サザエさん一家の声優陣を振り返る
「最も長く放映されているテレビアニメ番組(Longest Running Animated TV Series)」としてギネス世界記録に認定登録された、国民的アニメである『サザエさん』にとって、重要な声優は気になりますよね!
調べてみると、サザエさん一家だけでも数多くの声優が携わっており、豪華な方々が歴任されていました。
しかも、なんとあのドラえもんの声優も担当されていることが判明しました!これには驚きました。
今回はそんなサザエさん一家の声優を特集して振り返ってみたいと思います。

サザエさん一家の声優陣を表にまとめてみました
下の表にサザエさん一家に携わった声優をまとめてみました。
見て頂くと判る通り、最初から現在に至るまで歴任されているのはフグ田サザエ役の加藤みどりさんとフグ田タラオ役の貴家堂子さんのお二人だけなんですねぇ
また、磯野カツオの初代があのドラえもんの声優で有名な大山のぶ代さんだったとは・・・
そんな豪華声優を、お一人ずつ振り返ってみたいと思います。
まずは加藤みどりさんから確認していきましょう(^^)/

フグ田サザエ 声優陣
加藤みどり
1969年の放送開始より現在に至るまでずっとフグ田サザエ役を務めてらっしゃる加藤みどりさん。
サザエさんの声優を務める前は『おそ松くん』の主人公・おそ松、『魔法使いサリー』の花村よし子、『ハクション大魔王』の主人公・カンちゃんなど数々のキャラクターを演じていました。
エピソードとして、サザエさんのオーディションの時は磯野カツオ役を受けるつもりで参加したそうです。そしてオーディションにサザエ役で合格した時に、他のアニメの仕事を全て降りるよう要請されたとか。その要請を受けてまで演じたのですから、気持ちが入っていたのがよく判りますね。
2002年からはバラエティ番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』におけるナレーションもされています。また、2015年に放送ウーマン賞の日本女性放送者懇談会45周年特別賞を受賞されました。

フグ田マスオ 声優陣
近石真介
近石真介さんはサザエさん放送開始から1978年まで、初代フグ田マスオを演じていました。
テレビ草創期から活躍している方で、俳優として舞台中心に活躍されました。
尚、降板の理由はラジオ、舞台との両立が困難となったからだそうです。
洋画の日本語吹き替え版で声優も担当されており、ジャッキー・クーパー、ジェリー・ルイス、ジェームズ・キャグニー、ロディ・マクドウォールなどを演じました。
2013年には第7回声優アワードで「功労賞」を受賞されています。
増岡弘
増岡弘さんは1963年から声優活動を開始されており、デビュー作は『狼少年ケン』の大熊役でした。
役者としても活動をされていますが、やはり際立っているのが声優としての活躍であり、1978年から2019年まで務められた二代目フグ田マスオと、『それいけ!アンパンマン』のジャムおじさんを務められたことだと思うんですよね。
今が2019年8月なので、ほんとにタイムリーな話しになりますが、高齢を考慮してマスオさんとジャムおじさんを卒業することが発表されています。ちなみにジャムおじさんの後任は山寺宏一さんとなっています。
2018年には第12回声優アワードにて功労賞を受賞されています。

田中秀幸
田中秀幸さんは2019年より増岡弘さんより引き継がれ、三代目フグ田マスオ役に抜擢されています。
経歴としては劇団青年座所属時代に『科学忍者隊ガッチャマン』のヘムラー役で声優デビューし、『ドカベン』の山田太郎役で初主演を果たし、声を使った仕事を中心に携わるようになりました。
その後、『キャプテン翼』のロベルト本郷、『キン肉マン』のテリーマン 、『ハイスクール!奇面組』の事代作吾、『魁!!男塾』の大豪院邪鬼、『SLAM DUNK』の木暮公延など、『週刊少年ジャンプ』の連載漫画のアニメ作品に多く参加されました。
幅広い役柄を演じる上に、ナレーションの仕事も多く、マルチな才能をお持ちの方です。

