榊 千紗(さかき ちさ)
26歳の会社員女性。歌川茂道の家に居候している。茂道の甥の直達の家族写真から、彼の父親が10年前自分の母親とダブル不倫をした相手であることがわかる。
親の不倫については「子供には関係ない」という方向で一貫しているため、事情を知らない様子の直達が、余計なことを知って苦しむことがないようにと、つねに秘密を明かさないよう、何事もないかのように行動しようとしている。
冷静に見えるが、頭の中では悶々と考えてしまうタイプ。母親の不倫が原因で、自分に彼氏はいらない、恋愛は一生しないと心に誓っている。
歌川 茂道(うたがわ しげみち)
熊沢直達の叔父にあたる30歳過ぎの男性。もともとは会社員で現在は「ニゲミチ先生」のペンネームで漫画家として生計を立てているが、転職のことは両親に打ち明けておらず、ばれないようにびくびくしながら執筆活動を行っている。
気が小さいところがあり、姉である直達の母に対する裏切り行為は死に値すると、子供の頃の姉弟関係を大人になった現在も引きずっている。熊沢の不倫に関する事情についてはある程度知っているが、千紗がその時の不倫相手の娘だということは知らない。
泉谷兄(いずみやあに)
直達の高校のクラスメートである泉谷楓の兄。占い師となって生計を立てている。普段の外見は普通だが、ロングヘアのカツラをかぶり、バッチリメイクの女装した姿で仕事をしている。占いはよくあたるという噂で、評判は上々らしい。歌川茂道の家に居候しており、榊千紗、熊沢直達、成瀬を含む五人で共同生活を送っている。
おだやかな性格ですべてを達観しているようなところがあるが、ケンカっ早い。
成瀬
大学教授を務める初老の男性。歌川茂道の家の居候の一人で、海外にいたためしばらく不在にしていたが、最近帰国した。千紗の父親のサカキンとは昔からの知り合いのため、10年前に起きた不倫に関する事情はよく知っている。10年前から現在に至るまで、千紗からの相談を受けることもあり、多くの助言を行ってきた。
マンガ「水は海に向かって流れる」の見どころ
淡いあっさりとした絵柄、淡々としたストーリー進行と、比較的ゆるいギャグでつながる会話。でも1ページ1ページ、少しずつていねいにていねいに描く「ひとのこころ」「こころの機微」が、読む人の琴線にそっと触れていく、そんな作品です。
作者は「子供はわかってあげない」で2015年の「このマンガがすごい」「マンガ大賞」等で話題をさらった田島列島。大胆な設定も舞台装置もなく、ごくごく日常の一コマから、まるで砂粒を積み上げるようにセンシティブに、なおかつユーモラスにつくっていく世界は、ひたひたと自分に染み渡り、まさにタイトルのごとく、自然にあるべき場所へ向かって流れていくよう。こんな軽い言葉で表現するのはいささか不本意ではありますが、いわゆる「エモい」作品と言えるのではないでしょうか。
もちろんAmazonでも「水は海に向かって流れる」コミックを全巻大人買いが出来ます!
電子書籍もいいけど、紙のコミック派の方は、是非Amazonからのご購入をオススメします!Amazonなら配送サービスもあり、早ければ次の日にはお手元に届くことも!コミックで「水は海に向かって流れる」を全巻読みたい方はAmazonをチェックしてみては??
水は海に向かって流れる(3) (KCデラックス) | 田島 列島 |本 | 通販 | Amazon
「俺がいなければ、この人の肩が濡れることはなかったのに」 高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった直達。だが最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。 案内された家の住人は26歳OLの榊さんと、なぜかマンガ家になっていたおじさんの他にも、女装の占い師、メガネの大学教授といずれも曲者揃いの様子。 ここに高校1年生の直達を加えた男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まったのだが、直達と榊さんとの間には思いもよらぬ因縁が……。 久しぶりに始動した田島列島が自然体で描くのは、家族のもとを離れて始まる、家族の物語。 W不倫で家を出て以来帰らない榊さんの母親に会うため、直達は榊さんを連れて海辺の街を訪れた。彼女が新しい家族と幸せそうに暮らす姿を見て、対面を諦めそうになった二人だったが、直達が衝動的に踵を返し、榊さんと榊さんの母親は10年ぶりの再会を果たす。直達と榊さんは、いま、10年前のその先へと時間を進めるための短くて長い旅の途中にいる。長い間抑え込んでいた感情と向き合う二人が流れ着く先は──。
※本記事は執筆時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。詳細は、各サービスの公式サイトをご確認ください。