『ガンプラり歩き旅』その76 ~「ドムにハズレなし」に死角なし!ドム系新型モビル・スーツでも、シリーズ一番の傑作キット!~

『ガンプラり歩き旅』その76 ~「ドムにハズレなし」に死角なし!ドム系新型モビル・スーツでも、シリーズ一番の傑作キット!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!


この辺り、パーツ段階での色分けを追求し始める『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)キット群への布石のような物も感じられ、その後のドーベンウルフやジャムル・フィンでは2色ランナーにまた戻るので、ある意味正統派ドムの後継機という立ち位置もバリューになって、多色成型への実験商品としての色合いもあったのかもしれない。

.

後の最新型HGUC版でさえ差し替えだったハンドキャノンをギミック事完全再現。旧キットのアレックスガンダムのように腕部装甲がスライドする

プロポーションは、『ガンダムZZ』でジャムル・フィンと一二を争う最優秀の出来栄えであり、どっしりしたドム系特有の体形を、メリハリつけて上手くキット化しており、それでいて手や足の裾が広がるところのカーブは明確につけているという優等生的な出来具合。
さらに、バーニア、パイプなどはしっかり別パーツなので立体感も損なわない。

.

ハンドガン連射のドライセン! 気になる人は3連砲口をピンパイスで開けてあげるとぐっとリアルになる

可動は、肘がハンドガンのギミックを仕込みながらも90度近く曲がり、肩も脇に上げる際には、肩アーマーのサイドアーマーもしっかり可動して逃げる仕様。
また、この時期から『逆襲のシャア』へかけて、ガンプラは1/144でも手首が可動指仕様になっていくプロセスを辿っていて、本商品もその流れに入っている。

ドム系なのに、首が左右に振れること自体も驚きなら、開脚も左右へのみならず、前後の可動もかなりクリアランスが計算されていて、見た目よりも大きく足を踏み出せる仕様。

.

どの方向から写してもカッコいい旧キットだが、少し煽りで撮ると、本当に惚れ惚れする出来栄えである

特にハンドガンギミックに関しては、現代のHGUC版が、『ガンダムUC』版のリファインデザイン版の金型を改修してでっち上げた代物だけに、ちょうど袖口のところが造形が違っていて、それを改修してはいるが、再現度は当時キットの方が高いというオチが付く。
キット全体の可動の方は、膝や足首がガタつくが、これが当時のキットの設計段階からなのか、金型の経年劣化からきているのかは判断は付かないが、HGUC版の方がかっちりと可動するとはいえ、このキットの捨てがたさは、イマドキのガンプラファンにも理解してほしかったりする。

.

手首が、当時スタンダードの可動指なのは評価が別れるが、筆者的には可動指は、イマドキの「ライフルを構えているのに、手首が握り状態に穴が開いているだけ」に比べれば嫌いではない

本来であれば、付属武器としてトライブレード、ビームランサーとビームトマホークがここにつくべきなのだが(ちなみに『ガンダムZZ』本編だとバウのビームライフルを使ってる)、冒頭でも書いたように、このキットは連載用に組んだ物ではないので、付属部品はどこかへ行方不明になってしまっている(笑)
なのでまぁ、再現画像でHGUC版の付属武器を持たせて撮影するのは悪くないと思う(HGUC版はちゃんとクリアパーツだし)。

塗装の方は、合わせ目を消した組立なので全塗装で。
基本のブルーは、インディブルーにミディアムブルーを足して調色。
逆に上腕や腿のブルーは、エアスペリオリティブルーにミディアムブルーを足して双方から近寄らせ合った。
後は、ニュートラルグレーとモンザレッドとイエロー。モノアイはちゃんとピンクで塗装して、全体に艶消しを吹いて仕上げた。

.

