ダイイチルビー “華麗なる一族”のラストガールは希代の名牝となった

ダイイチルビー “華麗なる一族”のラストガールは希代の名牝となった

ダイイチルビーは、1990年~1991年に大活躍した人気の牝馬です。今でこそ古馬牝馬の混合のG1勝ちは当たり前ですが、90年代初頭の安田記念、スプリンターズステークスの勝利はかなりセンセーショナルでした。1991年のJRA賞最優秀5歳以上牝馬およびJRA賞最優秀スプリンターを獲得したのも当然の結果だと思います。戦績 国内:18戦6勝  総賞金 43171.2万円


1991高松宮杯(GII)

この年、既に5戦していたダイイチルビーでしたが、G2高松宮杯を狙います。当時2000メートルとこの時のルビーにはちょっと長い距離でしたが、母ハギノトップレディ、祖母イットーに続いて、親子3代での同一重賞制覇は一族の至上命題でした。

GI安田記念優勝の快挙を成し遂げたダイイチルビーは1.4倍の大本命となりましたが。ダイタクヘリオスをハナ差捕まえきれずに2着に終わってしまいます。

1991 スワンS 

秋になるとダイイチルビーは、短距離路線第一弾のスワンステークスに1番人気で出走します。
レースでは、いつもどおり直線一気を決めかけたとき、それを上回る末脚で抜き去った馬がいました。それが、当時無名の外国産馬、ケイエスミラクルでした。1分20秒6というレコード。、ルビーに新たな強敵が出現した瞬間でした。

1991 マイルCS(GI)

続くマイルチャンピオンシップ(G1 1600m)では1.8倍の大本命となります。
しかし、スタート前に暴れてまたもや出遅れてしまいます。

ケイエスミラクルの追撃を封じるのに苦労しつつ、伝家の宝刀を抜き、馬群の先頭をうかがうものの、ダイタクヘリオスに振り切られ、またもや2着に。

1991年 スプリンタースS

そして、暮れの短距離路線の総決算(当時)のスプリンターズステークス。

ダイタクヘリオスは有馬記念に選ばれていたため出走しませんでした。

マイルチャンピオンシップでは3着でしたが、スワンステークスを含めて3回レコード勝ちのあるケイエスミラクルが2.2倍の本命になりました。

ダイイチルビーは出遅れ癖が心配されて2番人気でした。

日本レコードホルダーのサクラミライを含め、この3頭によって間違いなく日本記録が更新される、どのぐらいの記録が出るだろうかと、周囲の期待が高まりました。

珍しく無難なスタートを切ったダイイチルビーは、後方に待機します。

そしてレースはトモエリージェントが、前半の600メートルを32秒2という破壊的なペースで逃げる展開に、サクラミライも逃げることすらできません。

最後の坂の下で岡部幸雄がケイエスミラクルに鞭を入れて追い出そうとした瞬間、ケイエスミラクルが大きくバランスを崩します。

すぐ後ろに詰めていたダイイチルビーは大きく左へ進路をかわしつつも、切れ味鋭い末脚が爆発、

すぐに先頭に立ち後続を離し優勝しました。

優勝タイムはサクラミライのレコードと同タイムの1分7秒6でした。

なお、サクラミライは15着(完走馬中最下位)に終わり、競走を中止したケイエスミラクルは粉砕骨折、予後不良と診断されて安楽死。

まさに、歴史に残る壮絶なレースとなったのでした。

旅の終わりに

1991年の中央競馬で、GI競走を2勝したのはこのダイイチルビーとトウカイテイオーだけでした。
混合競走のGI2勝という成績で、ダイイチルビーは最優秀古牝馬に選ばれ、同時に最優秀スプリンターにも選ばれました。

日本でグレード制が導入されて以降、古馬の混合GIを2勝以上した牝馬はダイイチルビーが初めてでした。

ダイイチルビーは、1992年も現役を続行しましたが、3戦して振るわず引退することになります。

前年のスプリンターズステークスの激走で燃え尽きてしまったのではと、ファンも心配していた時の決断でした。

競走引退後は非常に期待されて繁殖牝馬となりましたが、目立った産駒は出生しませんでした。 

2007年4月26日に蹄葉炎のため死亡。

“華麗なる一族”なんて、「人間が勝手に決めているだけのことなのよ」とでも言うように。

それでも、現役時代、その懸命に駆け抜けた姿は、多くのファンの目に焼きついています。

いまだに、忘れられない銘牝であることは間違いありません。

またこの血統が地下水脈のように、ほそぼそと隠れるようにつながり、いつか蘇るこは充分あり得ることなのです。
ブラッドスポーツの奇跡を信じることができるのが、この世界の最大の魅力でもあるのです。

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競馬 1970年代 1990年代

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