ダイイチルビー “華麗なる一族”のラストガールは希代の名牝となった

ダイイチルビー “華麗なる一族”のラストガールは希代の名牝となった

ダイイチルビーは、1990年~1991年に大活躍した人気の牝馬です。今でこそ古馬牝馬の混合のG1勝ちは当たり前ですが、90年代初頭の安田記念、スプリンターズステークスの勝利はかなりセンセーショナルでした。1991年のJRA賞最優秀5歳以上牝馬およびJRA賞最優秀スプリンターを獲得したのも当然の結果だと思います。戦績 国内:18戦6勝  総賞金 43171.2万円


引退したトウショウボーイは父テスコボーイと同様、日高軽種馬農業協同組合で繋養されていたことにより、ほかの種牡馬に比べて割安に種付けができました。

しかし、産駒のミスターシービーが1983年の三冠を達成、その直後から応募が殺到します。

しかし実際に種付けができるのは抽選によって選ばれた繁殖牝馬だけと決められていました。

荻伏牧場が、ハギノトップレディの交配相手にトウショウボーイの権利を獲得したのは1986年で、翌年4月に黒鹿毛の牝馬が誕生しました。

当時牧場としてはこの牝馬がゆくゆくは繁殖牝馬として牧場に戻り、“華麗なる一族”を継ぐ繁殖牝馬となると、大きな期待をしていました。

ところがこの牝馬には生まれながらに左右の蹄の形状に欠陥があり、競走馬としての適性が疑われていました。

しかし、伊藤雄二調教師によって見出され、苦難の末1990年2月、4歳になってからデビューすることとなりました。

4歳シーズン(1990年)

母(ハギノトップレディー)と同様、デビュー戦で単勝1.2倍の圧倒的な人気だったダイイチルビーは5馬身差で逃げ切る圧勝劇を演じました。

これに自信をつけた陣営は、桜花賞トライアルの4歳牝馬特別に登録しましたが除外になってしまいます。

1990.3.24 アネモネS 

やむを得ず条件戦に出走し2番手から抜け出して勝ちきります。

2戦2勝で桜花賞に出走登録しましたがまたも不運に。

当時2勝馬の桜花賞出走は抽選でした。

ルビーはそこで落選してしまい、親子二代の桜花賞馬の夢は絶たれてしまいます。

その後、目標をオークスに切り替え、重馬場で行われた忘れな草賞は単枠指定の人気でしたが、スローペースで逃げたトーワルビーを捕まえきれずに離れた2着に敗れました。

1990 サンスポ4歳牝馬特別

忘れな草賞で賞金を加算できず、オークスへの出走も危ぶまれたため、ダイイチルビーはオークストライアルの4歳牝馬特別に出馬。

レースは先行し、最後の直線で先頭に立ちましたが、最後方から追い込んできた人気薄のキョウエイタップに差され、再び2着に敗れてしまいますが、なんとかオークスの出走権を得ます。

オークス

そしていよいよ本番のオークス。鞍上は武豊に戻り、無敗の桜花賞馬であるアグネスフローラに次ぐ2番人気となりました。

しかし、スタートで出遅れてしまい、道中はやむなく後方待機策をとりましたが、結局見せ場もなくエイシンサニーの5着に敗れました。

1990 ローズS 

秋にはエリザベス女王杯のトライアルであるローズステークスに出ると、オークス優勝馬のエイシンサニーを抑えて1番人気に支持されます。

しかし、先行3番手を進みましたが、有利な状況にも関わらず、5着に敗れてしまい、その後、フレグモーネを発症したダイイチルビーは4歳秋を全休することとなってしまいました。

5歳シーズン(1991年)

古馬となった、ダイイチルビーは伊藤調教師の決断で短距離路線を進むことになります。

ところが、復帰戦の洛陽S(もちろん1600m)で河内騎手に乗り替わりもあり、スタートで大きく出遅れてしまいます。関係者が大きく落胆するなか、直線に入ったダイイチルビーの末脚が爆発、勝ち馬にわずか半馬身の2着に食い込む健闘をみせました

1991 京都牝馬特別

関連するキーワード


競馬 1970年代 1990年代

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

NHK「おかあさんといっしょ」の人形劇コーナーとして1982年から1992年までの10年間にわたり放送され、累計2,000話以上の物語が制作された人気シリーズ『にこにこ、ぷん』が、令和の時代に新たなかたちで帰ってきます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。