ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【ジェームズ・ステュアート&マーロン・ブランド編】

ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【ジェームズ・ステュアート&マーロン・ブランド編】

前回、「ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【ハンフリー・ボガート&ケーリー・グラント編】」を書いてみたが、まあまあそれなりに書いたつもり(全くの自己中かも・・・??)なので、調子に乗って次のハリウッド男優について話を進めましょうか??


3.「米国の良心」 と称され親しまれたジェームズ・ステュアート

ジェームズ・ステュアート(James Stewart, 1908年5月20日 - 1997年7月2日)は、米国ペンシルベニア州インディアナ(Indiana, Pennsylvania)出身の俳優。本名はジェームズ・メイトランド・ステュアート(James Maitland Stewart)。愛称はジミー(Jimmy)。

本名	James Maitland Stewart
生年月日	1908年5月20日
没年月日	1997年7月2日(89歳没)
出生地	米国ペンシルベニア州インディアナ
死没地	米国カリフォルニア州ビバリーヒルズ

191cmの長身で、その誠実な人柄と、日々の生活で困難に立ち向かう「平均的な中流階級のアメリカ人」の役を多く演じたことによる役柄の印象から「米国の良心」と呼ばれた。

1948年の映画『出獄』の宣伝写真

裕福な家庭に育ち、アイビーリーグの名門プリンストン大学で建築学と都市工学を学ぶが、大学を卒業しても不況のために仕事に就く事が出来ず、大学時代の友人で後に映画監督になるジョシュア・ローガンと知り合い、彼が所属する学生演劇集団「ユニバーシティ・プレイハウス・グループ」に参加して俳優を志す。この劇団にはヘンリー・フォンダやマーガレット・サラヴァンも参加しており、スチュワートはローガンとフォンダらと共にニューヨークに移って共同生活をしながら、ブロードウェイでの成功を夢見て『Carry Nation』などの舞台に立つが、不況のためにほとんど仕事がなく、一時は舞台を諦めて父親が経営する金物屋を手伝おうと考えていた。

ブロマイド写真★ジェームズ・ステュアート(後ろの女性はドリス・デイ)

1935年舞台で共演した女優でコラムニストのヘッダ・ホッパーの推薦でM-G-Mのスクリーン・テストを受けて『舗道の殺人』で映画デビューを飾る。翌年『結婚設計図』でサラヴァンの相手役を務め、同年の『夕陽特急』で早くも主役の座につく。1938年コロンビア社に貸し出されて『我が家の楽園』に出演、フランク・キャプラ監督に気に入られて、続く『スミス都へ行く』(1939)にも続投して純真な青年政治家を好演、映画は大ヒットを記録してアカデミー主演男優賞に初ノミネートされ、スチュワートのトレードマークとなる正義感溢れる好青年のイメージを確立する。翌年、ブロードウェイのヒット劇を映画化した『フィラデルフィア物語』(1940)では、共演のキャサリン・ヘプバーンとケーリー・グラントを相手に素晴らしい演技を披露してアカデミー主演男優賞を獲得する。

『夕陽特急』(ゆうひとっきゅう、原題:英語: After the Thin Man)1936年

第二次世界大戦中は率先して軍隊に志願。陸軍航空軍のB-24爆撃機パイロットとして活躍した。出撃回数は20回、飛行時間は1800時間にも及び、1945年3月に大佐に昇進した。大戦後の1959年7月には空軍准将に昇進。1968年3月に空軍を退役し、その後少将に昇進している(ハリウッドの俳優としては最高位)。親友のゲーリー・クーパーが『ヨーク軍曹』でアカデミー賞を受賞した際には、軍服のままプレゼンターとして授賞式に出席し、クーパーにオスカーを手渡している。

1950年代には「ウィンチェスター銃73」(1950)、「折れた矢」(1950)などで西部劇スターとしても新生面を見せ、一方では「裏窓」(1954)、「知りすぎていた男」(1956)、「めまい」(1958)といったヒッチコック監督のサスペンス映画で強烈な印象を残した。ジミーもヒッチコックのお気に入りの男優として以上の計4本に主演している。生涯62本もの映画に出演し、秀作が目白押しだが、一応私の独断と偏見で彼が出演した3本の映画を紹介する。

軍服姿のジミー(1960代撮影)

ジミーが出演した映画を私が厳選に厳選すると下記の3本になる!!

