「半纏(はんてん)」と「褞袍(どてら)」
「半纏(はんてん)」は、そもそも江戸時代に庶民の間で着用されていました。
主に職人や店員など都市部の肉体労働者の作業着として戦後まで使用され、
労働者階級を示す「半纏着(の者)」という語もあったそうです。
種類については袖の形による広袖袢纏、角袖袢纏、筒袖袢纏、デザインの面
では定紋や屋号などを染めつけた印袢纏などがあり、印半纏は雇い人に支給
されたり、出入りの職人などに祝儀に与えられることも多く、職人階級では
正装として通用し、俗に窮屈羽織とも呼ばれていました。
自分思う半纏は、防寒着の「綿入れ袢纏」です。
よく知られている綿入れ袢纏は、袷(あわせ、表地と裏地の二重)にし、その
間に綿を入れたもので、衿は黒繻子をかけたものが一般的ですね。
主に室内用の防寒着として用いられていましたし、今も持っている人はいるはず。
ここで、気になったのが、「褞袍(どてら)」。
「丹前(たんぜん)」ともいいますが、半纏とよく似ているけれど、違うんです。
こちらは、綿入れ半纏と同じく厚く綿を入れた防寒用の上着なんですが、
半纏は腰までの長さの上着で、褞袍は長着ですので、くるぶし辺りまであります。
当初は旗本に仕える使用人の旗本奴たちの間で流行し、これが一般にも広まった
そうです。
半纏と褞袍(丹前)は、別物ですが、地方によって半纏を丹前や褞袍と呼ぶこと
もあるそうですね。ちゃんちゃんことも言っていたように思います。
ちゃんちゃんこも別物で、袖の無いものなんですよ。
さらに、日本の東北地方、北海道地方では、掻巻(かいまき)のことを丹前と呼ぶそう。
ちなみに掻巻(かいまき)は、着物型布団とでもいいましょうか。

綿入れ半纏(はんてん)
Amazon.co.jp : 人気の綿入れ 半纏ランキング

ちゃんちゃんこ
Amazon | 袖無し久留米ドビー織はんてん・ポンチョ 男女兼用 | ちゃんちゃんこ・はんてん 通販

褞袍(どてら)・丹前(たんぜん)
Amazon | 男女兼用綿入り丹前・褞袍(どてら) 赤系2タイプMサイズ 防寒着、省エネ、エコ、節電 紳士婦人兼用綿入り着物 日本製 (赤系1) | ちゃんちゃんこ・はんてん 通販

江戸時代の掻巻(かいまき)
掻巻 - Wikipedia
「ドテラマン」なるもの
半纏から褞袍・丹前と調べるうちに「ドテラマン」というアニメに
たどり着きました。
ということで、せっかくなので調べてみました。
「ドテラマン」は、1986年10月14日から1987年2月24日まで日本テレビ
系列にて放送された全20話からなるテレビアニメで、タツノコプロの
貞光紳也のテレビシリーズ初監督作品です。
チーフライターは、小山高生。「タイムボカンシリーズ」を思わせるキャラクター
や世界観を展開させています。
また、当時の人気アイドルだった斉藤由貴をモデルにしたキャラクターの
「サイコウユ鬼」が登場したりします。
2008年12月15日放送の「ヤッターマン」では、ドテラマンのキャラクターが
描かれたクッションとオニゾウの置物が映っており、再放送を除くと本放送終了
から実に21年10か月振りにテレビ画面に登場したのだそうです。
<ストーリー>
平和な八本木の街で突然、大仏が動き出した。
それは、自分が有名になりたいという、インチ鬼大王の珍騒動が開始された
合図だった。
同じ頃、幼馴染み同士のハジメとマリコはハジメの部屋で、鬼次元から来た
名探偵であるズカン・ソクネッツからインチ鬼大王にさらわれた鬼の探索を
命じられ、スーパーヒーローに変身できるハイパードテラを授かる。
大暴れする大仏を目の前にした2人は、ハイパードテラを自らの真上に放り投
げ、ジャンプしながら身にまとって変身し、ドテラマンとドテラピンクが誕生
した。
こうして2人はズカン・ソクネッツの助手であるオニゾウと共に、インチ鬼大王
とその娘である思春鬼ら鬼達とのハチャメチャな戦いに巻き込まれていった・・・。
この「ドテラマン」は、なんと日本初の文字多重放送による字幕つきアニメ
なのです。
音声多重放送を活用して、本編では日本語を話せないオニゾウに副音声では
主にシーン毎に「ボヤキ」を入れさせる「ひみつトーク」を流していたのだそうです。
ただし、当時はまだ副音声機能が搭載されているテレビが高価だったため、番組
の副音声の企画を行っていた玩具会社・サンクテールが音声多重チューナー
「音多おに蔵」を発売していたくらい。
この「音多おに蔵」はFMラジオ放送とVHF1 - 12chのアナログテレビ音声のみ受信
できる仕様で、UHFで放送されていた地域では音声多重放送を実施していても使用
する事ができなかったようですね。
ということは、せっかくの音声多重放送を当時楽しめた子どもたちは数少ないって
ことですね。残念。
思い出すのが・・・
半纏やちゃんちゃんこなどで思い出すのが、
欽ちゃんのどーんとやってみようで「わらべ」として活動していた3人。
めだかの兄弟を歌う時はパジャマ姿ですが、冬はちゃんちゃんこを羽織って
いましたね。
つぎに、これは間違いなく思い出すでしょう。
「おしん」。
寒い雪の中、大根を川で洗ったり、幼子のお守りをしたり。
これこそちゃんちゃんこ。

そして、忘れてはいけないのが、
ちゃんちゃんこがマストアイテムの鬼太郎ですね。
黒と黄色のちゃんちゃんこが、一番似合うのが鬼太郎です。

最後に
綿入れ半纏が似合うタレントや俳優を調べていたのですが、
なかなか見つかりませんでした。
力不足・・・。
ドラマや映画でこたつを囲むシーンや冬の受験生と言えば、綿入れ半纏を着ている
ということが多かったと思うのです。
近年、ちょっぴり昭和を匂わせる役なんかで、若い女優が綿入れ半纏姿っていう
こともあるようですね。