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『南極物語』（英題: ANTARCTICA）は、1983年公開の日本映画。南極観測隊の苦難とそり犬たちの悲劇を描いた作品です。監督は「キタキツネ物語」や「青春の門」などの話題作を撮った蔵原惟繕。「キタキツネ物語」のような大自然の映画をと、『タロとジロは生きていた』という実話をもとに、ドラマ性を盛り上げるために数人が脚本に参加、製作されました。
主演は高倉健、準主役に渡瀬恒彦。主に北極を舞台にロケを行い、少人数での南極ロケも実施し、撮影期間3年余をかけ描いた大作映画です。
フジサンケイグループの大々的な宣伝だけでなく、文部省特選作品として映画館のない地域でもPTAや教育委員会がホール上映を行うなど、当時の日本映画の興行成績新記録となる空前の大ヒット作品となり、最終的には110億の興行収入を上げました。
のちにディズニーがリメイク権を獲得し、2006年に英語版が製作されています。

昭和33年、南極に昭和基地が設けられた。厳冬の南極を乗りきるのに15匹の犬が選抜された。吹き荒れるブリザードの中の探険は犬に頼るのが全てであった。隊員の潮田と越智は第2次越冬隊中止のため、犬を南極に置き去りにせざるを得なかった。取り残された15匹の犬たち。1年後に基地に降りたった隊員たちが見たものは・・・・。

なんといってもタロとジロとの再会シーンが感動です。真っ白な南極の地で、たった二頭残った黒いシルエットの犬たちを見つけて、声をかけた潮田の元にまっすぐに駆けてくる姿に涙が止まりません。なぜ犬たちを残してきたのか、その苦悩する様子をずっと見てきたからこそ、この最後のシーンがぐっとくるのです。
音楽は「炎のランナー」でおなじみヴァンゲリス。清澄でカタルシスにあふれたメロディーもまた、「南極物語」の大事な見どころと言えるでしょう。
なお、越智役の渡瀬恒彦は、タロとジロを演じた犬たちを撮影後も引き取り、家族になったそうですよ。

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