国語の教科書に載っていた懐かしいみんなが好きなお話:スイミー・ごんぎつね・ちいちゃんのかげおくり・セメント樽の手紙 他

国語の教科書に載っていた懐かしいみんなが好きなお話:スイミー・ごんぎつね・ちいちゃんのかげおくり・セメント樽の手紙 他

国語の教科書には、楽しい話、悲しい話、意味が分からない話、いろいろなお話がありましたね。印象深いお話を振り返ってみましょう。


『スーホの白い馬』(スーホのしろいうま)は、モンゴルの民話。モンゴルの伝統楽器「モリンホール(馬頭琴)」の由来にまつわる物語。「スーホーの白い馬」とも呼ばれる。

日本では、大塚勇三が1967年に中国語のテキストから採話し、赤羽末吉の絵とともに福音館書店から絵本として出版。その後、ほぼ同時期に光村図書出版の小学校2年生の国語教科書に採録された。

「スーホの白い馬のあらすじ」
ある日、遊牧民の少年スーホは帰り道で倒れてもがいていた白い子馬を拾い、その子馬を大切に育てる。それから数年後、領主が自分の娘の結婚相手を探すため競馬大会を開く。スーホは立派に成長した白い馬に乗り、見事競馬大会で優勝する。

しかし、領主は貧しいスーホを娘とは結婚させず、スーホに銀貨を三枚渡し、さらには白い馬を自分に渡すよう命令する。スーホはその命令を拒否し、領主の家来達に暴行され白い馬を奪われる。

命からがら家へ辿り着くが、白い馬を奪われた悲しみは消えなかった。 その頃、白い馬は領主が宴会をしている隙を突いて逃げ出したが、逃げ出した際に領主の家来達が放った矢に体中を射られていた為、スーホの元に戻った時には瀕死の状態であった。看病むなしく白い馬は次の日に死んでしまう。

スーホは幾晩も眠れずにいたが、ある晩ようやく眠りにつき、夢の中で白馬をみる。白馬は自分の死体を使って楽器を作るようにスーホに言い残した。そうして出来たのがモリンホール(馬頭琴)であった。
(出典:Wikipedia「スーホの白い馬」)

大塚 勇三「スーホの白い馬」

昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。

モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。

小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。

(金柿秀幸  絵本ナビ事務局長)
出典:絵本ナビ「スーホの白い馬」

大塚 勇三「スーホの白い馬」のみどころ

『大造じいさんとガン』(椋鳩十)

「大造じいさんとガン」(だいぞうじいさんとがん)とは椋鳩十による童話である。老狩人と利口なガンの知恵比べを描いた作品。

『少年倶楽部』昭和16年11月号に初出、書籍収録時に「まえがき」が加筆され、文体がです・ます調となった。小学5年生の国語の教科書(読解の学習)にも掲載され、思い出深い作品として挙げる人も多い。なお、本作はガン猟を描いたものであるが、現在はガン猟は禁止されている。
(出典:Wikipedia「大造じいさんとガン」)

「大造じいさんとガン」(椋鳩十)

国語の授業風景「大造じいさんとガン」(椋鳩十)

『セメント樽の手紙』(葉山 嘉樹)

ダム建設現場で働く男がセメント樽の中から見つけたのは、セメント会社で働いているという女工からの手紙だった。そこに書かれていた悲痛な叫びとは…。

葉山 嘉樹「セメント樽の中の手紙」

木版漫画『セメント樽の手紙』

『ふたりはともだち』の「おてがみ」(アーノルド・ローベル)

〈おてがみ〉
お手紙を今までもらったことのないがまくん。そのことを知ったかえるくんは、がまくんに内緒でお手紙を書きました。でも、配達を頼んだのがかたつむりくんだったので・・・。

『ふたりはともだち』この本の中の一編『おてがみ』が小学校の国語の教科書に掲載されていました

『ふたりはともだち』の「おてがみ」

『モチモチの木』(斎藤隆介)