『スミス都へ行く』(スミスみやこへいく、原題: Mr. Smith Goes to Washington)は、1939年、コロンビア映画製作による米国映画である。第12回アカデミー賞で、作品賞を含む合計11部門にノミネートされ、原案賞を受賞。主演のジェームズ・ステュアートは、第5回ニューヨーク映画批評家協会賞において男優賞を受賞した。

監督	フランク・キャプラ
脚本	シドニー・バックマン
原作	ルイス・R・フォスター
  『ミネソタから来た紳士』
製作	フランク・キャプラ
出演者	ジェームズ・ステュアート

スミス都へ行く(1939年) [DVD]

映画の中で利権屋たちが密談の最中、「選挙民なんて意識が低い」という台詞があった。これは恐らく連中の本音だろう。民主主義国家に生まれたからには、1票の権利をきちんと行使して、絶えず「選良」たちを見張っていなければならない、という気持ちにさせられる。スミス追放を主導する大新聞社の巨大な輪転機と、スミスを支持する子供たちの手作りガリ版新聞製作との対比が印象的だった。スチュワートは彼のキャリアの中でも最高レベルの演技を見せる。こんなフィリバスターなら許されてもいいだろう。
彼がアカデミー主演男優賞を受賞した『フィラデルフィア物語』はこの映画の1年後に公開された物だが、私がアカデミー賞選考審査員だったら、これを推している!!

『素晴らしき哉、人生!』(すばらしきかな、じんせい!、It's a Wonderful Life)は、1946年の米国映画。1946年(第19回)のアカデミー賞では作品賞を含めた5部門にノミネートされるも、無冠に終わった。アメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「感動の映画ベスト100」では1位に、同協会の「アメリカ映画ベスト100」では11位にランクインしている程の秀作なのに、1946年当時は興行的には惨敗。

監督	フランク・キャプラ
脚本	フランク・キャプラ
   フランセス・グッドリッチ
   アルバート・ハケット
原作	フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン
  『The Greatest Gift』
製作	リバティ・フィルムズ
   フランク・キャプラ
出演者	ジェームズ・ステュアート
    ドナ・リード
    ライオネル・バリモア
    ヘンリー・トラヴァー

素晴らしき哉、人生!(1946年) [DVD]

神と天使が登場してクリスマスが舞台とくればキリスト教くさい映画かというとそうではなく、これは、他人に善いことをすればいつか報われるという世界共通の教え(わが国では「情けは人のためならず」と言う人もいるけどね!?)を寓話化したものなのか?。
まず、主人公が他人に善いことをすると同時に貧乏くじを引くというエピソードが、最初から後半まで、これでもかと描かれる。少年時代に薬局の主人からぶたれる時、「耳だけは叩かないで」と懇願するシーンは、こちらもつらい感情がこみ上がる。
映画後半の主人公のシリアスさ、場の重苦しい雰囲気はラストの、主人公が元の世界に戻ったとわかって喜んだ時のはっちゃけぶり、ハッピーさと好対照をなしており、そのために演出されたのだろう!?。
決して安易なハッピーエンドで終えていないので、この映画には説得力があるように思えてならない。一度は見る価値ありの映画である、と言うより絶対見るべき一本の映画である。

『裏窓』(うらまど、Rear Window)は、1954年の米国映画。ニューヨークのとあるアパートを舞台にしたサスペンス映画。ウィリアム・アイリッシュによる同名の小説を原作とする。

監督	アルフレッド・ヒッチコック
脚本	ジョン・マイケル・ヘイズ
原作	ウィリアム・アイリッシュ
製作	アルフレッド・ヒッチコック
出演者	ジェームズ・ステュアート
    グレース・ケリー

裏窓(1954年) [DVD]