磯野カツオ 声優陣
大山のぶ代
皆さんは初代カツオが大山のぶ代さんだったってことをご存じでしたか?
私はこの記事を書くことで初めて知りました。
1969年の放送開始から2か月だけ務めたそうで、短い期間ではありましたが、正真正銘の初代カツオだったんですねぇ!
大山のぶ代さんといえば当然ドラえもんですが、ドラえもんを26年も務めていたんですよね。凄いことですよねぇ・・・
現在は認知症を患ってらっしゃるとのことで、自分がドラえもんの声優であったことも覚えていないそうです。しかし、間違いなく日本を代表する偉大な声優であったと思います。たとえ認知症になっても、最後まで健やかにお幸せであった欲しいですね。

高橋和枝
二代目カツオは高橋和枝さんでした。1969年末から1998年まで務められました。
高橋和枝さんはもともとラジオで活躍されており、NHK放送劇団を退職にフリーとなりました。
1959年には吹替に挑戦し、アメリカのコメディー『ルーシー・ショー』で人気を得ることになります。
その後『鉄人28号』に出演し、以後はアニメ声優としても活動を開始し、『快獣ブースカ』でブースカの声と主題歌を担当しました。
思えば高橋和枝さんは28年もカツオを続けており、認知度的には高橋和枝さんが初代と思われているくらいですね。
2010年に第4回声優アワード特別功労賞を受賞され、更には2011年からは新たに声優アワードで彼女の名前を冠した「高橋和枝賞」が設立されました。
1999年に亡くなれています。享年70。

冨永みーな
冨永みーなさんは1998年から現在に至るまで三代目カツオを演じていらっしゃいます。
今の子供達にとってのカツオは冨永みーなさんなんでしょうねぇ
もともと冨永みーなさんは『サザエさん』では伊佐坂ウキエ・早川さん・みゆきちゃん・イカコ・リカちゃんのママ役などの脇役を担当していました。しかし、前任の高橋和枝さんが体調を崩し、代役としてカツオを務めることとなりました。そして、高橋和枝さんが亡くなられ、正式に三代目カツオに就任されたという経緯があります。
『それいけ!アンパンマン』の声優としても活躍されている冨永みーなさんは、2018年には第12回声優アワードにて高橋和枝賞を受賞されました。感極まる話しですよね。

磯野ワカメ 声優陣
山本嘉子
初代ワカメちゃんは山本嘉子さんであり、放送開始の1969年から1976年まで務められてました。
1936年に東京で生まれた山本嘉子さんは、声優として1990年代前半まで活躍されておりました。
『ジャングル大帝』『昆虫物語 みなしごハッチ』『新オバケのQ太郎』『天才バカボン』『ふしぎなメルモ』『ど根性ガエル』などなど、数々の作品に声優として出演されています。
尚、旦那様は俳優であり声優でもある近藤洋介さんです。
ご夫婦揃って声優をされているのは素晴らしいですね!

野村道子
我々の世代でいうと、ワカメちゃんといえば二代目である野村道子さんでしょうか。
野村道子さんは1976年から2005年までワカメちゃんを務めています。
野村道子さんといえば日本を代表する声優さんですが『サザエさん』のわかめちゃんと『ドラえもん』のしずかちゃんが大変印象に残っています。現在では両方の役を降板しておりますが、『サザエさん』への出演期間は29年、『ドラえもん』への出演期間は26年に及びました。
2016年には第十回声優アワードで功労賞を受賞しています。
津村まこと
津村まことさんは2005年から現在に至るまで三代目ワカメちゃんを務めています。
1991年に江崎プロダクション付属養成所という場所で声優を学び、声優事務所であるマウスプロモーションに所属されました。その後いったんフリーになるものの、いくつかの事務所を経て、現在は青二プロダクションに所属されています。
テレビアニメの初出演は1995年の『鬼神童子ZENKI』であり、その後は多くの役を務めていらっしゃいます。
1965年生まれの方ですので、まだまだこれからもワカメちゃんを務めて頂けそうですね!
フグ田タラオ 声優陣
貴家堂子
貴家堂子(さすがたかこ)さんは、1969年の放送開始から現在に至るまで、ずっとタラちゃんを演じています。半世紀近くタラちゃんを演じてるって凄くないですか?! なんか頭が下がりますねぇ
貴家堂子さんは声優として子供の役を演じることが多く、『サザエさん』のタラちゃんだけではなく『ハクション大魔王』のアクビちゃん、『天才バカボン』のハジメなどの代表作があります。
デビューは1964年の鉄腕アトム (アニメ第1作)のピピであり、その後も黄金バットやリボンの騎士、妖怪人間ベムなどでも声優を務められました。
1941年生まれの貴家堂子さんですが、まだまだタラちゃんでいて欲しいですねぇ

