印象に残るボルテスVのオープニング
注目すべきなのはメインボーカルを堀江美都子が担当していることで、これはロボットアニメでは前例がなく、後にインタビューで堀江美都子も躊躇したとコメントしています。
現代のロボットアニメは主題歌が女性ボーカルのことも多いですがが、本作はその先駆け的な存在といえます。
超電磁マシーン ボステスVのストーリー
地球から14,000光年離れたボアサン星では、角の生えた人間は、角のない人間を隷属的に扱う貴族社会として成り立っていました。ボアサン帝国の皇帝の甥であるラ・ゴールは、次期王位継承権を持ちながらも、生まれつき角がないことを暴かれてしまい、妻のロザリアとも引き裂かれて身分も奴隷まで下げられてしまいます。
しかし、ラ・ゴールはボアサン星から脱出することに成功して、漂流した後、地球に辿り着いて科学者の剛光代に助けられました。ラ・ゴールは剛光代と結婚、剛 健太郎と改名して本作の主人公を含めた三人の子供に恵まれるも、戦いを好むボアサン帝国からの侵略を予想して基地のビッグファルコンや巨大ロボット・ボルテスVの建造に着手します。
剛 健太郎は平和的な解決をすべく、地下組織を通じてボアサン星に向かいますが、結局は囚われの身となっていまいます。
ボアサン星ではズ・ザンジバルが新しい皇帝となり、剛 健太郎の予想通りに宇宙の各地に侵略行為を開始します。ラ・ゴールとロザリアの間に生まれた皇子ハイネルは、帝国内での立場を守るために、地球侵略の司令官となって攻撃を開始し、血の分けた剛三兄弟との戦いが繰り広げられます。
ボルテスVで3人の人気メンバー
ボステスVは、健一・一平・大次郎・日吉・めぐみの5人で構成されていますが、その中でも人気がある3人をピックアップしていきます。
本作の面白さを語るうえで絶対に欠かせない3人となっていますので、前作コンバトラーVのメンバーとの違いや本編での立ち位置・魅力・個性について注目していきましょう。
巨大ロボット・ボルテスVの強さと魅力
超電磁マシーン ボルテスV
主人公の健一が「ブイ・トゥギャザー」「レッツ・ボルトイン」と声を上げて合体する様子は、前作コンバトラーVの「レッツ・コンバイン」と通じる印象があります。ボルテスVの武装・武器も、ミサイル・バスーカー・火炎放射や、超電磁コマなどコンバトラーVのものから踏襲されています。
しかし、戦闘スタイルには違いがあり、コンバトラーVは格闘戦をメインに戦闘するのに対し、ボルテスVは天空剣を用いて戦います。このボルテスVが後のアニメに与えた影響は強く、剣術で戦うスーパーロボットや、「〇〇斬り」を決めの必殺技とする作品が数多く登場しました。一般的な知名度なら、超電磁ロボといえばコンバトラーVを挙げられることが多いかもしれませんが、後世に残したものという意味ではボルテスVも引けは取らないでしょう。
正々堂々と戦う容姿端麗な敵役
プリンス・ハイネル
また、地球侵略の司令官という立場ではありながらも、卑怯な手段は用いず、正々堂々と戦っていた様子には好感が持てます。
異母兄弟とは知らずにボルテスVとお互いに生死をかけて戦ったことで、従来の敵役を悪とする幼児向けアニメとは一線を画す内容となりました。
諸悪の根源だった皇帝ズ・ザンジバルにとどめを刺したこと、健一たちを危機から庇った場面があったこと、施設の崩落に巻き込まれて絶命したことで主人公メンバーよりも記憶に残る存在になったといえるでしょう。
父親の剛 健太郎よりも先に死んでしまったことで神格化されたと言っても過言ではありません。
大人が視聴しても楽しめるクオリティー
コンバトラーVにはない濃厚なストーリー性
貴族社会による身分格差や、異母兄弟による悲劇といった子供にはなかなか理解できない要素が大人をも物語に引き込んでしまいます。最終回では涙なしでは観ていられないほど感極まってしまうことでしょう。
子供の頃に視聴したという方は、この機会に改めて見直してみては如何でしょうか。
きっとその時には分からなかったことや気づけなかった伏線が理解できて、本当に制作側の伝えたかったことが理解できると思いますよ。