張本勲選手の通算記録
張本勲選手が現役だった、1959年から1981年まで、23年間の通算記録を見てみましょう。
※以降の記載は、2024年シーズン終了時の記録です。
試合 | 2752 | 歴代4位 |
打席 | 11122 | 歴代3位 |
打数 | 9666 | 歴代2位 |
安打 | 3085 | 歴代1位 |
打率 | .31915 | 歴代3位 |
本塁打 | 504 | 歴代7位 |
打点 | 1676 | 歴代4位 |
得点 | 1523 | 歴代3位 |
盗塁 | 319 | 歴代27位 |
四球 | 1274 | 歴代5位 |
OPS | .9334 | 歴代7位 |
張本勲選手といえば、NPB唯一の3000本安打達成者で、通算記録は歴代1位の3085安打。プロ野球ファンなら、誰もが知る大記録です。
ところが、安打数以外の打撃記録もまた、ほとんどが歴代トップ10入り。特に、歴代7位の504本塁打、歴代27位の319盗塁は、2024年にMLBで史上初の "50-50" を達成した大谷翔平選手を彷彿とさせる超人的記録です。
足の速いホームランバッターで、高打率を残すアベレージヒッター。ホームランは打つ、ホームランでなくても塁によく出る、塁に出れば走る。相手チームにとって、最も嫌なタイプの打者だったことは想像に難くありません。
そんな稀有な歴史的強打者、張本勲選手の記録を見てみましょう。
打撃三冠すべてトップ10入り!
まず、すごいのが打撃三冠(打撃主要三部門)の通算記録が、すべてトップ10入りしていること。これは、王貞治選手、長嶋茂雄選手、野村克也選手でも成し遂げられなかった稀有な記録で、張本選手以外で達成しているのは、落合博満選手ただ一人です。
以下は、張本選手と落合選手の打撃三冠の通算記録の比較です。実によく似ていますが、二人の大きな違いは、打数と獲得したタイトル。張本選手は落合選手より2000打数以上も多く、打点王、本塁打王はないものの、首位打者を7度も獲得しています。一方、落合選手は各タイトルを5度ずつ獲得し、うち三冠王を3度も達成しています。
張本選手が凄いのは、打数が多いのに通算打率が非常に高いということです。
張本勲 | 落合博満 | |
打率 | 歴代3位 .31915 | 歴代9位 .3108 |
本塁打 | 歴代7位 504本 | 歴代6位 510本 |
打点 | 歴代4位 1676点 | 歴代5位 1564点 |
以下は、通算打率のトップ3です。張本選手は歴代3位とは言っても、歴代1位、2位とは1厘未満の差。しかも、打数は圧倒的に張本選手の方が上です。実質の歴代1位と言っても過言ではないでしょう。
順位 | 選手 | 打数・安打 | 打率 |
1 | リー | 4934打数1579安打 | .32002 |
2 | 若松勉 | 6808打数2173安打 | .31918 |
3 | 張本勲 | 9666打数3085安打 | .31915 |
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足も速い!319盗塁!
打つ方ばかりが注目される張本勲選手ですが、実は俊足。あまり足の速いイメージはないかもしれませんが、東映時代は、1963年になんと41盗塁を記録しており、盗塁王を獲得した広瀬叔功選手の45盗塁まであと4つでした。
通算319盗塁は、歴代27位。以下の本塁打トップ10の中で、300盗塁を達成しているのは張本選手ただ一人です。
順位 | 選手名 | 本塁打数 | 盗塁数 |
1 | 王貞治 | 868 | 84 |
2 | 野村克也 | 657 | 117 |
3 | 門田博光 | 567 | 51 |
4 | 山本浩二 | 536 | 231 |
5 | 清原和博 | 525 | 59 |
6 | 落合博満 | 510 | 65 |
7 | 張本勲 | 504 | 319 |
---|---|---|---|
7 | 衣笠祥雄 | 504 | 266 |
9 | 大杉勝男 | 486 | 32 |
10 | 中村剛也 | 478 | 28 |
伝家の宝刀!セーフティーバント!
盗塁の記録に隠れて目立ちませんが、実は、張本選手は、セーフティーバントを21回中20回成功というとんでもない記録を持っています。1970年、シーズン歴代最高打率がかかった打席では、阪急の山田久志投手からセーフティーバントを決めて、新記録を達成したほどです。
張本選手のセーフティーバント、足の速さについて、対戦相手の選手たちはNHKのテレビ番組で次のように語っています。
唯一無二の3000本ヒッター!
そして、NPB90年の歴史の中で、通算3000本安打を達成した唯一無二の選手こそ、張本勲選手です。イチロー選手は、日米通算で4000本安打以上を記録していますが、張本選手の場合は日本だけで達成した記録ということ。本人が言うように、記録の意味が大きく異なります。
以下の安打数トップ10を打率とともに見てみると、張本選手が数でも率でも他の選手を圧倒していることがわかります。
順位 | 選手名 | 安打数 | 打率 |
1 | 張本勲 | 3085 | .319 |
---|---|---|---|
2 | 野村克也 | 2901 | .277 |
3 | 王貞治 | 2786 | .301 |
4 | 門田博光 | 2566 | .289 |
5 | 衣笠祥雄 | 2543 | .270 |
5 | 福本豊 | 2543 | .291 |
7 | 金本知憲 | 2539 | .285 |
8 | 立浪和義 | 2480 | .285 |
9 | 長嶋茂雄 | 2471 | .305 |
10 | 土井正博 | 2452 | .282 |
今後、3000本安打を記録する選手は出てくるのでしょうか?一番可能性があるのが、巨人の坂本勇人選手。2024年終了時点で2415安打を記録しており、36歳という年齢、ここ3年の平均が年間約100安打ということを考えると、40歳を過ぎても現役を続けていれば、可能性のある記録とも言えます。因みに、張本選手の同年齢時点での通算記録は2617安打でした。坂本選手の今後に注目です。