梅川昭美は高校は中退しているものの読書家だったと言われています。
梅川は高校を半年で中途退学しつつも大の読書家で、三菱銀行人質事件ののちに自宅からたくさんの書籍があったというので特に独裁者ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、チャーチル伝記などをはじめ、哲学者など思想書や六法全書、経営学、医学書まで幅広く読まれていたようです。
中でも梅川昭美のスタイルからまさに憧れていたのだろうと思えるのはハードボイルド小説もあり、書籍の数は600冊以上あったということです。
 
学校にはろくに行ってはいなかったが様々な知識はあったのかもしれません。そして梅川はとても記憶力が良く、三菱銀行人質事件の際も人質の顔を名前をすべて覚えていた様です。
梅川が三菱銀行人質事件の際にすでに亡くなっている(のちにまだ生きていた)行員のとどめを刺すように指示した際に耳を切り落とさせますが、これは1976年公開のイタリア映画「ソドムの市」の一場面から模倣したものと思われます。
「ソドムの市って知っとるか、この世の生き地獄のことや。その極致を見せたる」「死人の耳を切る。あの儀式をするんや」と自ら言っていたということです。
ただこの「ソドムの市」という映画はこの世の生き地獄を描いたような内容で、この映画をみていたというだけではなくその内容を実際に実行させるというのは15歳の時の起こした強盗殺人事件で少年院送致にした時の広島家庭裁判所の言葉『病質的人格は既に根深く形成されて』が再びよみがえります。
三菱銀行人質事件の驚きの内容
日本でこれまで犯人が射殺された事件というのは1970年に起きた瀬戸内シージャック事件と1977年の長崎バスジャック事件そしてこの三菱銀行人質事件の3件だけです。
三菱銀行人質事件の始まり~経緯
・銀行に押し入り5000万円を要求
・応じず助けを呼ぼうとした行員2名を射殺
・すぐ逃げた客が偶然近くにいた警察官に通報
・駆け付けた警察官2人のうち一人を射殺
・逃げられなくなったと悟った時、「お前のせいだ」と支店長を射殺
・すぐに現場を包囲
・梅川が銀行出入口のシャッターを下ろさせ立てこもる
・女性に服を脱ぐよう順番を指示しストリップ感覚で楽しんでいた
・全裸の女子行員で人間バリケードと言われた肉の壁を作り自分の周りに立たせた
・全裸の女子行員に新聞を大声で読ませた
・気に入らない最年長行員に発砲し倒れた行員に対し、別の行員にとどめをさせと命令。
もうすでに死んでいる(助けるため)というと証拠に最年長行員の耳を切り取らせる
・トイレには行かさずカウンターの陰でさせた
梅川の当初の計画では銀行に押し入り、お金を奪い、すぐに立ち去る予定だったものがすぐに警察か駆け付けたことで予定が狂い、犠牲者を出し立てこもることになったことで行内で行われた内容です。
事件後、週刊誌などでは事実と異なる内容の記事も出回るなどし、後にも先にもこれまでにない事件として注目されました。
 
     
     
          