全編ほとんど、ジェフの部屋から出ることのないカメラは、観客と主人公を完全に一体化させる効果を生み、緊迫感とリアリティを作り出している。そして主人公が“動けない”という究極のハンディキャップ。小出しのサスペンスが重ねられ、やがて疑っている相手がこちらを意識した時に、その波は最高潮に達する。

ケガをして動けない主人公の視点で作られているから、その名の通りジミー・スチュアートと一緒に裏窓からのぞいている気持ちになれる。人それぞれいろんなドラマがあるんだなぁと“のぞき”の楽しさを味わいつつ(いけないけど)、あっち側とこっち側が接触してしまう時、すなわち何かが起こるスリル!。
グレース・ケリーが最新NY情報(当時)を話題にするのも面白い。彼女の思いがけないお転婆ぶりにハラハラしたりと見所満載!ただのサスペンスじゃないんだな!これが・・・

オリジナルの映画ポスター

4.「20世紀最高の俳優」と評されているマーロン・ブランド

マーロン・ブランド(Marlon Brando, 1924年4月3日 - 2004年7月1日)は、米国ネブラスカ州オマハ生まれの俳優。ブランドの演技や服装は演劇においても映画においても、まったく型破りな存在であり、賛否両論を巻き起こした。これまで芝居ではタブーとされていた猫背でぼそぼそとした喋り、急に不機嫌な表情をとったり、はにかんだ笑顔を見せたりと言った芝居を始めたのはブランドである。ポール・ニューマン、ジェームズ・ディーン、らの演技に多大な影響を与えた。その功績から「20世紀最高の俳優」と評されている。

生年月日	1924年4月3日
没年月日	2004年7月1日(80歳没)
出生地	米国ネブラスカ州オマハ
死没地	米国カリフォルニア州ロサンゼルス
国籍	米国
職業	俳優
活動期間	1950年 - 2004年
活動内容	映画、舞台

マーロン・ブランド

ネブラスカ州オマハで化学飼料と駆虫剤の製造業を営んでいた父、マーロン・ブランド(シニア)と地方劇団オマハ・コミュニティ・プレイハウスの創設者の一人であった女優の母、ドロシー・ペネベイカー・ブランド(愛称はドディ)の間に生まれる。両親はオランダ、アイルランド、ドイツ、イングランドの血を引く。他に2人の姉がいる。愛称はバッド。
家庭は中流だったが、両親共に酒癖が非常に悪く、父親は激しい気性の持ち主だった。このため少年だったバッドは次第に情緒不安定になり、反抗的な青春時代を過ごす。幼稚園児の頃から札付きの悪であり、学校では相当の問題児だったという。小学生の頃は黒人が法の下で人種差別を受けていた当時のアメリカの状況にも関わらず黒人の生徒と仲良くしていたただ1人の白人であったため、白人の教諭から睨まれることとなったが、この様な反人種差別的な行動はその後も一生を通じて受け継がれていくことになる。その後また問題を起こして謹慎処分を受けたが、無視して遊びに行ったため退学処分を受けた。

1948年、ホワイトハウスにて

16歳の頃に、反抗的な性格を変えようとした父に強制的に陸軍アカデミー(シャタック陸軍士官学校)に入学させられたが、教官に対しても常に反抗的で演習中に教官に口答えし、謹慎処分になったにも関わらず、無視してフェアボルトのダウンタウンに遊びに行ったことが発覚。卒業直前に退学処分にされてしまう。しかし、これはアカデミー側にも問題があり、バッドの除籍について「あまりにも一方的で極端な処分だ」「不公正だ」と学生全員が憤慨。次第に学生たちの行動はエスカレートを極め、ストライキを開始し教師がバッドの復学を認めるまで続いた。根負けしたアカデミーの校長はバッドに、学業を修了して翌年に卒業するように催促の手紙を送ったが、復学を拒否。その後、クラスメイトがバッドに宛てた激励の手紙を自宅の寝室に飾って大事に保存していた。しかし晩年までバッドは、自分には教育が欠けていることを酷く恥じていたという。

ブロマイド写真★『欲望という名の電車』マーロン・ブランド/白黒/白いTシャツ

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