子供の頃、アニメも特撮も音楽なしには語れませんよね。今まで「菊池俊輔」「渡辺宙明」を取り上げてきましたが、今回はウルトラマンでおなじみの円谷プロで活躍された冬木透先生に注目してみました。
冬木透って?
まずはこの動画をごらんください。
そうです、言わずとしれたウルトラセブンの主題歌です。
これを作曲されたのが「冬木透」先生です

冬木透
「ウルトラセブン」自体は「ウルトラQ」「ウルトラマン」につぐウルトラシリーズ第三作目ですが、冬木先生がウルトラの音楽に担当したのは「セブン」が初めてです。
「ウルトラマン」と楽器編成が異なるのは聴いていてもおわかりになると思います。
「ウルトラセブン」はシンフォニック、「ウルトラマン」はビックバンド、という感じですよね。
「ウルトラマン」の音楽担当は宮内國郎先生ですが、宮内先生はもともとジャズ畑。
クラシック専門の冬木先生とは作風が違うのは当然ですが、よく考えるとジャズとクラシックが共存できるジャンル、それがアニソン・特ソンなんですから、奥が深いジャンルですよね。
宮内先生についてはまた機会があれば述べたいと思ってます。
それでは冬木先生の作品を振り返ってみたいと思います。
冬木透といえば「ワンダバ」!
「ワンダバ」って何?という方もいらっしゃるかもしれませんが、この動画をごらんになればすぐにおかわりになると思います。
MATのワンダバ
「MATのテーマ」は後に缶コーヒーWANDAのCMにも使われました。「ワンダ」つながりですね♪
以降、ワンダバは定番BGMとなりますが次作「ウルトラマンA」の「TACの歌」はボーカル入りになりました。
TACの歌
40代以上の方はカラオケでもよく歌われるようです。
MAT、TACは悲壮感ありますが「ウルトラマン80」になると明るくさわやか。
UGMのテーマ
MAT、TACは悲壮感ありますが「ウルトラマン80」になると作品や主題歌(ハーリー木村作曲)明るくさわやかですよね。
この他にも先生はそれぞれワンダバを作っていらっしゃいますが、有名なのはやはり「MAT」と「TAC」なのではないでしょうか。
ミラーマンの歌にはこだわりを感じます!
冬木先生は「ミラーマン」の音楽も担当されましたが、主題歌含め4曲のオリジナルソングは4曲そろって組曲といっても過言ではありません。

ミラーマン
4曲続けてお聴きください。
あえてこの順番に並べてみました。
この4曲をよ~く聴けばわかると思いますが
「ミラーマンの唄」と「戦え!ミラーマン」には1つのモチーフとなるフレーズ、「ミラーマーン」が使われています。
そして「SGMの唄」と「朝日に向かってジャンボフェニックス」にも「エースジーエムー」というフレーズがモチーフとして使われています。
この場合はライトモチーフ手法を取り入れているわけですが、冬木先生ならではの作品ですよね。
【ライトモチーフとは?】
ライトモティーフ(ライトモチーフ、独: Leitmotiv )とは、オペラや交響詩などの楽曲中において特定の人物や状況などと結びつけられ、繰り返し使われる短い主題や動機を指す。単純な繰り返しではなく、和声変化や対旋律として加えられるなど変奏・展開されることによって、登場人物の行為や感情、状況の変化などを端的に、あるいは象徴的に示唆するとともに、楽曲に音楽的な統一をもたらしている。示導動機(しどうどうき)とも。(wikipediaより)
21世紀に入り「ウルトラセブン」コンサートも!
冬木先生は音大の教授もしていらっしゃいました。
教え子の中には「ウルトラセブンの作曲家に教えを乞いたい」と入学してきた人もいたそうです。
そんな「ウルトラセブン」がコンサートホールで演奏されたのは2009年のこと。
1979年にリリースされた「テレビBGMオリジナルコレクション~冬木透作品集」は交響組曲的なセットリストでしたが、30年経ってそれがオーケストラで演奏されることになったのです。

テレビ・オリジナルBGMコレクション 冬木 透 作品集
それでは2009年3月13日、冬木先生のお誕生日に開催されたコンサートの動画をごらんください。
このときの様子はDVDにもなりました。その一部がニコニコ動画にあります。さらに感動します。
いかがでしたか?
本当は「円谷プロ10周年記念作品『ファイヤーマン』」や「妖術武芸帳」など、先生の作品にはまだまだすばらしいものがたくさんありますが、今回はひとまずここまでとさせていただきます。
本当にわたしたちは良質な音楽を聴いていたんですね♪
冬木先生、本当にありがとうございます!