磯野波平 声優陣
永井一郎
永井一郎さんはサザエさんの放送開始から2014年まで波平さんを演じていらっしゃいました。
アニメ創成期より数々の作品に出演した声優界の重鎮の一人であり、吹き替え・特撮作品など幅広い分野で活躍されていました。
そんな永井一郎さんは『サザエさん』だけではなく、『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』『うる星やつら』『YAWARA!』など多くのヒット作品に出演されていました。『機動戦士ガンダム』においては、ナレーターやデギン、ドレンといった名有りのキャラクターの他、ホワイトベースに乗り込んだ避難民など、数十人に及ぶ端役の声(主に老人役)を担当しており、まさに大活躍をされていました。
個人的には『うる星やつら』の錯乱坊も印象に残っています。
2014年に亡くなられています。享年82。

茶風林
茶風林は本名を嶋沢弘隆さんといいます。
永井一郎さんが亡くなられたことから二代目波平さんを演じることになりました。
ちなみに芸名の「茶風林」はチャップリンに由来しており、舞台俳優としても活動されています。舞台では自身の趣味であるタップダンスを活かす場面が見られることもあるそうですね。
声優としては1985年から活動されており、その参加作品の多さには驚かされます。
素晴らしい実力のある方なのだなぁと感じました。

磯野舟 声優陣
麻生美代子
麻生美代子さんは初代フネさん役で、放送開始の1969年から2015年までの46年間を務めていました。
母性を感じさせる優しく落ち着いた声で、長年「日本のお母さん」として多くのファンに親しまれました。
役どころのフネさんはおしとやかな性格でしたが、声優である麻生美代子さんは『サザエさん』のレギュラー声優陣の中では最年長であったため、収録現場を取り仕切る役目を担っていたとか。
「明るく朗らかでチャーミングなおばあちゃん」だったそうです。
多趣味な方で、シャンソンや油絵などを嗜み、特にスキューバダイビングは47歳から80歳まで続けたそうですから驚きですよね!
2012年に第6回声優アワードの「功労賞」を受賞しています。
2018年に老衰の為死去。享年92。

寺内よりえ
寺内よりえさんは麻生美代子さんの後を継いで、現在に至るまで二代目フネさんを演じています。
劇団昴所属の方で1953年生まれですから、まだまだこれからもフネさんを演じて頂けそうですね。
劇団の方なので、勿論ご自身も映像作品や舞台に出演されており、テレビドラマでは、太陽にほえろ!、宇宙刑事シャリバン 、大河ドラマ「いのち」、仮面ライダーBLACK、鳥人戦隊ジェットマン等々、そして舞台ではアルジャーノンに花束を、黒蜥蜴などで熱演されています。
これからは麻生美代子さんの様に、日本のお母さんとして頑張って頂きたいですね!
サザエさん一家の声優陣を振り返ってみて
サザエさん一家の声優陣を振り返ってみていかがだったでしょうか?
皆さん素晴らしい経歴をお持ちでしたよね。
声優は顔が出ない分、持ち味である声で多くのことを表現しなくてはいけません。大変なお仕事なんだろうなぁと思いました。
それを長年続けてらっしゃる皆様には、ほんと頭が下がる思いです。
それにしても、馴染みのある声を聞くと、なんだかホッしませんか?
サザエさんの声優は、特にそれがあると思うんです。
これからも日本を代表する声として、皆さんには頑張って頂きたいですね!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。