現代にも語り継がれる悲劇とミステリー!タイタニック号を予言した小説とは?

現代にも語り継がれる悲劇とミステリー!タイタニック号を予言した小説とは?

1912年に実際に起こった大事故「タイタニック号沈没事件」は、100年以上経過した現在でも語り継がれるほどの悲劇性と、犠牲者1人1人にあったドラマが多くの人の胸を打ちます。そんなタイタニック号沈没には多くの偶然の一致があり、事故を予知していたかのうような小説も存在することから、ミステリー要素も大きいです。今回はタイタニック号にまつわる話についてご紹介します。


タイタニック号沈没事故とは?

まずはタイタニック号沈没とはどんな事故だったのかについてご紹介します。

船名:タイタニック号
出航地:イギリス・サウサンプトン
帰着地:ニューヨーク
処女航海:1912年4月10日
沈没日:1912年4月15日
所有:イギリス・ホワイト・スターライン社
事故発生日:1912年4月14日深夜
事故原因:氷山との接触
犠牲者:乗員乗客合わせて1513人(諸説あり)
生還者:710人
当時最新鋭の安全性から浮沈船と呼ばれていましたが、処女航海で沈没事故が起きてしまいました。
なんと乗員乗客の3分の2以上が犠牲となった、20世紀最大の海難事故です。

贅を凝らした1等船室には富裕層が多数乗船した一方で、アメリカンドリームを夢見た労働者階級の人たちも大勢3等船室に乗船していました。

1997年の映画「タイタニック」では、1等船室には富豪の婚約者としてヒロインのローズが、3等船室には労働者階級の主人公のジャックが乗船し、当時の世相を反映しています。

予言したかのような小説

一つ目の偶然の一致は、後の沈没事故を予言したかのような小説が、事故の14年前に発売されていたことです。

その小説の作者は、モーガン・ロバートソン
小説のタイトルは、「タイタン号の遭難または愚行」。
なんとタイトルの船名まで酷似していました。

タイタンとは、 ギリシャ神話に登場する巨人の神で、タイタニックはタイタンの形容詞です。
「タイタン(の)」「巨大な、怪力の、重要な」を意味していました。

酷似していたのは、タイトルだけではなく、内容も不気味に一致していたのです…。

一つ目はイギリス船籍の豪華客船で、処女航海だったこと。
二つ目は出航地がイングランド南部のサウサンプトンで、帰着地がアメリカであったことです。
そして事故原因も、大西洋上での氷山の衝突で、事故の発生も4月でした。

船の大きさや性能、救命ボートの数、乗せていた乗客などもほとんど同じで、犠牲者が増えた理由の1つは乗客に対して救命ボートの数が圧倒的に足りなかったという点も同じです。
タイトルにつく「愚行」という2文字が物語っていますね。
豪華さを演出するために、削られてしまったもっとも守るべき乗員乗客の命…。

発売当初はたいして有名にならなかった「タイタン号の遭難または愚行」ですが、タイタニック号沈没に俄然注目されます。

ただ本人は1915年3月24日にニュージャージー州アトランティック市のアルマック・ホテルの部屋で亡くなっているのが発見されています。

パラアルデヒド(睡眠剤に使用される薬品)の過剰服用で亡くなったと考えられているということで、自殺ではないかと考えられていました。

本人が語らないまま事故の3年後に亡くなっているので、事故を予言していたのかどうかについては迷宮入りしてしまったのです。

タイタニック号に乗船していた日本人

タイタニック号に乗船していた唯一の日本人は、細野正文さんです。
生年月日:1870年10月8日
没年月日:1939年3月14日

細野正文さんは、鉄道院副参事(現在の国土交通省大臣官房技術参事官に相当)を務めていた時に1仕事でタイタニック号に乗船しました。

タイタニック号沈没事故において最も死亡率が高かった、二等船室の男性乗客の1人でしたが、10号ボートに乗って生還を果たしています。

細野正文さんは、雑誌『冒険世界』(1912年7月号)で上記のように語っています。
最期のボートが卸されるときに、たまたま「まだ3人くらいゆっくり乗れる」という声が聞こえてきて、傍にいた船員の1人が飛び込み、まだ空いていたので飛び込んだということでした。

最期のボートを見ながら諦めていたのではないかと思いますが、そんなときに聞こえた声で、九死に一生を得た細野正文さん。
生還者の1人が「他人を押しのけて救命ボートに乗った嫌な日本人がいた」と批判されていたという説がありましたが、その生還者とは別のボートに乗っていたため人違いではないかと名誉が回復されました。

孫は細野晴臣さん

細野正文さんは、ミュージシャンの細野晴臣さんの父方の祖父にあたります。
タイタニック号沈没事故で亡くなってしまっていたら、生まれなかったことになりますから、細野正文さんが生還されたことは、日本の音楽界にも大きな意味を持っていると言えますね。

1980年代初頭に、高橋幸宏さん、坂本龍一さんと共にイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成し、日本の音楽界に一石を投じています。

タイタニック号が細野晴臣さんの生誕にも関わっていたことも、偶然の一致の一つではないでしょうか。

いま聴いても、古く感じないですね。
高橋幸宏さんと坂本龍一さんは亡くなってしまいましたが、細野晴臣さんにはいつまでも元気で音楽活動を続けて欲しいです。

まとめ

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