『モチモチの木』(もちもちのき)は、斎藤隆介作、滝平二郎絵の絵本。1971年11月、岩崎書店発行。

峠の猟師小屋にじさまと住む豆太は臆病者で、夜はじさまを起こさないと雪隠に行けないほど。家の前にあるじさまが「モチモチの木」と名づけたトチの木が怖いのであった。

そんなある晩、じさまは腹痛で苦しみだす。じさまを助けるには暗闇の中、モチモチの木の前を通り、半里(約2km)も離れた麓の村まで医者を呼びに行かなければならない。豆太は勇気を振り絞り医者を呼びに行き、じさまは助かる。

そのときにじさまの話していた木に雪明かりがともり、モチモチの木とはこのことだったんだと意味を知る。しかし相変わらず豆太はじさまを起こさないと雪隠に行けないのであった。
(出典:Wikipedia「モチモチの木」)

斎藤隆介作「モチモチの木」

豆太は,夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫。でも,大好きなじさまのために……。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本。

斎藤隆介作「モチモチの木」

『檸檬』(梶井基次郎)

『檸檬』(れもん)は、梶井基次郎の短編小説。梶井の代表的作品である。得体の知れない憂鬱な心情や、ふと抱いたいたずらな感情を、色彩豊かな事物や心象と共に詩的に描いた作品。三高時代の梶井が京都に下宿していた時の鬱屈した心理を背景に、一個のレモンと出会ったときの感動や、それを洋書店の書棚の前に置き、鮮やかなレモンイエローの爆弾を仕掛けたつもりで逃走するという空想が描かれている。

1925年(大正14年)、中谷孝雄、外村繁らとの同人誌『青空』1月創刊号の巻頭に掲載された。単行本は、梶井の友人である三好達治らの奔走により、梶井の亡くなる1年ほど前の1931年(昭和6年)5月15日に武蔵野書院より刊行され(印刷日は5月10日)、これが梶井の生涯で唯一の出版本となった。同書には他に17編の短編が収録されている。文庫版は新潮文庫、ちくま文庫その他で刊行されている。翻訳版はアメリカ(英語: Lemon)をはじめ、各国で行われている。

「えたいの知れない不吉な塊」が「私」の心を始終圧えつけていた。それは肺尖カタルや神経衰弱や借金のせいばかりではなく、いけないのはその不吉な塊だと「私」は考えた。好きな音楽や詩にも癒されず、よく通っていた文具書店の丸善も、借金取りに追われる「私」には重苦しい場所に変化した。

友人の下宿を転々とする焦燥の日々のある朝、「私」は京都の街から街、裏通りを当てもなくさまよい歩いた。
ふと、前から気に入っていた寺町通の果物屋の前で「私」は足を止め、美しく積まれた果物や野菜を眺めた。

珍しく「私」の好きなレモンが並べてあった。「私」はレモンを一つ買った。始終「私」の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛ゆるみ、「私」は街の上で非常に幸福であった。

「私」は久しぶりに丸善に立ち寄ってみた。しかし憂鬱がまた立ちこめて来て、画本の棚から本を出すのにも力が要った。次から次へと画集を見ても憂鬱な気持は晴れず、積み上げた画集をぼんやり眺めた。

「私」はレモンを思い出し、そこに置いてみた。「私」にまた先ほどの軽やかな昂奮が帰って来た。見わたすと、そのレモンの色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。それをそのままにしておいて「私」は、なに喰くわぬ顔をして外へ出ていくというアイデアを思い浮かべた。

レモンを爆弾に見立てた「私」は、すたすたとそこから出て、木っ端微塵に大爆発する丸善を愉快に想像しながら、京極(新京極通)を下っていった。
(出典:Wikipedia「檸檬 (小説)」)

『檸檬』(梶井基次郎)

梶井基次郎の短編小説『檸檬』で知られる丸善京都。店内にレモンを置くカゴも設置しています。

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