伊良子清玄（いらこ せいげん）
虎眼流の道場破りに現れた青年。天賦の才を持つ。藤木源之助に勝つものの牛股権左衛門に破れた。許されて虎眼流の弟子となる。下層の生まれのため、己の出自に対するコンプレックスが強く、それが異常な出世欲となっている。名前もかつて江戸で弟子入りしていた医師の名前を盗んだもの。のちに両眼を失い、右足も不自由となる。
岩本虎眼（いわもと こがん）
虎眼流の開祖であり、「濃尾無双」と言われた剣の達人。三重という娘がいる。妻は過去に自死したため、いくを愛妾として囲っている。伊良子清玄が弟子になった頃には精神のバランスを失い、わずかな時間のみ正気に戻るが、一日の大半を「曖昧」な状態で過ごしていた。道場破りに来た伊良子を弟子にするが…。
牛股権左衛門（うしまた ごんざえもん）
虎眼流の師範で、藤木源之助の兄弟子。道場のナンバー2である。大男で、巨大な木剣「かじき」を軽々と振るう。並外れた怪力のために周囲から敬遠されていたが、虎眼流を紹介されて入門した。道場破りに来た伊良子を倒すのだが…。
マンガ「シグルイ」の見どころ
1994年『覚悟のススメ』などSF色が強いアクション漫画のイメージが強い山口貴由が、時代小説を原作にして描いた時代劇漫画です。
血が飛び散り、内臓がはみ出る。今まではSFでしたが、時代劇ということでさらに凄みが増しています。
「惨酷無惨時代劇」とも題される通り、登場人物たちはみな切られて行きます。主人公・藤木源之助も左腕を失い、ライバル・伊良子清玄も両目を失う。
そして兄弟同然の弟子たちは死に、「濃尾無双」と言われた師・岩本虎眼でさえも…。
伊良子の必殺技「無明逆流れ」や虎眼流の「流れ星」など、剣術アクションの迫力ある作画も、本作のみどころです。
そして描かれる、当時の絶対的な身分社会。
あまりにも残酷な運命に翻弄される人々の姿もまた、本作のみどころなのです。
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