『グリーンレジェンド乱』とは?
『グリーンレジェンド乱』
『天地無用!』
『神秘の世界エルハザード』
といえば、1990年代の名作アニメに名前を挙げるユーザーは少なくないでしょう。あまりの人気ぶりに、どちらもその後に地上波アニメとしても制作されています。
結果的にメジャーな存在とまではならなかったレーザーディスク。しかし、デジタルコンテンツの先駆けとして、ハイレベルな映像クオリティーを実現できるといった特性を活かした作品はいずれも秀作ばかりです。
今回の記事では、その第一作目として制作された『グリーンレジェンド乱』の内容を振り返っていきます。
『グリーンレジェンド乱』の本編動画・ストーリー
『グリーンレジェンド乱』の魅力とは?
宮崎アニメと類似するところが多い
主人公の少年・乱と、不思議な能力をもつヒロイン・アイラの組み合わせは、
『未来少年コナン』
『天空の城ラピュタ』
といった宮崎アニメを思い浮かべてしまう展開だといえるでしょう。こちらの名作が好きだというミドルエッジ世代には堪らないと思います。
アイラが捕らわれの身となってしまい、そのために救出に向かう乱といった構図はまさに両者に共通するところといえそうです。この他にも、小型のホバークラフト、砂上を航行する船といった乗り物の存在も未来的で、『未来少年コナン』『天空の城ラピュタ』の世界観に近いです。
こららと相違するところがあるとするなら、水や植物が失われた世界が舞台となっていて、瑞々しさのない設定には『グリーンレジェンド乱』の個性を感じられます。
とくに水は貴重な資源として扱われていて、
『北斗の拳』
こちらに近い印象を抱きます。渇きという要素にもスポットが当たっていて、行き倒れが死に直結する緊張感もストーリー展開を面白くしていますね。
レジスタンス組織・ハザードの名前が意味するもの
ハザードの意味を調べてみると、
といった意味合いになり、『グリーンレジェンド乱』に登場するレジスタンス組織とは少し違うものですよね。
おそらく、このジハードという言葉からハザードという名称を考えたのだと思われます。そう考えてみると、ロドー教の侵略行為に抵抗するという目的をもちながら、最高指導者の牙がみせる急進的な姿勢・行動にも納得がいきますよね。
そもそもの諸悪の根源でもあるロドー教といった存在からもいえることですが、意外と反宗教主義を打ち出しているようにも思えてきます。
わが子を愛する親の愛情が堪らない
本来はサプライズ要素なのかもしれませんが、その事実を踏まえて、それぞれのやりとりを見ていると、節々からジークの父親としての愛情が見て取れます。自分とそっくりな無鉄砲な性格に手を焼きつつ、優しく諭している姿はグッとくるものがあります。
わが子の未来のためにと、ジークが見せる思いやりや、自らの生命を顧みずに目的を成し遂げようとする姿は堪らないです。エロおやじというような人間味を醸し出しつつ、その根底には揺るがない信念が垣間見えるのも格好良いですね。
『グリーンレジェンド乱』のまとめ
パイオニアからレーザーディスクの普及のためにと制作された『グリーンレジェンド乱』。
当時はVHSでも発売されましたが、『天地無用!』『神秘の世界エルハザード』などの作品の人気ぶりに打ち消され、結果的には時代に埋もれてしまいました。
しかし、その内容を振り返ってみると、『グリーンレジェンド乱』には『未来少年コナン』『天空の城ラピュタ』といった宮崎アニメの人気作にも劣らない面白さがあります。反宗教主義というようなテイストも感じられるのも物語を深くしているし、わが子を愛する父親の愛情にも胸を熱くします。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になって、その面白さを存分に堪能していただければと思います。