昭和63年に開通した「青函トンネル」を調べてみました

昭和63年に開通した「青函トンネル」を調べてみました

構想から約65年、着工から開通まで約27年を費やした「青函トンネル」。北海道へ渡るのは船ではなくなってから35年になります。


はじめに

青函トンネル(せいかんトンネル)は、青森県東津軽郡今別町と北海道上磯郡知内町を結ぶ海底鉄道トンネルです。2016年にスイスの「ゴッタンベーストンネル」が開通するまでは、世界最長の海底トンネルでした。

1970年代初めまでは「上野発の夜行列車降りたときから~♪」でお馴染み「津軽海峡冬景色」に出てくる青函連絡船が北海道と本州の人々を結んでいましたが、徐々に航空に人々は移り行く中、工事は続けられ1988年に開通したのでした。

青函連絡船

青函連絡船 - Wikipedia

青函トンネルの長さ

1988年3月13日に開通した青函トンネルは、建設費9000億円、津軽海峡海底下約100mに設けられ、全長53.85㎞の交通機関用海底トンネルです。


北海道上磯郡木古内町にある北海道旅客鉄道(JR北海道)・道南いさりび鉄道の駅である木古内駅(北海道内最南端の駅)のシェルターで覆われたコモナイ川橋梁と約1.2 kmの第1湯の里トンネルが青函トンネルに一体化していて、これらを含めるとトンネル状構造物の総延長は約55 kmになります。

北海道新幹線が開業する前は、トンネルの最深地点に青色と緑色の蛍光灯による目印がありました。

交通機関用のトンネルとして開業しましがた、トンネルを利用して通信ケーブルや送電線が敷設され、北海道と本州の通信や送電の大動脈となっています。

開通への道のり

1923年に阿部覺治(函館市議会議員)が関門トンネル(下関市と北九州市間)構想を参考に青函トンネル(大間と函館間)を広報誌に記してから16年後の1939年に鉄道省がルート調査を依頼します。

翌1940年に鉄道省内に線路調査室が設置され、1946年に「津軽海峡連絡隧道調査法打ち合わせ会議」を開催し、東口(青森県下北郡大間町と北海道亀田郡戸井町(現在の函館市)間)と西口(青森県東津軽郡三厩村(現在の外ヶ浜町)と北海道松前郡福島町間)の2つの構想ルートは西口ルートに決定され、地上地質調査等が開始されました。

1953年、特別国会にて「青森県三厩附近より渡島国福島に至る鉄道」が予定線として鉄道敷設法に追加され、以後漁船を使用した海底部の地質調査を開始します。翌年に青函連絡船の遭難事故によりトンネル建設計画が本格的になり、1955年に津軽海峡連絡隧道技術委員会発足され、1960年には秋田県にて実験隧道建設工事開始。以後注入試験などが実施されました。

1963年から北海道側と本州側で試掘調査など開始され、1971年に北海道と本州にて本工事の起工式を実施し本工事に着手されます。

1974年に2度の異状出水が起ります。1月の吉岡作業抗で最大湧水量16トン/分、竜飛作業抗で最大湧水量6トン/分。

1976年には吉岡作業坑最大湧水量:85トン/分にもなる異状出水があり、湧水量が排水能力を超え、水没範囲は作業坑2028 m、本坑1300 mに及びました。

1978年、北海道側の陸上部が全て貫通し、翌年海底部で竜飛作業坑と本坑が連結されます。続いて1980年に吉岡作業抗が完成。1981年に本州側の陸上部も全て貫通。

1983年にレール敷設に着手、1985年、本坑全貫通しました。


1.本坑 2.作業坑 3.先進導坑 4.連絡誘導路

海底部標準断面図

青函トンネル - Wikipedia


1987年9月にDD51形ディーゼル機関車の牽引で、建築限界測定車のオヤ31形を含む7両編成の試験列車が青函トンネルを初めて走行後、10月には試運転電車が初走行し、11月に青函トンネル完成となりました。

建設計画当初は在来線規格での設計でしたが、1969年に閣議決定された新全国総合開発計画により新幹線規格に変更されました。

吉岡海底駅と竜飛海底駅開業

青函トンネル開業と同時に吉岡海底駅、竜飛海底駅が開業しました。
青函トンネルの定点として設けられた吉岡定点と竜飛定点ですが、トンネル施設の見学ルートとしても利用する事になり、それぞれ駅名が付けられました。

この2つの駅は、見学を行う一部の列車の乗客に限り乗降できる特殊な駅でしたが、現在は廃止となっています。

巨額な投資に伴って

トンネルが完成する頃は、着工当時と打って変わり、北海道への旅客輸送は航空機が大半を占める状況となっていて、北海道新幹線の建設が凍結していました。貨物輸送もフェリーや内航海運が鉄道よりもシェアを占めるようになっていました。

そこに、トンネルが完成した後も大量の湧水を汲み上げなければならないといった状況で、放棄した方が経済的であるとまで言われ、「昭和三大馬鹿」、「無用の長物」、「泥沼トンネル」などと揶揄されたこともありました。

しかし開通後は、北海道と本州の貨物輸送により、天候に影響されない安定した輸送が可能となったことで、北海道の基幹産業である農産物の輸送量は飛躍的に増加しています。また、首都圏で発行される印刷物の北海道での発売タイムラグも短縮されました。

おしまいに

青函トンネルをオリエント急行が走行したのを覚えていますか?
1988年10月、フジテレビ開局30周年記念のイベントとして「オリエント・エクスプレス’88」が行われました。

ヨーロッパを走行するオリエント急行を日本まで走らせるという企画で、1988年9月5日、オリエント急行は「オリエント急行東京行き」と表示され、パリ・リヨン駅を出発、香港まで大陸を走行し、貨物船で日本・徳山下松港に入港しました。

その後日立製作所笠戸事業所にて日本の鉄道規格に改造され、1988年10月17日に広島駅に入線。オリエント急行の客車にて複数のツアーが組まれ、そのうちの日本一周ツアーで青函トンネルを通過して北海道を札幌駅まで走行しました

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