底辺過ぎる歌詞が話題となった長渕剛の「英二」!!
日本を代表するフォーク&ロックシンガー、長渕剛。「順子」「乾杯」「とんぼ」といったヒット曲を多数輩出した長渕ですが、1997年に「英二」という楽曲を発表したのを皆さんご存知でしょうか?この記事では、同曲及び1999年公開の同名映画などを振り返ってみたいと思います。
長渕の視点から「英二」への思いを込めた鎮魂歌!
そもそも「英二」とは誰のことなのでしょうか?英二とは、長渕が1988年に出演したテレビドラマ「とんぼ」の主人公・小川英二のことであり、長渕自身がその役柄を演じました。暴力団八田組の若頭であった英二は、曲がったことの大嫌いな性分から、世の中にはびこる間違った物事に対し激しくぶつかり、時にはテレビドラマらしからぬ暴力シーンなども話題に。この英二のキャラクターは長渕の当たり役となり、ドラマ「とんぼ」を通じて長渕はミュージシャン、そして役者としてのカリスマ性を獲得するに至ったと言われています。
実際に歌詞を見てみましょう!
こちらが「英二」の歌詞の一部になります。汚い公衆便所で用を足す、心身ともに不健康なゴロツキ(長渕)の絵面がリアルに描写されており、そんな社会の底辺を生きる男が英二、英二と呟きます。長渕にとっての分身であり、親友でもある「英二」がドラマの最終回で絶命してからおよそ10年の歳月が過ぎていた当時。「二人、あの町へ行こう」と、再び英二と歩き出したいという気持ちを込めた歌詞は、長渕なりの英二へのレクイエムであると言えるでしょう。
1997年、「英二ふたたび」がドラマ化!!
「英二」が発表された同年の1997年には、スペシャルドラマ「英二ふたたび」が放送されました。これはドラマ「とんぼ」の8年後を描いた続編という位置付けの作品であり、「とんぼ」の最終回で死亡したと思われていた英二が復活。世知辛い世の中に反抗していく性分はそのままに、8年間の歳月で成長した英二及び長渕を拝むことが出来る傑作に仕上がっていました。
1999年、さらに映画が製作される!!
さらに、1999年には長渕の主演映画第3弾としてヤクザ映画「英二」が公開されました。これはドラマ「英二ふたたび」のその後を描いた作品であり、前作・前々作を踏襲した、人間味の溢れる英二の姿や暴力シーンなどが話題に。長渕の役者人生における集大成的な作品となったものの、監督・黒土三男と長渕が演出面で対立し、これ以降新たな「英二」が制作されることはなくなりました。