『スクーパーズ』とは?
小説・漫画といった原作を映像化したものではなく、完全オリジナルで制作されたアニメです。近未来の世界を舞台にストーリーが繰り広げられ、特ダネを追う女性ジャーナリスト・ヨーコとアンドロイドの相棒・ビートの活躍を描いたSFアクションとなっています。
『スクーパーズ』の本編動画・ストーリー
ある日、プライベート・アイズ新聞社に一本の電話が入り、一連の事件の黒幕だとウワサされているミスターXの情報を握っているという人物から情報提供の申し出があります。記者として事件を追っていたヨーコ、その相棒にしてカメラマンのビート、二人はさっそくその人物との待ち合わせの場所に向かうのでした。
情報提供者はキャメロン博士で、科学分野の研究・開発における第一人者。ヨーコがキャメロン博士から情報を聞き出そうとした矢先、一同はミスターXの部下であろう男たちの襲撃に遭い、キャメロン博士は凶弾に倒れてしまいます。
なんとか逃げ延びることができたヨーコとビート。死ぬ直前にキャメロン博士から、ミスターXの本拠地の場所を聞き出していたため、今度はこちらからミスターXが潜伏しているというテクノランドに乗り込んでいくのでした…
『スクーパーズ』の魅力とは?
モンキー・パンチさんの脚本&キャラクターデザイン
モンキー・パンチさんといえば、やはり…
『ルパン三世』
こちらのコンテンツが最も有名ですよね。世紀の大泥棒を主人公に据えるといったストーリー性は、現在も多くのファンに愛されています。『スクーパーズ』のキャラクターや作画からも、『ルパン三世』に見られるようなテイストが感じられるのは嬉しいですね。
抜群のプロポーションをもつ金髪美女のヨーコは、どことなく…
峰不二子 /『ルパン三世』
こちらを彷彿とさせるものがあります。ヨーコは男勝りで、峰不二子のように色香を振りまくタイプではありませんが、わがままぶりを周囲を振り回しているところは少し似ているかもしれません。
アンドロイドとして圧倒的なパワーを発揮するビートは…
ルパン /『ルパン三世』
こちらのスーパーヒーローといった印象を感じさせるキャラクターです。両者には女好きという共通点もあり、ルパンと峰不二子の関係性にも似たものがあります。
『ルパン三世』と違うのは、主人公に女性のヨーコを据えているところ。ビートはヨーコというお姫様を守るナイト的な役割を果たしていて、『ルパン三世』とは真逆になっているのは少し新鮮さがあって面白いです。
モンキー・パンチさんは『ルパン三世』以外にも数々のコンテンツを手掛けていますが、女性を主人公に据えたものは少ないので、そういう意味でも『スクーパーズ』は希少性のある作品といえるかもしれません。
3DアニメーションとCG技術
革新的な取り組みとして、3D・CG技術を駆使したアニメーションという部分も見逃せないポイントだといえるでしょう。現在の技術水準と比較すると、『スクーパーズ』のものは決して褒められたものではありません。
今なら、この頃の3D・CG技術はこんなにも低かったのだと笑い話にもできますよね。
そういった意味でも『スクーパーズ』の革新的な取り組みは評価できるものですし、失敗を恐れなかった制作側の姿勢は素晴らしいといえるのではないでしょうか。
他作品からの影に響が見られる世界観・設定
1980年代の後半といえば、数多くのSFアニメが登場した時代です。
『機動戦士ガンダム』
こちらにに代表されるようなロボットものや、
『スペースコブラ』
『ダーティペア』
こちらに代表されるようなヒーロー・ヒロインものなど、数々の名作が生み出されました。
未来都市を舞台に描いた『スクーパーズ』も、そんな当時の作品の影響を受けて制作されたものといえるでしょう。
『スクーパーズ』の本編の中には、
『Dr.スランプ アラレちゃん』
こちらを彷彿とさせるような、バラバラになって生首状態となったビートが普通に会話するような場面もありました。
この他にもこういった要素はありますので、視聴しながら、それらを探してみるのも『スクーパーズ』の楽しみ方のひとつですよ。
『スクーパーズ』のまとめ
モンキー・パンチさん原作のOVA作品『スクーパーズ』。時代に埋もれてしまいながらも、その魅力が失われることはないでしょう。名作『ルパン三世』と類似するところもありますが、女性キャラクターを主人公に据え、ジャーナリズムをもってを巨悪と戦うといったところは面白いです。
1980年代後半、当時の3D・CG技術も必見です。さらには、他作品のインスパイア要素が本編の端々で見られるので、こちらにも注目なさってくださいね。記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になり、モンキー・パンチさんの世界観をお楽しみいただければと思います。