場するキャラクターと「話す」ことができるのもこのゲームの特徴でした。
ただ基本、挨拶してくるキャラクター以外に話しかけると攻撃を喰らいます。

出てくるキャラと話すこともできます。

先輩冒険者のアドバイスに従い、序盤は「ゴミあさり」が作業となります。
ひたすらゴミを漁っては、ゴールドを探したり、敵を見つけて経験値を上げます。

ごみのやま。

魔法で大きくなる船を見つけて渡る必要があります。
(実はウィザードリィ3に元ネタがありですが、当時の中学生には関係のなかったこと)

地下には川もあります。

道中、探している勇剣士ルウの剣や防具が襲ってきます。
倒すと、自分の装備にできます。
ちなみにルウの武器・防具が全装備中で最強。
(武器や防具と闘って自アイテムにするのはウィザードリィ2が元ネタですが、これも田舎の中学生たちは知らなかったこと)

ルウの武器や防具が襲ってきます。

地下7階にいます。
実は闘うこともでき、結構強かったと記憶しています!

エトナ姫の魂

姫の魂を救出後、ついに隠された空間にいる魔王の許へ!

地下8階(正確には地下3階の別空間)にいるラスボス。

正体は、捜していた勇士ルウその人!

ラスボス・・・!?

魔王を倒しに行ったはずの勇剣士ルウが、魔王に代わってラスボスになっていたのです!
そして、主人公(ラル)にも仲間になれと誘ってきます。

これもどこかで見覚えがあるような…?

こんなところに誤植が・・・
細部に雑なところが、後々ディープダンジョンシリーズに暗い影を落とします。

死亡時の画面

このように、今から見れば「ウィザードリィ」の簡易版と分かり、また「雑」な部分も目立つ【ディープダンジョン】。
ただし当時はRPG自体が、そして3Dが斬新だったんです。
潜れば潜るほどトラップが複雑になり、また敵も派手で不気味になるなど臨場感も表現されていて、結構ハマったものです。

【ディープダンジョン】その後

【ディープダンジョン】が人気を集めたため、1988年には続編「勇士の紋章 ディープダンジョンII」がディスクシステムで販売されました。

ストーリーは、前作から数百年後、魔王ルウがドールの地底から復活、勇剣士ラルとエトナ姫の子孫が再び魔物たちと闘うというもの。
地上階と地下階があること、マルチエンディング方式などが特徴になっています。

「夜の王女」はシリーズでも屈指の人気キャラ。
個人的には、漫画・アニメに厳しい姉が「カワイイ!」と言っていたのが印象的。

ディープダンジョンⅡ

なお「Ⅰ」「Ⅱ」は、MSX版や携帯アプリ版も存在します。

「ドラゴンクエスト」を強く意識したものになっています。
メインのダンジョンはファミコン版とほぼ同じ。

MSX版「ディープダンジョンⅡ」の地上画面

その後、ディープダンジョンはROMカートリッジに仕様を変え「4」まで発売されますが、販売が振るわず制作は打ち切りになりました。
ファミコンでも「ドラゴンクエスト」「ウィザードリィ」などのRPGが人気となりシリーズ化されたことで、音楽・グラフィック・シナリオの面で【ディープダンジョン】が見劣りするのは筆者自身も感じていました。

シンプルながら重厚なストーリー展開。
ファミコンの限界に挑戦するアクション表現。
多彩な武器・アイテム、個性的で手強い敵キャラクター。
そしてグラフィックには「吸血鬼ハンターD」挿絵の天野喜孝を起用。
当時、筆者のクラスの男子全員がハマっていました。

ファイナルファンタジー(1)(1987)

そして皮肉なことに、【ディープダンジョン】を過去のゲームにしてしまったのは、同じスクウェアが発売したRPG「ファイナルファンタジー(FF)」の大ヒットでした。
社運を懸けた「FF」の成功で、スクウェアは完全にファイナルファンタジーにシフトすることになったからです。
そしてFFシリーズは、現在まで続く全世界的大ヒットシリーズとなっています。

【ファイナルファンタジー】ドット絵から高画質CGへ!年々進化し続けているFFの美しい映像クオリティ! - Middle Edge(ミドルエッジ)

まとめ

80年代後半のコンピュータRPGの黎明期にヒットした【ディープダンジョン】。
日本にRPGを浸透させることに貢献しながら、いつしか忘れ去られてしまいました。
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ウィザードリィ」などに囲まれ、相手が悪かったともいえます。
しかし当時の小・中学生にはちょうど良い難易度でもあり、特に「Ⅰ」「Ⅱ」は十分楽しめたのも事実でした。

ディープダンジョン

レトロゲームアーカイブの決定版「プロジェクトEGG」にようこそ。 現在、Windowsでディープダンジョンの「Ⅰ」「Ⅱ」をプレイすることができます! (なお、プレイできるのはどちらもMSX移植版です)

当時の思い出に浸ってみるのもいかがでしょうか?

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