ネットオークションで歴代最高額を記録したCDって?
21世紀に入り一般化したネットオークション。利用されたことのある方も多いかと思います。そんなネットオークションで、歴代最高額を記録したCDのタイトルを皆さんご存知でしょうか?

60万円を記録した、さそり座「チャイム」!!
2002年、ヤフオクにてとあるCDが出品されました。さそり座というグループの「チャイム」というアルバムCDで、一見すると地味目な感じがするジャケットなのですが、出品されるや否や入札が入りまくり、最終的に60万5千円にまで高騰しました。
それまでは、当時50万円前後で取引されていた「頭脳警察」のファーストアルバムのLPが最高額と思われていたのですが、それをあっさりと更新したさそり座の「チャイム」にレコード屋店主の注目が集まり、「チャイム」探しの旅が全国で始まりました。ちなみに私は都内のブッ●オフで1枚発見したことがあります。
発売当時は買い占め可能だった!?
ちなみにこの「チャイム」は近年よくある数量限定盤ではなく、当時CD屋で普通に販売されていたものです。とはいえ自主制作(インディーズ)なので、大型店舗でないと売っていなかったと思われますが。当時新品で買い占めていれば今頃家が建っていたことでしょう!?

そもそも「さそり座」って誰よ?
さそり座とは、1985年にデビューした杉山加奈と堀部雅子によるデュオ。二人が中学生のときに発表した「窓ガラスのへのへのもへじ」は第28回ポプコンで優秀曲賞を受賞しました。ポプコン出身の人たちだったんですね。同楽曲はデビュー曲として発売され、そこそこのヒットを記録しました。

セカンドシングルも世界歌謡祭で金賞!
高校進学後の1987年には、セカンドシングル「おいでブランコリー」を発表。こちらの楽曲は第17回世界歌謡祭で金賞を受賞しました。また、同年にはNHK「みんなのうた」に「最後のシュート」という楽曲を提供しています。
自主制作で「チャイム」を発表、そして改名。
そして90年代に入ると、自主制作として上述のアルバムCD「チャイム」を1991年に発表。発売当時に話題に上らなかったことや、中古市場でも全く見かけることが無いことを鑑みると、よくて数百枚程度の売り上げだったと推測されます。

収録曲を一部ご紹介。
さそり座「チャイム」に収録されている楽曲は、後述する「スウェイ『チャイム』」と一部楽曲が重複しています。ただしアレンジが異なり、さそり座「チャイム」はほぼピアノ伴奏のみのシンプルな楽曲で占められています。
所属事務所を移籍し「SWAY」と改名します!
さそり座「チャイム」の発売後、事務所を移籍したのをきっかけにさそり座は「SWAY」と改名しました。そして1992年にシングル「ある日突然」、アルバム「チャイム」を発表。「ある日突然」はフジテレビ系「うれしたのし大好き」のエンディングに起用され、そこそこヒットしました。

ラジオやCDブックなどに挑戦!!
90年代前半には、CDブック「風の子フータ」の音楽だけでなくストーリーや挿絵も担当したり、NHK名古屋FMの「FMリクエストアワー」でDJを担当するなど、楽曲制作だけでない多彩な活動を展開しました。

90年代後半にはアニソンにも参戦!!
90年代後半に入ると、メンバーの杉山加奈はアニメ「夢のクレヨン王国」の楽曲に携わるようになります。1997年のシングル「ン・パカ マーチ」のカップリングに収録されたエンディングテーマ「ありのままに」は彼女の歌唱です。


その後もアニソン界隈で活躍!!
その後も「夢のクレヨン王国」関連のCDにはたびたび顔を出すようになりました。また、2000年には「おジャ魔女どれみ♯(しゃーぷっ)」のエンディングの作詞・作曲も担当。しかし、杉山が結婚により海外に居住するようになったため、現在は活動を停止しています。

音楽ソフトのプレミアと聞くと、レコードですと例えばビートルズの「半掛け帯」などが有名ですが、邦楽CDでは今回ご紹介した「チャイム」になる、というのは結構意外だったのではないでしょうか。プレミア関連のネタは他にもありますので、定期的に書いていきたいと思います。
SWAY名義の「チャイム」は比較的安価で買えます!
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