ドラマ全盛期80~90年代の名作刑事ドラマ
今も昔も、刑事ドラマは人気ジャンルの一つ。やはり刑事ドラマで悪が勝つことはないので、勧善懲悪が好きな日本人に向いているのかもしれません。
そこで、ここでは80~90年代の名作刑事ドラマを紹介します。
特捜最前線

若きの日の藤岡弘、や西田敏行なども出演していた。
また、オープニングにはナレーションのプロである森山周一郎の声でナレーションが流れ、一気に物語へと吸い込まれていった。
主題歌は、イタリア出身のナポリターナ歌手・F.チリアーノが歌う「私だけの十字架」。
1977年から1987年まで、約10年間にわたり放送されていた二谷英明主演の刑事ドラマ。
テレビ朝日と東映と言う、その後もしばらく続いているゴールデンコンビによる製作でまさに王道と言える刑事ドラマだと思う。
警視庁刑事部特殊命令捜査課(通称「特命課」)が舞台で、やはりテレ朝×東映で今も製作している「相棒」にも相通じるものがある。
西部警察

1979年から1984年までテレビ朝日で放送されていた伝説的刑事ドラマ。
今では考えられないような大規模な爆破シーンやカーチェイスなど規格外の展開が魅力だった。
今も石原裕次郎の物まねや、バラエティ番組でオマージュされるなど、わずか5年間しか放送していなかったとは思えない程、1980年代を、いや日本ドラマ史を代表する刑事ドラマ。
主題歌は、エンディングで流れる石原裕次郎の曲が、毎シリーズ使われていたが、やはり西部警察と言えば、オープニングで流れる「西部警察メインテーマ」でしょう。
あぶない刑事

1986年から1987年にかけて日本テレビ系列で放送された大人気刑事ドラマ。
「西部警察」でもメインキャストの一人だった石原プロの舘ひろしと柴田恭兵による「タカ・ユージコンビ」が、港町横浜を舞台に破天荒な刑事を演じた。
「相棒」のように「あぶ刑事」も、ベンガル演じる落としのナカさんこと田中刑事や、いつも「タカ・ユージ」を怒っていた中条静夫演じる課長、いつも刑事らしくない派手なゴージャス衣装を身にまとっている木の実ナナ演じる少年課長(のちに署長)など個性的な脇役勢も魅力的だった。
横浜を舞台にしたドラマはそれまであまりなく、山下公園や中華街など度々登場することで、横浜のブランドイメージ向上にも大きく貢献していた。
未だに根強い人気を誇りラストの作品と言われている2016年1月30日から映画版が公開予定。
60代になってもキレのある動きを見せるであろう二人の演技に注目だ。

スケバン刑事
今では完全に絶滅してしまった札付きの不良であった麻宮さきを、警察がサキの実父を殺し死刑判決を受けた母の執行停止を条件に学生刑事にスカウトすると言う、今までにはない刑事像だった。
Ⅰ~Ⅲ(1985~1987年)まで放送されており、初代麻宮さきに斉藤由貴、2代目が南野陽子、3代目浅香唯が演じ、見事なまでに、この作品をきっかけに皆、スター街道をひた走っていった。
やはり「スケバン刑事」と言えば、武器であるヨーヨー。
子どもにとってのマストアイテムとなり、ヨーヨーも進化を遂げていって、ヒモではなく、ドラマ同様、鎖紐になったり、ワンタッチフタが開いて、警察のマークが出てくるものなど、子どもの購買意欲は大いに刺激されていた。

はぐれ刑事純情派

1988年から2009年まで全444話も制作された長寿刑事ドラマ。
藤田まこと演じる山手中央署の窓際刑事ながら、毎回人情で背任の心の中に入っていき、犯罪を解決するやっさんこと安浦刑事が主人公。
今まであった爆破などの派手なシーンは、ほとんどなくじっくり腰を据えて見れる刑事ドラマの先駆けと言ってよく、今の相棒にも相通じるものがあるのではないか。
いつもエンディング直前で登場する安浦刑事と、一番の理解者である「さくら」のママ(真野あずさ)とのやり取りは、このドラマの名物だった。
子どもながらに二人の恋の進展はあるのか気になったものです。

刑事貴族

「あぶない刑事」の後継番組として1990年からスタートした刑事ドラマ。
当初の主役は、あぶ刑事を彷彿とさせる舘ひろしだったが、後半は郷ひろみへと変わり、Ⅱになると水谷豊が主演を務めた。
主演が変わるごとに、同じドラマとは思えない程テイストも変わり、やはり舘派、アバンギャルドな郷派、コミカルさも入った水谷派と、好みが分かれた。
現在、水谷豊の刑事と言えば、やはり杉下右京をイメージしますが、冷静沈着で変人の杉下と違い、刑事貴族での演技は、「あ~あ、お恥ずかしったらありゃしない」「あ!ラッキー♪ラッキー♪ラッキー♪」など軽い口調が特徴のコミカルな刑事で、右京との比較が面白い。

警部補・古畑任三郎

1994年から始まった田村正和演じる変わり者でキレ者警部補・古畑任三郎を主人公とする刑事ドラマ。
今までの刑事ドラマの常識を覆すような、始めに犯人の犯行を見せて、その後、古畑がその謎を解いていくという異質なストーリー展開だった。
爆破シーンが無いのはもちろんの事、拳銃も、更には手錠すら登場しない回がほとんどだった。
古畑と言えば、毎回犯人役として登場するゲストの豪華さも見どころの一つ。
SMAP、松本幸四郎、明石家さんまなど他のドラマでは主演以外では出そうもないような豪華な犯人も度々だった。
スペシャル版ではなんとイチローも犯人役として登場した。

ケイゾク

1999年にTBS系で放送されたミステリー系の刑事ドラマ。
迷宮入りしてしまった難事件専門で捜査にあたる警視庁捜査一課弐係(通称:ケイゾク)に配属された東大卒のエリートキャリアである柴田(中谷美紀)と、まさにたたき上げの刑事である真山(渡部篤郎)という正反対の二人が難事件に挑むミステリー刑事ドラマ。
人気を博して2000年には映画化もされた。
堤幸彦監督、西荻弓絵脚本の作品で、このコンビに寄って後に戸田恵梨香主演で何度も映画化されるなど戸田の代表作になったSPECも生んでいる。

いかがでしたでしょうか?どの作品も長期休みの時などに、DVDなどで一気見したくなるものばかりだったと思います。
個人的には、「あぶ刑事」も復活したことですから「古畑」もスペシャルドラマとしてでも復活して欲しいです。(田村さんのご年齢を考えると厳しいかもしれませんが)