「八代将軍吉宗」の放送時期
「八代将軍吉宗」は1995年に放送された大河ドラマです。前の作品は「花の乱」、次の作品は「秀吉」でした。
この頃、大河ドラマを1年放送ではなく、朝ドラと同じように半年放送に使用という動きがありました。1993年から1994年まで半年クールにするように調整していたのですが、不評だったため9月に終了する予定だった「花の乱」を12月まで放送し「八代将軍吉宗」からはまた1年放送に戻ったのです。
3作品で「半年放送はダメ」と判断するのも早いんじゃないかという気もしますが、やはり大河ドラマといえば1年放送のイメージがありますよね。1年かけて壮大なドラマを描いてほしいです。
総集編のDVDが発売されていますが完全版はありません。現在のところ配信もされていないのでいつか完全版が配信、もしくは発売されるといですね。
「八代将軍吉宗」のキャストとスタッフ
「八代将軍吉宗」の主演は西田敏行さんですが、他のキャスト、そしてスタッフも見てみましょう。
「八代将軍吉宗」のキャスト

「八代将軍吉宗」のキャストはこのようになっています。1年放送ということもありキャストが多いですし、豪華ですね。
主演の西田敏行さんはこの時48歳でした。西田さんが大河ドラマの主演をするのは1990年の「翔ぶが如く」以来2回目です。短期間で2度も主演を務めたんですね。
青年期以降の吉宗を西田さんが演じています。ちょっと青年というのは無理があるような気もしますが、時代劇だとあまり気になりませんね。
ちなみに、この作品で西田さんが登場したのは9話から。それまでは幼少期、少年期で別の役者さん3人が演じていました。大河ドラマの中では幼少期、少年期をじっくり描かれた作品になります。
2番目に登場したのは2代目尾上松也さん。10歳の時にこの作品に参加されていたんですよ。小さい頃の尾上松也さんを見たい方は要チェックですね。
吉宗の父は大滝秀治さん、母は山田邦子さんが演じています。山田邦子さんの方が西田さんより若いのでびっくりしました。吉宗の正妻は山崎直子さん。側室は賀来千香子さん、黒木瞳さん、細川ふみえさん、海野圭子が演じています。色んなタイプの美人が妻、正妻を演じていたんですね。
五代将軍徳川綱吉は津川雅彦さん、六代将軍徳川家宣は細川俊之さん、7代将軍徳川家継は中村梅枝さんが演じました。
ナレーターは江守徹さん。浄瑠璃作家の近松門左衛門の役でこの役としてナレーションも担当されています。自分の作品が帰省されたため、「将軍家のお家事情をつまびらかにし、頭の堅い役人に一泡吹かせる」という設定でナレーションをされています。ナレーションだけでなくパネルなどを使って分かりやすく歴史を説明していましたよ。
近松門左衛門は劇中で亡くなりますが、その後も幽霊として度々登場するという大河ドラマにしては珍しい演出でした。近松家の小女役の遠野凪子さんは近松のアシスタントとしてフリップを出すなどの活躍をしていました。これも珍しい演出ですね。
ちなみに、放送中に第17回参議院議員通常選挙開票があり、1回放送が休止になりました。その前の週のナレーションでは江守徹さんが選挙に行くように呼び掛けていました。さらに最終回では最近選挙の投票率が伸び悩んでいることを嘆いていました。
この江守さんのナレーションがこのドラマを彩っていたことは間違いないですね。
脚本はジェームス三木

「八代将軍吉宗」の脚本はジェームス三木さん。ジェームスさんが大河ドラマの脚本を担当するのは1987年の「独眼竜政宗」以来でした。「独眼竜政宗」は原作小説があったのですが、こちらは完全オリジナル作品です。
だからこそ、ナレーションに遊びを持たせられたのもあるかもしれませんね。その後ジェームスさんがノベライズ本も発売されていますよ。
「八代将軍吉宗」のあらすじ

「八代将軍吉宗」は五代将軍・綱吉の元禄時代から吉宗の晩年を描いた作品です。タイトル通り、徳川吉宗の生涯を描いています。
御三家・紀州徳川家の四男として生まれ、江戸幕府の八代将軍となり、享保の改革などを行った吉宗。「幕府中興の祖」と呼ばれた人物ですね。
直近の三作品「琉球の風」、「炎立つ」、「花の乱」は今まで大河ドラマで扱っていなかったテーマや時代を扱った作品。それで視聴率が低迷していたのでやはり王道の幕末や戦国時代ではないとだめなのかと思っていた人も多いと思います。「八代将軍吉宗」は江戸時代中期、という大河ドラマではあまり描かれていなかった時代を扱っていますが高視聴率だったんですよ。時代だけが原因ではないということですね。
戦闘が多い戦国時代や幕末に比べ、江戸時代中期は政治が中心。どうしても派手さはないですよね。ですが、「吉宗のホームドラマ」という仕立てにして視聴者を取り込んでいます。ある時はコメディ、ある時はシリアスというメリハリもよかったのでしょう。後半は尾張藩主・徳川宗春との対決の他、3人の息子に頭を悩ませる父親としての姿も描かれているんですよ。色々な視点で楽しめるドラマですね。