邪馬台国論争はどうなった?稲作の開始は縄文時代になったの?歴史論争の変更点

邪馬台国論争はどうなった?稲作の開始は縄文時代になったの?歴史論争の変更点

ミドルエッジ世代が習った歴史では、鎌倉幕府の成立は1192年でした。でも現在では、鎌倉幕府の成立は1185年に変更されています。「いいくに作ろう鎌倉幕府」という語呂が使えなくなったことに衝撃です。邪馬台国論争も畿内説と九州説真っ二つに分かれていましたよね。今はどうなったのでしょうか?そこで今回は時代と共に変わった歴史の変更点について調査してみました!


邪馬台国とは?

まずは邪馬台国とは、いつどこにあったのか?
邪馬台国についてご紹介します!
邪馬台国は2世紀~3世紀に、日本列島のどこかに実在した国です。
でも1つの国ではなくて、30位の小国の連合でした。

卑弥呼が治める前の日本(倭国)は、長期間に渡って騒乱が起きていました。
そこで卑弥呼という女王を立て、騒乱を収めたそうです。
日本の歴史書には残っておらず、中国の魏志倭人伝に登場したことで存在が明らかになりました。

魏志倭人伝というと、日本人についての書物があるように感じますが、実際には(『三国志』魏書東夷伝倭人条)にわずかに日本について記述されているだけなのです。

またこの記述が罪作りで、邪馬台国の位置を特定できない要因となっていました。

魏志倭人伝には、魏の領土で朝鮮半島北部ないし、中部に当時あった郡から邪馬台国に至る道程が記されています。
この記述通りに進むと、なんと九州のはるか南海上に飛び出してしまうのでした…。

そこで記述をどう読み解くか?についてが、邪馬台国論争となっています。

九州説

九州説が有力だとされる理由は、佐賀県にある周囲が堀で囲まれた集落「吉野ヶ里(よしのがり)遺跡」があることです。
堀の外側が約2.5kmで、弥生時代の遺跡の中では群を抜いて大きいとされています。
佐賀県で発見された、吉野ケ里遺跡の形状が魏志倭人伝に登場する邪馬台国と一致していることから、九州説は有力とされています。

魏志倭人伝には、邪馬台国の都は周囲が城柵で厳重に包囲されており、宮室・居所・楼観(ろうかん)が存在するという記述が残っていました。
その描写に吉野ヶ里遺跡が一致しているのです。

吉野ヶ里遺跡は国の特別史跡に指定されており、遺跡から出土したガラス製の管玉(くだたま)や有柄細形銅剣(ゆうへいほそがたどうけん)などは重要文化財に指定されています。

吉野ケ里遺跡に行ったことがありますが、壮大で古代のロマンに溢れた場所ですから、個人的には九州説を押したいです。

畿内説

奈良県桜井市の纏向遺跡があることで、畿内説も有力と考えられています。
纏向遺跡は三輪山(みわやま)の麓(ふもと)から大和川にかけて、東西2km、南北1.5kmに広がっています。
ここで見つかった出土物は、この地が高度な都市であったことを示していました。

その中でも土器は、邪馬台国があった時代と合致しています。
そして機内以外の特徴を持つ土器が多く、全国からこの地に移動してきた人が多かったことを現わしていました。
この地が当時の日本(倭国)の中心であったことを示す、有力な手掛かりです。

また2009年に3世紀前半の大型の建物跡が発見されました!
3棟が東西に主軸をそろえて一直線に並んでおり、最も大きな建物の北辺より、南方に箸墓古墳を望めます。
計画的な建物配置から巨大な祭殿跡と考えられ、さらにその寸法は魏で用いられていた「吉祥尺」に則っていたため、これも邪馬台国の所在地であった重要な証拠となりました。

また卑弥呼が没した頃に作られた箸墓古墳があったことも、重要です。
それまでは弥生墳丘墓(ふんきゅうぼ)でしたが、前方後円墳の最古級であり従来とは全くスケールの異なる箸墓古墳に変わっていきました。
このことからも畿内が、西日本の政治の中心であったと考えられています。

邪馬台国論争の現在

現在は畿内説が有力ですがまだ決着はついておらず、どちらかに確定するのは難しそうです。
日本に文献が無いためで、魏志倭人伝に頼らざるを得ない状況では永遠のロマンとなってしまうのかもしれません。

稲作は縄文時代に始まった?

日本列島で稲作が始まったのは弥生時代が定説でしたが、実は九州では縄文時代から稲作が行われていたことがわかってきました。

かつての研究では、静岡県登呂遺跡から水田跡や炭化米農具が発見されたため、稲作は弥生時代になって初めて日本に伝えられ たと考えられてきたのです。

でも昭和35年以降、日本でも稲作が行われていた形跡が九州地方の縄文遺跡から発見され始め、今から約3000年前の縄文時代後期にはすでに大陸から稲作が伝わっていたことが明らかになりました。

さらにもっと古い時代から、原始的農耕が行われた可能性も出てきたのです。
北九州の遺跡の土壌からは、縄文時代後期の物と推定されるプラントオパール(イネ科植物の葉身にある、ケイ酸を含む細胞)が検出されており、これによって稲の痕跡が確認されていました。

北九州で縄文時代に行われて稲作は、弥生時代に入って九州から東に拡がっていったと見られています。

縄文人は稲作をしていたと思うと、縄文人のイメージが変わりますよね。
狩猟時代から稲作時代へ…選挙のスローガンみたいです。

まとめ

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