「寅さん」シリーズだけじゃない!! 日本映画界の第一人者である山田洋次という人物

「寅さん」シリーズだけじゃない!! 日本映画界の第一人者である山田洋次という人物

「男はつらいよ」や「幸福の黄色いハンカチ」などで有名な山田洋次監督。しかしそれだけの器で済まないのがこの方の凄さ!! 今回はその功労を讃えつつ、彼の人となりを紹介していきたいと思います。


「男はつらいよ」シリーズの合間を縫ってシリアスな作品のオリジナル脚本なども発表され、いずれも高評価されるようになり、山田洋次という人物の映画作家としての地位が確立されてきます。

倍賞千恵子による「民子」シリーズ第1弾「家族」

1970年、松竹。

倍賞千恵子を「民子」という役名で起用した【民子3部作】の第1作目です。
※【民子3部作】とは1970年の「家族」、1972年の「故郷」、1980年の「遥かなる山の呼び声」のことをいいます。
長崎県の小島を離れ、北海道の開拓村まで旅する一家の姿を当時の日本の高度経済成長期を浮かび上がらせたシリアス路線の作品です。

憧れの高倉健と倍賞千恵子による「幸福の黄色いハンカチ」

1977年10月1日公開。
高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり、渥美清など豪華キャストで望んだ作品です。
この作品は、第1回日本アカデミー賞をはじめ、国内における同年の映画賞を総なめにしました。

この作品も説明は不要でしょう…。
新車を買った欽也が北海道をドライブし、途中で一人旅の美女・朱美をナンパして2人で旅を続けます。そこに、出所したばかりの中年男の勇作が加わります。
そんな中で勇作が「自分を待ってくれているなら、家の前に黄色いハンカチを掲げてしてくれ」と、妻に手紙を出していたことを打ち明けます。
果たしてその結果は…。

頑ななまでに貫く松竹大船調イズム

写真は東劇ビル。松竹本社及び関連部署、子会社と上映館が入居しています。

松竹に入社以来、一貫して大船撮影所(※)のみで仕事を続けていました。期間とすれば、同撮影所の閉鎖まで47年間となります。また、その後の京都撮影所を含めると50年以上となります。
助監督から監督にかけての同一企業映画への連続従事という点では、これを上回る記録は海外でも見当たりません。

※1936年1月15日から2000年6月30日まで神奈川県鎌倉市大船にあった映画スタジオです。
現在この場所は鎌倉女子大学と鎌倉女子大学短期大学部の大船キャンパスとして使用されています。

第二の故郷と言うべき場所にはこんな建物も

写真は1997年11月16日に開館した「葛飾柴又寅さん記念館」です。
2012年12月15日に併設される形で「山田洋次ミュージアム」がオープンしました。

2012年12月15日にはその功績が讃えられ、葛飾柴又の「寅さん記念館」に併設される形で「山田洋次ミュージアム」がオープンしました。

山田洋次の名言・格言

・人間が人間らしく生きることが、この世の中にあっては如何に悲劇的な結末をたどらざるを得ないかということを、笑いながら物語ろうとしてるんです。

・青春時代にいくつほめられたかで、人間の人生は決定するような気がする。

・一生懸命さとか、誠実さなどは、単なるコトバではなく、真剣な表情で、情熱をあらわにした行動からなのです。

まだまだありますが、彼はひたむきに高い目標に近づくべく懸命に努力することを目指すべきだと語っています。

変わらずの人情味あふれる作品作り

渥美清の死後、「男はつらいよ」は完結を迎えますが、それに屈せずその後も精力的に作品を製作していきます。
「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「武士の一分」などの時代劇や「母べえ」「おとうと」など未だにその手腕は衰えていません。むしろ磨かれているように見えます。

山田洋次監督の作品には初期から今を通じて、喜劇作であれシリアス路線であれ全ての作品に、人間臭さと人情が表されていて、流れ者や逸脱者が多いのもきっとシベリアからの引き揚げ体験が影響されているものだと思われます。
その才能をこれからも世の中に広く伝えてくれる作品を製作していってくれるものと信じてやまない次第です。

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