爆発的人気だったファービー人形
1999年の5月に発売され、爆発的な人気を起こした「ファービー人形」を知っていますか。
ファービーはその前年にアメリカのTiger Electronics社が開発し発売した、フクロウのおもちゃです。
当時はまだ「電子ペット」「ペットロボット」という名称もありませんでしたが
人とコミュニケーションをとることで性格が変わっていく、育成型という点が新しく
1998年末、アメリカのクリスマス商戦で300万個を売り切りました。
日本では、トミー(現タカラトミー)が翌年2月に英語版のテストセールスを実施、徹夜で並ぶ人も多く、1000個を2~3時間で完売したそうです。
その後日本語版が5月末に販売開始となり、初代ファービーは5か月で200万個、総計で320万個の販売を達成しました。
リカちゃん人形が発売から50年で6000万台セールスされていることを考えると
5か月で200万台は驚異的な数字だということがわかると思います。
ちなみに、同じころ、ソニーから「aibo」も発売されていますが、ファービーは1998年、aiboは1999年で、ファービーの方が若干発売が早かったんですね。
ファービーはしゃべる!歌う!眠る!

1999【ファービー】70-800★レオパード×ヒョウ柄×グレー目
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ファービーには、ファービー語といわれる言語、歌、踊り等のプログラムが内蔵されていて
こちらからのアクションにこたえて、多彩な反応を見せるようになっていました。
しゃべる
ファービーには「ファービー語(Farbish)」と呼ばれる、約800の単語がプログラムされています。
「ファービー語」は英語、日本語、中国語、タイ語をミックスして作られているそうで、言語学者でファービーの生みの親でもあるデイブ・ハンプトン氏によって製作されました。
たとえば「オー・ケイ」は「OK」
「メイ・ラー」は「抱っこ」
「ドゥ・モー」は「どうぞ」
というように、単純な音声で聞き取りやすい言葉で作られています。
もちろん最初は何を言っているかわかりませんから、「ファービー語辞典」が
取扱説明書と一緒に同梱されていて
それを見ながらファービーと会話をしていくことになるわけです。
歌う
ファービーの音声には個体差はないようですが、それなりに幅のある音階が出せるため
大量のファービーを使ってオルガンを作ってしまったマニアもいるようです。
ファービーは踊ることもできるということなのですが、初代はせいぜい耳をばたつかせ、体を傾けるるくらいですね。
後年発売されるファービー2やファービーコネクトは、うなずいたり首をすくめたり、もう少し多彩な動きができるようになっているようです。
眠る
ファービーとのコミュニケーションのポイントの一つに「眠らせる」というのがあります。
部屋を暗くして、額に手をかざすと、ファービーは眠くなってきて、マブタを閉じて眠ってしまいます。
「眠いよー」と言いつつなかなか寝ないコもいるようですが。
もう夜だから早く寝てほしい、もしくはちょっと静かにしていてほしい時に、なかなか眠らないファービー対策用に
「ファービーおやすみベッド」なるものも販売されていました。
つまりこういうものの需要があったということですよね。
育て方で性格も変わる
ファービーには5種類7つのセンサーが内蔵されていて、それらを刺激することで反応し、刺激の偏りで性格が変わっていくと言われています。
耳のセンサー
音に対する刺激を受け付けます。
ことばがけに対しての反応はもちろんですが、音の大きさや静かさについても反応します。
大きい音を聞かせると「うるさい!」と返答するようです。
また、音楽を聞かせると、リズムに合わせて耳を動かしたりもします。
額のセンサー
額には2種類のセンサーがついています。
光センサーは明るさを感知します。暗くなると眠り、明るくなると起きます。
もう一つは赤外線センサーで、ファービー同士で対話ができるようになっています。
舌のセンサー
舌にはタッチセンサーがあります。
「お腹空いた」とファービーが言ったときに、口を開けて舌を触ったり押したりすると
何かを食べた、という認識になるようで
お腹がいっぱいになるとゲップをします。
お腹のセンサー
お腹にもタッチセンサーがあり、くすぐったり押したりすることでコミュニケーションを取ります。
自分からも「くすぐって」と要求したりします。
とても犬っぽい可愛がり方ですね。
背中のセンサー
こちらも同じくタッチセンサーで、なでてあげるととても喜びます。猫のように喉を鳴らしたりもします。
本体のセンサー
本体には振動センサーが入っています。
抱っこしたり、ゆすったり、逆さにしたり、を感知します。
眠っているファービーをゆすったり逆さにすると起きるそうですが、眠いとまた眠ってしまうことも。
これらのセンサーからの反応がほどよい刺激だと、愛嬌のあるラブリーなファービーになり
乱暴に扱うと性格の悪いファービーになると言われています。
また、長時間にわたり頻繁にコミュニケーションを取っていると
最初は意味の分からないファービー語しか話さなかったファービーが
だんだんと日本語を話すようになっていきます。
日本語版のファービーの場合、約800語あるファービー語のうち、4割はファービー語、4割は日本語、残りの2割はゲップやいびきなどの生活音だそうです。
初代ファービーのその後
パチモンがいっぱい
これだけ人気のあるおもちゃだからこそ、疑似商品も数多く出回りました。
本物が入手できず、仕方なくパチモンを購入した人も多くいたかもしれませんね。

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ファービーの進化
本家ファービーは、その後2回進化をとげています。
2005年10月に、当時の最新機能を盛り込んで進化したファービー2が、2012年10月にはトミーからタカラトミーに変わり、2012年版ファービーが発売されました。
2012年版は目に液晶を採用、スマホとの連動が可能で、より多彩なコミュニケーションが取れるようになっています。

ファービー 日本語版 ミントドロップ
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現在アメリカでは「ファービーコネクト」という最新ファービーが発売されています。
言葉の数が増え、目の表情も多くなり、アプリでのアップデートもできるそうで
今どきのAIペットという感じですね。
残念ながら、日本での発売は未定とのことです。