映画「TATTOO<刺青>あり」は実際に遭った事件だった
ただ映画「TATTOO<刺青>あり」は実際の事件の詳細を描いたものではありません。
そしてこの映画は事件後に明らかになった事実として山口組の“3代目“として超大物・田岡組長を狙撃しその後、惨殺された鳴海清の愛人と三菱銀行人質事件の犯人・梅川の愛人が同じ女性だったというところから生まれた映画と言うことです。
主人公・竹田明夫の人物像
主人公の竹田明夫は、貧しい家に生まれます。
明夫が生まれた昭和の日本は貧しい生活を生まれが貧しく、ろくに教育も受けていないという生い立ちがあります。
お手本となる大人も近くにいなかったために獣の様に育ったと言っても言い過ぎではない主人公が描かれています。映画の中で母親だけは明夫に期待を持っていたという設定です。
映画で描かれている主人公の竹田明夫はギラギラいきっている”人物として登場します。
口癖の様に「どでかいこと」をいつかやってやろうというそのイキっている姿を宇崎竜童さんがうまく表現しています。
竹田明夫は威嚇のためにいれた刺青だが実は小心者でそれを隠すために逆に大口を叩く、そして暴力衝動に駆られ理不尽に女性に暴力を振るうその狂暴な性格は実際の事件の全容を知るとあまりに合致するキャラなことに嫌悪感を持つ人も少なくないかもしれませんね。
映画では人質立てこもり事件を起こすまでの竹田明夫を追った作品になっています。
映画で描かれている竹田明夫の人物像を一言でいうと虚栄(みえ)と劣等感(いじけ)の塊であるような男です。
自ら生きづらくしていったような人生であるとも言えるでしょう。誰かに認めてもらいたい、愛されたいという感情をまるで暴力でそう仕向けるしか手立てがないというか、術を知らない....それが主人公の竹田明夫です。
映画の評判
結局、マザコン男なんだなぁ。あの時代の凶悪犯は。と納得。 思い通りにならないと暴力に走る。その暴力の描き方もかなりどきつかった。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/148144/review/43/?c=3&sort=lrfTATTOO[刺青]ありの映画レビュー・感想・評価「マザコン」 - Yahoo!映画
TATTOO[刺青]ありの映画レビュー・感想・評価「殺伐感は有り」 - Yahoo!映画
1979年三菱銀行人質事件を起こした梅川昭美
梅川昭美少年時代の殺人事件
梅川昭美の両親は馬川が8歳の時に離婚し、はじめは父親の元で暮らしますが1年後に母と暮らします。しかし女手一つでの子育ては厳しく忙しかったために梅川は放任状態となり、中学校の頃にはすでに素行が悪かったということです。
一応高校に進学しますが4か月で退学します。
そしてすてに一人暮らしをしていた梅川昭美。15歳の時に元アルバイト先の社長宅に強盗目的で入り、社長の義妹(当時21歳)をメッタ刺し状態で殺害し、金庫を奪うという事件を起こします。
強盗殺人事件として逮捕されますが梅川が15歳という未成年だったため少年法の元、1年半中等少年院送致のみで終わっています。
本来なら死刑、または無期懲役の判決が少年法に守られた形です。
少年院送致で済んでしまったとはいえ殺人を犯したものがのち起こした人質立てこもり事件の際になぜ銃を持っていられたのか疑問にでるところです。
15歳の殺人事件の時に少年法第60条によって15歳の時の殺人歴が『銃刀法第5条の不許可条項に該当しなかった』と言う理由で梅川の猟銃所持許可が出てしまっていたのでした。
梅川が15歳の時の強盗殺人事件で広島家庭裁判所により少年院行きを命じるわけですが広島家庭裁判所は、審判の最後に次のようにつけくわえています。
梅川昭美が読んでいた本
梅川昭美は高校は中退しているものの読書家だったと言われています。
梅川は高校を半年で中途退学しつつも大の読書家で、三菱銀行人質事件ののちに自宅からたくさんの書籍があったというので特に独裁者ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、チャーチル伝記などをはじめ、哲学者など思想書や六法全書、経営学、医学書まで幅広く読まれていたようです。
中でも梅川昭美のスタイルからまさに憧れていたのだろうと思えるのはハードボイルド小説もあり、書籍の数は600冊以上あったということです。
学校にはろくに行ってはいなかったが様々な知識はあったのかもしれません。そして梅川はとても記憶力が良く、三菱銀行人質事件の際も人質の顔を名前をすべて覚えていた様です。
梅川が三菱銀行人質事件の際にすでに亡くなっている(のちにまだ生きていた)行員のとどめを刺すように指示した際に耳を切り落とさせますが、これは1976年公開のイタリア映画「ソドムの市」の一場面から模倣したものと思われます。
「ソドムの市って知っとるか、この世の生き地獄のことや。その極致を見せたる」「死人の耳を切る。あの儀式をするんや」と自ら言っていたということです。
ただこの「ソドムの市」という映画はこの世の生き地獄を描いたような内容で、この映画をみていたというだけではなくその内容を実際に実行させるというのは15歳の時の起こした強盗殺人事件で少年院送致にした時の広島家庭裁判所の言葉『病質的人格は既に根深く形成されて』が再びよみがえります。
三菱銀行人質事件の驚きの内容
日本でこれまで犯人が射殺された事件というのは1970年に起きた瀬戸内シージャック事件と1977年の長崎バスジャック事件そしてこの三菱銀行人質事件の3件だけです。
三菱銀行人質事件の始まり~経緯
・銀行に押し入り5000万円を要求
・応じず助けを呼ぼうとした行員2名を射殺
・すぐ逃げた客が偶然近くにいた警察官に通報
・駆け付けた警察官2人のうち一人を射殺
・逃げられなくなったと悟った時、「お前のせいだ」と支店長を射殺
・すぐに現場を包囲
・梅川が銀行出入口のシャッターを下ろさせ立てこもる
・女性に服を脱ぐよう順番を指示しストリップ感覚で楽しんでいた
・全裸の女子行員で人間バリケードと言われた肉の壁を作り自分の周りに立たせた
・全裸の女子行員に新聞を大声で読ませた
・気に入らない最年長行員に発砲し倒れた行員に対し、別の行員にとどめをさせと命令。
もうすでに死んでいる(助けるため)というと証拠に最年長行員の耳を切り取らせる
・トイレには行かさずカウンターの陰でさせた
梅川の当初の計画では銀行に押し入り、お金を奪い、すぐに立ち去る予定だったものがすぐに警察か駆け付けたことで予定が狂い、犠牲者を出し立てこもることになったことで行内で行われた内容です。
事件後、週刊誌などでは事実と異なる内容の記事も出回るなどし、後にも先にもこれまでにない事件として注目されました。