積木くずし
俳優として活躍している穂積 隆信さんの家族崩壊を描いた衝撃の作品。
「本当にこんなことが?」と思うかもしれませんが、全て実話です。
自分の子どもでも、何を思っているのか気持ちを理解するのは難しいですよね。
今だからこそ見て欲しい作品です。

ストーリー

主人公、穂高香緒里(高部知子)は幼い頃から重病を抱えており学校へ行けないほど病弱でした。薬で治療を続けるも、髪の毛は赤く変色。中学校ではそれが原因となりイジメの標的に・・・。他校の生徒からは因縁をつけられ負傷をし、非行へ走るようになります。
不登校・家出・シンナー・窃盗・集団暴走行為・家庭内暴力など、香緒里の非行化は激しくなっていくばかり。今まで香緒里の教育を妻に任せっきりにしていた父・信彦(前田吟)と甘やかしてばかりだった母・三枝子(小川真由美)がカウンセラーと共に香緒里と向き合い更正へと導い
ていくストーリー。
窃盗により警察に逮捕され裁判を受けた香緒里は、自らの意思で暴走族を抜けます。そして短い時間ではありますが、学校へ通うようにもなり一安心・・・と思いきや再び不登校へなってしまいます。また、シンナーにも手を出してしまい何度も逮捕されることに。家族で乗り越えられたかと思いましたが、結果家族は崩壊してしまいました。そして妻・三枝子も自殺をし、この世を去ってしまいます。
当時、社会問題にもなっていた非行を俳優の穂積隆信が実話として書籍を出版したことは世間に大きな影響を与えました。
1983年にテレビドラマが放送されて以降、リメイク版や続編も放送されています。
主な登場人物



エンディングは懐かしのこの名曲!
積木くずしの主題歌になったのは、来生たかおの『無口な夜』でした。
今でも人気のある名曲ですよね。

もう一度見たいあのシーン
積木くずしのネタバレ
父・信彦と母・三枝子は、非行に走ってしまった娘・香緒里を更正させるために警察庁のカウンセラー竹村へ相談をする。竹村からは「今後、一銭も与えてはいけない」「門限は10時に決める」などの命題を下され、信彦と三枝子は香緒里とぶつかりながらも必死で向き合おうとしていく。
今まで三枝子には甘やかされていたので、急な態度の変化に家庭内暴力へまで発展・・・。
香緒里のためにまずは自分たちから変わろう!とする二人の姿が素晴らしいですね。
あんなに香緒里を甘やかしていた三枝子も少しずつ変わっていきます。
暴力を振られても決して諦めない両親にジーンっときましたよね。

信彦と三枝子の思いも通じ、少しずつ香緒里にも変化が見られます。
きっかけの一つになったのは窃盗で警察に逮捕された時です。裁判を受けた後に香緒里自らの意思で暴走族を脱退することを決めます。さらに香緒里から「学校へ行きたい」と言い出しました。
これには信彦と三枝子も驚きます。次の日、三枝子は香緒里を学校へ送り出しますがすぐに帰ってきてしまい再び不登校へ・・・。残念ながらまた不登校へとなってしまいましたが、自分から学校へ行きたいと言った香緒里は偉いですよね。
香緒里も少しずつ更正の道へと導かれていきましたが、信彦が描いた『積木くずし』が大ヒットしてしまい再び非行へ走ってしまいます。

実名で公表されたことで、香緒里自身が世間の目に耐えられなくなったのでは?と言われていました。当時非行は社会問題となっており、信彦が本を出版することで助けられた家庭は多かったと思います。ですが、香緒里はどうでしょうか?全てを世間に公表されることで再び追い詰められてしまいますよね。ドラマの最終回では“シンナーを再開した”と表記されました。
また、シンナーだけではなく大麻や覚せい剤を使用し数回警察に逮捕されています。
香緒里が更正をして少し時間が経った後に本を出版していたら、なにか変わっていたのかもしれません。

積木くずしは、とても考えさせられる作品です。
香緒里が非行に走ったから家族が崩壊したのか?いや、その前から少しずつ崩壊していたのでしょう。家族を放ったらかしにしていた父。病気だからと甘やかしてばかりだった母。香緒里は寂しかったのかもしれません。もう少し自分を見てほしい、知ってほしいという気持ちがあったのではないでしょうか?
何度も見返したくなる作品
積木くずしは、何度もドラマや映画化され現代にまで受け継がれています。
その中でもやはり初代『積木くずし』は衝撃的すぎて印象に残っていますよね。
1度だけではなく、何回も見返したくなる作品です。
ドラマと合わせて原作も読んでみてはいかがでしょうか?
子どものいる親には是非読んで欲しい作品です。
読み終えた時、あなたはどのような感情が生まれるのでしょうか。
子どもと向き合うことの大切さを教えてくれます。