【第2期ウルトラシリーズ】名曲ぞろいの主題歌!阿久悠がタロウを作詞した理由はなんと!

【第2期ウルトラシリーズ】名曲ぞろいの主題歌!阿久悠がタロウを作詞した理由はなんと!

第2期ウルトラシリーズでは、映像や音楽がグレードアップし、ドラマのみならず、主題歌のファンになった人も多かったのではないでしょうか。ポピュラーソングの売れっ子作詞家・作曲家が曲作りを手がけるようになり、主演俳優が主題歌を歌う試みも画期的でした。まずは、1971年放送開始の『帰ってきたウルトラマン』から振り返ります。


帰ってきたウルトラマン

『帰ってきたウルトラマン』

放送期間:1971年4月2日 - 1972年3月31日



作詞:東京一

作曲:すぎやまこういち

編曲:すぎやまこういち

歌:団次郎、みすず児童合唱団




前作『ウルトラセブン』以来、2年半ぶりに復活したウルトラシリーズが『帰ってきたウルトラマン』です。



オープニング主題歌は、ドラマ名と同じく『帰ってきたウルトラマン』。ウルトラシリーズの主題歌の中では、特に人気の高い一曲です。



作詞の東京一とは、円谷英二の息子で、父の死後に円谷プロダクションの2代目社長となった円谷一のことで、"あずま きょういち" と読みます。円谷は、最初のウルトラシリーズ『ウルトラQ』から『ウルトラマンA』まで、すべての主題歌の作詞を手がけました。1973年2月に41歳の若さで急死しており、続く『ウルトラマンタロウ』と『ウルトラマンレオ』は、作詞家の阿久悠が作詞を手がけています。



作曲は、『ドラゴンクエスト』シリーズの作曲家としておなじみのすぎやまこういち。当時は、ザ・タイガース、ザ・ピーナッツの多くの曲を手がけた売れっ子作曲家でした。ザ・タイガース『花の首飾り』、ザ・ピーナッツ『恋のフーガ』、ガロ『学生街の喫茶店』、ヴィレッジ・シンガーズ『亜麻色の髪の乙女』などのヒット曲は、すべてすぎやまの作曲です。



は、主人公の郷秀樹を演じた団次郎(現:団時朗)とみすず児童合唱団。ウルトラシリーズでは初めて、主演俳優が主題歌を歌いました。その後、『ウルトラマンレオ』でも主演俳優の真夏竜が主題歌を歌っています。

円谷英二の出身地である福島県須賀川市では、夕方の防災無線で本曲を流しています。夕方の防災無線というと、『夕焼け小焼け』や『遠き山に日はおちて』などが定番ですが、人々が家に "帰ってくる" 時間帯に、地元にゆかりのある本曲を流すとは粋な計らいです。

実は、主題歌の次候補に、同じくすぎやまが作曲した『戦え!ウルトラマン』という曲がありました。現在は、『ウルトラマン生誕40周年記念 ウルトラサウンド殿堂シリーズ(4) 帰ってきたウルトラマン』のアルバムで聴くことができます。

『ウルトラマン生誕40周年記念 ウルトラサウンド殿堂シリーズ(4) 帰ってきたウルトラマン』

ウルトラマンA

『ウルトラマンエース』

放送期間:1972年4月7日 - 1973年3月30日



作詞:東京一

作曲:葵まさひこ

編曲:葵まさひこ

歌:ハニー・ナイツ、みすず児童合唱団




オープニング主題歌は、ドラマ名と同じく『ウルトラマンエース』。実は、当初は『ウルトラエース』という名称だったため、主題歌も『ウルトラエース』で用意されていました。聴き比べると、サビの歌詞が微妙に異なっています。



作詞は、前作と同じく東京一作曲は、ハニー・ナイツのリーダー・葵まさひこで、ハニー・ナイツとみすず児童合唱団が歌いました。



ハニー・ナイツは、アニメや特撮の主題歌、CMソングでおなじみの男性コーラスグループ。『妖怪人間ベム』、『サスケ』、『シルバー仮面』、『ミラーマン』の主題歌や、「エメロン」のCMソング『ふりむかないで』などが有名です。



南夕子は第28話で月に帰って行きますが、主題歌の歌詞「今だ変身、北斗と南」は最終回までそのまま使用されました。

ウルトラマンタロウ

『ウルトラマンタロウ』

放送期間:1973年4月6日 - 1974年4月5日



作詞:阿久悠

作曲:川口真

編曲:川口真

歌:武村太郎、少年少女合唱団みずうみ




オープニング主題歌は、ドラマ名と同じく『ウルトラマンタロウ』作詞は、東京一こと円谷一の急逝に伴い、人気作詞家・阿久悠が後を継ぎました。



阿久悠が主題歌の作詞を引き受けた理由は、息子の名前が「太郎」で、息子に喜んでもらうためだったとか。「ウルトラの父がいる ウルトラの母がいる」の歌詞には、親としての思いが込められていたのでしょうか。しかし、実際には以下のようなエピソードが伝えられています。

作曲川口真も当時売れっ子の作曲家で、代表曲は、『手紙』、『他人の関係』、『積木の部屋』など著名曲が多数。武村太郎とは、現在も俳優・声優として活躍する福沢良一の別名です。児童合唱団は少年少女合唱団みずうみで、ウルトラマンレオでも引き続き同団が主題歌を歌いました。

ウルトラマンレオ(第1話〜第13話)

『ウルトラマンレオ』

放送期間:1974年4月12日 - 1974年7月5日



作詞:阿久悠

作曲:川口真

編曲:川口真

歌:真夏竜、少年少女合唱団みずうみ




オープニング主題歌は、ドラマ名と同じく『ウルトラマンレオ』作詞・作曲は、タロウに引き続き阿久悠と川口真のコンビが担当し、そしては、主人公のおゝとりゲンを演じた真夏竜と少年少女合唱団みずうみが歌いました。主演俳優が主題歌を歌うのは、『帰ってきたウルトラマン』の団次郎以来です。真夏竜の歌では、劇中で歌われた『星空のバラード』もおなじみです。



オープニングの歌詞は「突然あらしがまきおこり〜」で始まりますが、これは2番の歌詞。1番の歌詞は「宇宙にきらめくエメラルド〜」で始まります。挿入歌でたびたび使用されていたので、どちらも聴きなじみのある歌詞でしょう。

ウルトラマンレオ(第14話〜第51話)

『戦え! ウルトラマンレオ』

放送期間:1974年7月12日 - 1975年3月28日



作詞:阿久悠

作曲:川口真

編曲:川口真

歌:平野英之(ヒデ夕樹)、少年少女合唱団みずうみ




そして、ウルトラマンレオではなんと第14話から主題歌が変わります。作詞・作曲・コーラスは前曲と同様ですが、主題歌を歌ったのは平野英之。全く聞き覚えのない名前でしょうが、実はあのヒデ夕樹の本名です。ヒデ夕樹といえば、『力石徹のテーマ』、『GO! GO! トリトン』、『この木なんの木』など主題歌やCMソングを歌うパワフルボーカルの歌手として知られています。なぜか『ウルトラマンレオ』では、本名がクレジットされていました。



ところで、当時は、冒頭の歌詞「レオ〜 君の◯◯〜」のところが何と歌っているのかわからなかった、という人が多くいました。正しくは「レオ〜 君の番〜」です。

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