オール・バイ・マイセルフ
タイトル | オール・バイ・マイセルフ(All By Myself) |
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アーティスト | エリック・カルメン(Eric Carmen) |
リリース時期 | 1975年 |
使用したクラシック
作曲家 | セルゲイ・ラフマニノフ |
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使用曲 | ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 第二楽章 アダージョ・ソステヌート |
エリック・カルメンのソロデビュー曲
『オール・バイ・マイセルフ(All By Myself)』は、エリック・カルメンがラズベリーズ解散後にリリースした、ソロデビュー曲です。デビューながら、全米シングルチャートで2位を記録しました。
ラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』は、1945年のイギリス映画『逢びき』で使用され、大衆の間に広まりました。その第二楽章の印象的なフレーズを、本曲のヴァース部分で使用しています。また、ラズベリーズ時代のヒット曲『レッツ・プリテンド(Let's Pretend)』の一部をサビに融合しています。その後、次作の『恋にノータッチ(Never Gonna Fall In Love Again)』でも、同ピアノ協奏曲の第三楽章のフレーズを使用しています。
1996年には、セリーヌ・ディオンが本曲をカバーし、カバー曲ながら全米シングルチャートで4位を記録しました。

エリック・カルメン『サンライズ』
運命'76
タイトル | 運命'76(A Fifth Of Beethoven) |
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アーティスト | ウォルター・マーフィー(Walter Murphy and The Big Apple Band) |
リリース時期 | 1976年 |
使用したクラシック
作曲家 | ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン |
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使用曲 | 交響曲第5番 ハ短調 作品67 第一楽章(通称『運命』) |
ウォルター・マーフィーのインストゥルメンタル
『運命'76(A Fifth Of Beethoven)』を作曲したウォルター・マーフィーは、元々、クラシックのアレンジ曲に興味を持っていました。1976年、宣伝用のディスコソングを作っていたところ、プロデューサーからクラシックの使用を提案され、制作した曲の一つがインストゥルメンタルの本曲です。
ベートーヴェンの交響曲第5番第一楽章は、世界的に最も有名なクラシック音楽の一つです。原題の "Fifth" はシャレで、「交響曲第5番」という意味と、アメリカの酒瓶の容量を表す「5分の1ガロン」という意味を含んでいます。日本では『運命』という名で知られているため、邦題はより馴染みのある名称に変えられました。
本曲は、デビュー曲ながら、全米シングルチャートでナンバーワンを獲得。また後に、大ヒット映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックにも収録されました。
ウォルター・マーフィーは、その後、ジョージ・ガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』、モーリス・ラヴェルの『ボレロ』などもアレンジしますが、いずれも不発に終わりました。
今宵はフォーエバー
タイトル | 今宵はフォーエバー(This Night) |
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アーティスト | ビリー・ジョエル(Billy Joel) |
リリース時期 | 1983年(アルバムのリリース) |
使用したクラシック
作曲家 | ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン |
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使用曲 | ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13 第二楽章『悲愴』 |
ビリー・ジョエルの大ヒットアルバムに収録
『今宵はフォーエバー(This Night)』は、ビリー・ジョエルの9作目のアルバム『イノセント・マン(An Innocent Man)』の収録曲で、イギリスと日本でのみシングルカットされました。アメリカでは、『夜空のモーメント(Leave A Tender Moment Alone)』のB面としてリリースされています。
『悲愴』は、『月光』『熱情』と並び、ベートーヴェンで最も有名なソナタの一つです。本曲では、ドゥーワップ調に編曲され、サビの部分に『悲愴』第二楽章の主題がそのまま使用されています。
本人曰く、二度目の結婚の直前に付き合ったスーパーモデル、エル・マクファーソンとの短い交際について書いた曲とのことです。
エヴリシング・イズ・ゴナ・ビー・オールライト
タイトル | エヴリシング・イズ・ゴナ・ビー・オールライト(Everything's Gonna Be Alright) |
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アーティスト | スウィートボックス(Sweetbox) |
リリース時期 | 1997年 |
使用したクラシック
作曲家 | ヨハン・ゼバスティアン・バッハ |
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使用曲 | 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068 第2曲 (通称『G線上のアリア』) |
スウィートボックスの代表曲
日本でクラシックのアレンジといえば、ドイツのバンド、スウィートボックスが最も有名でしょう。
『エヴリシング・イズ・ゴナ・ビー・オールライト(Everything's Gonna Be Alright)』は、デビューアルバム『スウィートボックス(Sweetbox)』からの2作目のシングルで、日本を筆頭に世界的ヒットを記録しました。バッハの『G線上のアリア』をサンプリングしており、曲はドイツの交響楽団が本曲のレコーディングのためだけに演奏したものです。
その後、スウィートボックスは、テレマンの『トランペット協奏曲』、グリーグの『ソルヴェイグの歌』、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲など、多くのクラシックアレンジ曲をリリースしています。メンバーはたびたび入れ替わっていますが、現在も活躍中のバンドです。
サムワン・トゥ・コール・マイ・ラヴァー
タイトル | サムワン・トゥ・コール・マイ・ラヴァー(Someone To Call My Lover) |
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アーティスト | ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson) |
リリース時期 | 2001年 |
使用したクラシック
作曲家 | エリック・サティ |
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使用曲 | ジムノペディ 第1番 |
ジャネット・ジャクソンの思い出の曲をサンプリング
『サムワン・トゥ・コール・マイ・ラヴァー(Someone To Call My Lover)』は、ジャネット・ジャクソンの2001年のヒット曲で、全米シングルチャートで3位を記録しました。
『ジムノペディ 第1番』は、エリック・サティ作曲のピアノ独奏曲『3つのジムノペディ』の一曲目で、サティの中では、最も有名で人口に膾炙した曲です。
本曲ができた経緯は、彼女が子供の頃にまで遡ります。当時、とあるテレビCMで『ジムノペディ 第1番』が流れ、彼女は非常に興味を持ちますが、曲名も作曲家もずっとわからないままでした。そこから7年の時が流れ、大人になって訪れたラルフ・ローレンの店で、同曲と再会します。お店の好意で曲のCDを受け取り、それをそのままプロデューサーのジミー・ジャムに渡したのが最初です。
彼女の熱量を感じたジミー・ジャムは、ジムノペディと、アメリカのヒット曲『ヴェンチュラ・ハイウェイ(Ventura Highway)』のギターリフを合わせ、新しい曲を作ります。それが『サムワン・トゥ・コール・マイ・ラヴァー』です。