決して『ガンダムZZ』旧キットはハズレしかないのではなく、傑作が後半に集中したからというのも実際の話

いろいろ書いてきたが、ガンプラはやはりこの頃でも「ドムにハズレなし」を貫いており、そりゃ塗装の手間や可動範囲などでは現代のHGUC版ドライセンの方が確実に上なのではあるが、上記の理由で実は当時キットの方がアニメ版には忠実なところもあるので、『ガンダムZZ』ファンであれば、あえて手を出すのも一興という意味では、特にこのドライセンとジャムル・フィンを推しておこう。

市川大河公式サイト

関連する投稿


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「パックマン」45周年スペシャルモデル!Xboxなどに対応した「ワイヤレスコントローラー」が登場!!

「パックマン」45周年スペシャルモデル!Xboxなどに対応した「ワイヤレスコントローラー」が登場!!

アコ・ブランズ・ジャパンより、アメリカのゲーミングアクセサリーブランド「PowerA(TM)」(パワーエー)の「パックマン」45周年スペシャルモデルの新商品『ワイヤレスコントローラー for Xbox Series X|S - パックマンSE』が発売されます。


7年ぶりの再販!「機動戦士ガンダムZZ」より『エルピー・プル』のフィギュアがリニューアル版になって登場!!

7年ぶりの再販!「機動戦士ガンダムZZ」より『エルピー・プル』のフィギュアがリニューアル版になって登場!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『エクセレントモデル RAHDXシリーズ G.A.NEO 機動戦士ガンダムZZ エルピー・プル Re. 完成品フィギュア』が現在予約受付中となっています。


50周年記念!『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売決定!!

50周年記念!『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売決定!!

バンダイナムコフィルムワークスより、『宇宙戦艦ヤマト』のTV放送50周年を記念し『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売されます。


仮面ライダーのバイクアクションが楽しめる!新仕様のガシャポン®『@CTION RIDE 仮面ライダー』が登場!!

仮面ライダーのバイクアクションが楽しめる!新仕様のガシャポン®『@CTION RIDE 仮面ライダー』が登場!!

バンダイ ベンダー事業部より、仮面ライダーのコレクションフィギュア『@CTION RIDE(アクションライド)仮面ライダー』(1回500円・税10%込、全4種)が発売されます。


最新の投稿


「パックマン」「ゼビウス」などナムコット名作がブランケットに!ファミコン外箱を再現した「クラシックゲームブランケット」登場

「パックマン」「ゼビウス」などナムコット名作がブランケットに!ファミコン外箱を再現した「クラシックゲームブランケット」登場

株式会社KADOKAWA Game Linkageは、ナムコットブランドのファミコンソフト『パックマン』、『ゼビウス』、『ドルアーガの塔』の外箱をモチーフにした「クラシックゲームブランケット」3タイトルを2026年2月16日に発売します。両面印刷で外箱の表裏デザインを忠実に再現し、A5サイズ16ページの冊子も同梱。現在、予約受付中です。


病院も映画館も煙モクモク!?自由すぎる昭和の常識を徹底図解

病院も映画館も煙モクモク!?自由すぎる昭和の常識を徹底図解

日本文芸社は、「昭和100年」の節目に、書籍『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』を11月27日に発売しました。庶民文化研究家・町田忍氏監修のもと、「病院でもタバコOK」「消費税なし」「過激すぎるTV」など、令和の感覚ではありえない“自由すぎた昭和の本当の姿”を、図解と豊富な資料写真で紹介。世代を超えたコミュニケーションツールとしても楽しめる一冊です。


ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎祭!仲村トオルも清水に降臨

ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎祭!仲村トオルも清水に降臨

映画『ビー・バップ・ハイスクール』公開40周年記念イベント「清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭」が、聖地・清水駅前銀座商店街で12/13・14に開催決定!初日は仲村トオルさん登壇のセレモニーを実施。学ラン・セーラー服でのコスプレOKエリアや、名シーンの聖地巡礼ツアー、映画全6作の上映会など、アツすぎる内容で、あの頃の青春がブッ返る!


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。