居酒屋・御三家
酒屋さんの一角に設けられた飲酒スペースでお酒を飲むことを「角打ち」と言いますが、この「酒屋に居続けながら飲む」ということが、居酒屋文化の基盤になったんだそうです。
現在も全国で数多くの居酒屋が賑わいをみせていますが、80年代~90年代にかけて「居酒屋チェーンの御三家」と呼ばれたのが、
・養老乃瀧
・つぼ八
・村さ来
この3つの居酒屋です。
ミドルエッジ世代の皆様なら、お馴染みさんの方も多いのではないでしょうか。
養老乃瀧
御三家の中でもパイオニアというべき存在が「養老乃瀧」です。
神奈川県横浜市に1号店を出店したのが1956年(昭和31年)とのことなので、60年以上の歴史を刻んでいることになります。
もともとはお酒が飲める大衆食堂としてスタートしたそうですが、従業員の食事時間すらなくなってしまうほどの大繁盛となったことを受けて、お手軽な酒のつまみに特化した「居酒屋メニュー」へと変更していくことに。
これが、現在につながる「総合型居酒屋」の始まりだと言われています。
次々と新店舗を展開していった養老乃瀧は、フランチャイズ加盟店を募集したことで1973年には何と1000店舗出店を達成!
現在では養老乃瀧本体の他にも、
・海鮮居酒屋「だんまや水産」
・居酒屋「一軒め酒場」
・韓国料理店「韓激」
といった店舗も展開しています。
つぼ八
1973年(昭和48年)に北海道札幌市に出店した1号店が8坪だったことから命名された「つぼ八」。
炉端焼きを中心に「全品150円均一」を売りにして札幌市を中心に店舗を拡大し、繁華街としても有名なすすきのに、収容人数500人、300坪の居酒屋を開店して注目を集めたこともありました!
500人も入ることができる居酒屋なんてちょっと想像できないですよね~
80年代後半にはフランチャイズ加盟店を中心に400店舗以上のチェーン店を出店。
現在では、つぼ八本体の他にも、
・ダイニング居酒屋「茜どき」
・焼肉店「伊藤課長」
・居酒屋「旨居屋 新八」
・牛たんと日本酒の店「牛たん ささ川」
・肉料理店「NEWYORK STEAK FACTORY」
・肉バル「CARNE GRANDE」
といった多くの店舗を展開しています。
村さ来
今では居酒屋のドリンクメニューの定番となっている酎ハイ。
その基礎を作ったと言われているのが「村さ来」です。
村さ来は、つぼ八と同時期の1973年(昭和48年)に東京都世田谷区に1号店を出店しました。
低価格で提供しつつ収益を得ることを目標に掲げた村さ来の経営陣。
しかし、フードメニューの開発には成功したものの、ドリンクメニューでの利益確保には苦戦されていたそう。
そこで開発されたのが、比較的原価が安いとされている焼酎にシロップや炭酸を入れて飲みやすくした酎ハイでした。
村さ来創業者の清宮勝一氏が開発した酎ハイは120種類以上とも言われており、80年代以降、若者を中心に酎ハイ人気は急上昇!
90年代までに、800店舗以上のチェーン店を展開しました。
「Izakaya」は外国人の方も大絶賛!

外国人の方の間でも日本の居酒屋は大人気!
フードメニュー、ドリンクメニュー共に、その種類の多さに驚いてしまうそう。
海外では各ジャンルの専門店が主流となっているため、一つのお店であれだけ幅広いメニューを楽しめるのは感動的だといいます。
また、おしぼりを出してくれるのも珍しいサービスなんだとか。
海外の場合、高級なレストランならともかく大衆的なお店でこうしたサービスをしてくれるのは珍しいそうです。
さらに、注文をする際に使用するタッチパネルに感動した人も多いとか。
日本語を話せなくてもタッチパネルを使えば難なく注文でき、しかも料理の写真も表示されているため「どんなものが出てくるか分からない」という不安も払拭されるそうです。
現在は外国語対応のタッチパネルも多いですから、さらに安心ですね。
世界に誇れるといっても過言ではない日本の居酒屋文化。
今後もどのように発展していくか楽しみですね。