「寅さん」シリーズだけじゃない!! 日本映画界の第一人者である山田洋次という人物

「寅さん」シリーズだけじゃない!! 日本映画界の第一人者である山田洋次という人物

「男はつらいよ」や「幸福の黄色いハンカチ」などで有名な山田洋次監督。しかしそれだけの器で済まないのがこの方の凄さ!! 今回はその功労を讃えつつ、彼の人となりを紹介していきたいと思います。


1931年9月13日生まれ、大阪府豊中市出身です。
2歳で満州に渡り、少年期を過ごしました。終戦後の1947年に大連から日本に引き揚げてきました。
1954年、東京大学法学部卒業し、新聞社勤務を経て松竹に入社しました。
「家族のあり方」をテーマにした作品が多く、その思いはデビュー作から今日まで変わることがありません。

初監督となるコメディ映画「二階の他人」

1961年12月15日公開、上映時間は56分です

土地を購入し、家を新築した夫婦がローン返済のために2階部分を下宿として間貸しします。
その下宿先を間借りしてきた様々な住人とのいざこざを面白おかしく描いた物語です。

地味な存在から松竹大船調路線の後継者へ

大島渚、篠田正浩、吉田喜重など気鋭の新人がヌーヴェルヴァーグ(新しい波)として松竹で活躍している時代に山田洋次はいささか地味な存在となっていました。
その後、ヌーヴェルヴァーグ派が松竹から独立する中、彼はコメディを中心とした作品を製作して企業内監督の道を進みました。

1963年、松竹。山田洋次監督の2作目の作品

生涯のコンビ、倍賞千恵子との出会い…「下町の太陽」

主人公の町子は東京下町の工場で女工をしており、同じ工場の事務職員の道男と付き合っていました。彼は正社員になるべく、日々勉強に励んでいました。
ある時、主人公に対し鉄工所で働く若者グループの工員・良介から強引に付き合うように言われますが、不良のようなグループを毛嫌いして断ります。
そんな矢先に、主人公の弟が万引事件を起こしてしまいます。
それに対して、見下したような反応をする道男、かたや弟が兄のように慕っている良介…。
そんな男二人の間で次第に揺れ動く町子の気持ち…。果たして町子が取った行動とは?

1941年6月29日生まれ、東京都西巣鴨出身

映画作家としての地位を固めていく中で、山田氏にとって実に六十数本で主演、準主演を務めている倍賞千恵子とのコンビについては海外でも殆ど例を見ない長期の監督・女優コンビです。
後にあるインタビューで、「たくさん女優さんはいるけど本当にプロと言える女優さんは少ない。倍賞さんはその少ない方のプロです」、「この人(倍賞)は佇まいが良い人、立っているだけで良い人なんです。どういう風に言えば良いかわからないけれど、歩いているだけで表現できるっていうのはなかなかのものだよ」と倍賞千恵子に面と向かい称賛しています。

初期作品に欠かせない存在のハナ肇

1964年、松竹。「馬鹿シリーズ」の第1作目です。
山田洋次監督が自分のスタイルを確立するきっかけとなった作品です。

シベリア帰りの安五郎が、瀬戸内の小さな町の淨念寺に転がり込みます。住職の長男の妻・夏子に一目惚れをします。やがて町の人気者となり、町のボスとして君臨します。しかし町の勢力を革新派が握ったことから人々から冷たい目で見られ、淨念寺も出入り禁止となってしまいます。
そんな時に誘拐事件が発生、名誉挽回のチャンスと誘拐犯を追いかける安五郎ですが…。
ただただ夏子に褒めてもらいたい…それが安五郎の原動力なのが泣ける作品です。

テレビドラマを経て、ついにあの名作シリーズへ!!

「馬鹿」シリーズを経て、その後はテレビドラマの脚本などを担当するようになった山田洋次監督でしたが、ヒットには恵まれない状態が続きました。
しかし、1968年の連続テレビドラマ「男はつらいよ」の原案・脚本を担当します。1969年に松竹で映画化されることになり、のちに50年間で50作が製作されるようになるとは、この時はまさか思っていなかったでしょう。

シリーズ第1作目は1969年8月27日に公開されました。
この映画で、山田洋次監督は第24回毎日映画コンクール監督賞を受賞しました。
また、世界一の長編シリーズとしてギネス世界記録国際版にも認定されています。

改めて説明もいらないでしょうが…。
テキヤ稼業の「フーテンの寅」こと車寅次郎が、故郷・葛飾柴又に戻ってきては毎回大騒動を起こしますが、そこに旅先で知り合う「マドンナ」との恋愛事情も絡めた人情喜劇です。

脚本家としての才能も開花

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