ファミコンソフト【4人打ち麻雀】の概要
4人打ち麻雀は、任天堂より1984年11月2日に発売されたファミコンソフトです。
タイトルの通り、ゲーム内容は麻雀でジャンルとしてはテーブルゲームにカテゴライズされています。
ゲーム開発元は※ハドソンなので、任天堂とハドソンという大手2社が関わったゲームとしても有名です。
※詳しくは後述
ファミコンソフト【4人打ち麻雀】のゲーム内容・プレイ動画
4人打ち麻雀のゲーム内容は非常にシンプル。
タイトル画面で※食いタンの有無だけを設定したら、あとは淡々とツモる・捨てるを繰り返して麻雀そのものを楽しむ内容となっています。
※麻雀のルールの一つ。他人の捨てた牌を利用して特定の役を上がる事を認めるかどうかの取り決め
実際にどのような内容になっているのかは、プレイ動画をご覧になると良く判ります。
4人打ち麻雀で最も印象的なのが、縦に4人分の手牌・捨て牌が表示されゲームが進行していく点にあります。
通常、麻雀ゲームと言えばリアルと同じように4人が卓を囲む形で進行しますが、ファミコン初期時代はこんな形で表示されていたのです。
BGMもオープニング時と局の終了時に簡素な音楽が流れる以外は無音。
牌を捨てる時の電子音と、リーチやポン・チーといったアクションを起こした際の効果音のみで淡々と進んでいきます。
ファミコンソフト【4人打ち麻雀】とジャン狂の関係性
冒頭で、任天堂が発売元で開発を担当したのはハドソンであるとお伝えしましたが詳しい経緯を解説します。
実は4人打ち麻雀とは、ハドソンが開発・販売したあるソフトをファミコンへと移殖して任天堂が売り出したソフトとなっています。
元となるゲームのタイトルは「ジャン狂」で、1983年にハドソンがPC用ゲームとして開発・販売したソフトです。
ちなみに、元ネタのジャン狂とはどんなゲームだったのかを見てみましょう。
比較してみると、この二つがほとんど一緒である事が良く判ります。
1980年代は、まだまだパソコンの普及率は低くジャン狂の認知度もそれほど高くありませんでした。
一方で、ファミリーコンピューターも様々な世代に受け入れられるゲーム機を目指して試行錯誤していました。
PC用に開発したソフトをもっと売りたいハドソンと、様々な世代にアプローチしたい任天堂。
ゲーム大手2社の思惑が合致して、4人打ち麻雀はファミコンソフトとして多くのユーザーにウケて日の目を見る事になったのです。
ファミコンソフト【4人打ち麻雀】はどれだけ売れた?
任天堂が発売した「4人打ち麻雀」は、どれくらいの売上を記録したのでしょうか。
結論から言えば、累計で145万本というファミコンソフトの歴代売上史上に残る大ヒットとなっています。
任天堂が最初に出した麻雀ソフト「麻雀」も4人打ち麻雀を凌ぐ大ヒットを記録していて、まさにファミコンを世に浸透させる大きな礎を築いた2作品と言えそうです。
なぜ、ここまで大ヒットを記録したのかについては「麻雀」に関する記事で詳しく考察していますが簡潔にまとめると
・購買の決定権を持つ大人をターゲットにした戦略
・当時の麻雀ブームという追い風
こうした任天堂の販売戦略と社会のブームがかみ合った事がミリオンヒットに繋がっていると考えられます。
ファミコンソフト【4人打ち麻雀】に関する小ネタや思い出
4人打ち麻雀に関連する小ネタや思い出などをまとめて紹介します。
4人打ち麻雀の小ネタ①オープニングクレジット
発売元は任天堂でも、開発はハドソンという経緯を知っていれば全く不思議には思わないのですが、4人打ち麻雀のタイトル画面には下記のようなハドソンのクレジット表記があります。
1984 HUDSON SOFT
ジャン狂のファミコン移殖ゲームなので、当然の表記ですが「任天堂なのにハドソン??」と不思議に思ったユーザーも居たようです。
4人打ち麻雀の小ネタ②セレクトボタンを押すと・・
こちらはゲーム内容での小ネタ。
4人打ち麻雀では、プレイ中にセレクトボタンを押下すると相手の手牌が見えるという小ネタが仕込まれていました。
麻雀を知らない方向けに説明すると、これは「ババ抜きで相手のカードを見る」のと同じこと。
ババ抜きとは違い、運によっては負けてしまう事もありますがこの小ネタを使う事でかなり簡単に勝利する事が出来る仕様となっていました。
この機能は単なるイージーモードという訳では無く、麻雀において重要な「捨て牌から相手の待ちを読む」ための練習にも一役買っていて、使い方によってはゲームを通じて麻雀の技術を向上させる事も出来た小ネタです。
4人打ち麻雀の思い出あるある
最後は、ファミコンソフト【4人打ち麻雀】に関する思い出を簡単にまとめてあるある形式でまとめてみました。
〇親にファミコンを独占されてしまう
⇒子供ながらに麻雀を覚えて遊んでいた方も居ると思いますが、大抵の場合は親(特にお父さん)が自分用に購入しています。
そのため、ゲームをやっていると父親が順番待ちでソワソワしたり場合によってはゲームの占有権でモメる事もしばしば。
〇眠くなるor寝落ちする
⇒筆者の実体験でもありますが、BGMもなく単調な電子音とシンプルなゲーム性ゆえに疲れてくると非常に眠くなります。特に、親や友人がプレイしているのを横で見ていると催眠術にかけられているかの如く睡魔に襲われます。
〇ゲーム没収の危機を救ってくれる
⇒ファミコンばかりやって勉強をしない。これが当時の教育ママ(死語ですかね)の大きな悩みでした。
あまりにもゲームばかりしていると、ファミコンを没収されそうになったものですが麻雀やりたさに父親が擁護してくれるケースも(笑)
〇麻雀を覚える入門書
⇒父と子のコミュニケーションツールとしても役立ったのが麻雀や4人打ち麻雀でした。
麻雀をゲームで覚える時代の先駆けでもあり、4人打ち麻雀を入門書代わりに麻雀を覚えた人も多いのではないでしょうか。
麻雀ゲームという当時は異色のジャンルだったからこそ、父子で楽しんだり麻雀を覚えたりという楽しみ方が出来るゲームでした。
思い出は世代ごとに異なるとは思いますが、4人打ち麻雀は幅広いファミコン世代の思い出に残る名作の一つとして素晴らしいゲームだったと筆者は思っています。
まとめ
ハドソンが開発し、任天堂が発売した4人打ち麻雀。
145万本もの売上本数を誇り、当時の大人もハマるシンプルながら味わい深い麻雀ゲームは、古き良き昭和の思い出として語り草にする方もいるのではないでしょうか。
麻雀などに代表されるボードゲームジャンルは、時代に左右されず令和となった今でも普通に楽しめる点も良いですよね。
相手の手牌を覗けるシステムを考えれば、令和の今でも麻雀の練習ソフトとして活用できるかもしれませんよ。
以上、ファミコンソフト「4人打ち麻雀」に関する情報や思い出をお届けしました。
最後までお読みいただきありがとうございます。