マリオワールドの後にマリオUSA?『スーパーマリオUSA』
『スーパーマリオUSA』とは、任天堂が1992年9月にファミリーコンピュータ用に発売したソフトで、ジャンルはアクションゲームです。本作は番外的な作品で、作品自体は『マリオシリーズ』にしては地味な方ですが、癖のあるアクション性がヒットし、後にスーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオコレクション』にリメイク版が収録され、それを再びリメイクした作品がゲームボーイアドバンス用ソフト『スーパーマリオアドバンス』として発売されました。そんなこんなで知名度はそこそこあるのでタイトルだけなら聞いたことがあるという人も多いはず。ですが、なぜ ”USA” なのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
実はこのタイトルには本作の特殊な発売経緯が関係していたのです。
この記事ではそんな本作の特殊な発売経緯、ゲーム内容の紹介、作品の評価、同年に発売された他のゲームソフトなどに触れていきたいと思います。

『スーパーマリオUSA』
Amazon | スーパーマリオUSA | ゲーム
ピーチ姫とキノピオが使えるアクションゲームとしては初の作品でもありました。
Amazonでは現在8,980円(※価格変動あり)で取引されています。これからこのゲームを遊びたい方は、旧作『マリオブラザーズ』とカップリング移植されたゲームボーイアドバンス用ソフト『スーパーマリオアドバンス』がオススメです。こちらは現在Amazonで3,600円(※価格変動あり)で購入できます。
アメリカからCome back!『スーパーマリオUSA』の概要
特殊な発売経緯と「USA」の理由
まず何も考えずにこちらの動画をご覧ください。
次にこちらの動画をご覧ください。
……お分かりいただけたでしょうか。この二つのソフト、あまりにも似通った部分が多すぎますね!BGMも、敵キャラも、ゲームシステムもほとんど同じなのです!
つまりどういうことだってばよ、という人のために今から解説いたします。
まず『夢工場ドキドキパニック』というソフトですが、ご存知の方は少ないでしょう。この『夢工場ドキドキパニック』は、開発が任天堂、販売がフジテレビという異色の作品だったのです。というのも…
と、まあこんなことがありまして、発売に至ったわけです。
では何故そこに『マリオシリーズ』が絡んでくるのか。
ここで話はアメリカに飛びます。
時は1988年。マリオというゲームをもっと国外、特に北米の市場に進出させようという計画が出てきます。この際に『夢工場ドキドキパニック』のキャラクターだけをマリオ達に差し替えて、北米版『SUPER MARIO BROS』の続編として出せないかという企画が生まれました。で、『夢工場ドキドキパニック』の開発は元々『マリオシリーズ』の開発スタッフが担当していたこともあってかこの企画はあっさり通り、『SUPER MARIO BROS. 2』が北米で売り出されることになったのです。
つまり『SUPER MARIO BROS. 2』は『夢工場ドキドキパニック』のマリオ版になっているわけですね。ここまでくればもう少し!

北米版ファミコン(NES)ソフト 『Super Mario Bros 2』
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時はさらに流れ流れて1992年。
満を持して(?)日本に『SUPER MARIO BROS. 2』が逆輸入されることとなります。
そして『SUPER MARIO BROS. 2』が日本に逆輸入された際に『スーパーマリオUSA』というタイトルが新たにつけられます。
こうして、ファミコンソフト『スーパーマリオUSA』が誕生したのでした。
要は日本からアメリカへ渡り、アメリカから日本へ戻ってきたのです。ややこしや。
ストーリー
スーパーマリオUSA (すーぱーまりおゆーえすえー)とは【ピクシブ百科事典】
ゲームの内容
クリアまでの時間制限やスコアといったものが無く、ライフ制が採用されていたり、チビキャラではなくライフ満タンで始まったりと、他のファミコン版『マリオシリーズ』のアクションゲームとは様々なシステムが異なります。元となったゲーム『夢工場ドキドキパニック』のゲームシステムを継承しているためですね。
このゲームでは敵や埋まっている野菜、ブロックなどを持ち上げて投げることで敵を倒していきます。敵を踏んでも倒せないことに最初はビビりました。
本作に登場する敵キャラ、「ヘイホー」「ムーチョ」「キャサリン」など、今や『マリオシリーズ』ではお馴染みの面々ですが、実は本作が初登場作品でもあります(もっというと夢工場の時から居たキャラもいます)。
他にも「ルイージ」のバタ足ジャンプ、「ピーチ姫」の空中浮遊と後のシリーズ作品に影響を与えた設定が登場したのもこの『スーパーマリオUSA』からでした。

「ヘイホー」
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『スーパーマリオUSA』の評価
1992年に発売された他のゲームタイトル
・スーパーファミコン『ストリートファイターII』(1992年6月、カプコン)
・スーパーファミコン『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(1992年9月、エニックス)
・スーパーファミコン『マリオペイント』(1992年7月、任天堂)

『ストリートファイターII』
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『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』
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『マリオペイント』
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因みにいま挙げたソフト3本は、いずれも1992年のファミ通クロスレビュープラチナ殿堂入りを獲得した名作です。この年はプラチナ殿堂入りを果たしたゲームが4本もありました。
このあたりから市場は完全にスーファミが乗っ取り始めましたね。
…何度目のちなみにか分かりませんが、ちなみに『スーパーマリオUSA』はファミコンで発売された最後の『マリオシリーズ』作品でもありました。
筆者の感想

『スーパーマリオアドバンス』
これはあくまでも個人の見解ですが、本作ほど『マリオシリーズ』でマリオが活躍出来ないゲームもなかなか無いと思います。 マリオ以外の三人にはそれぞれに特技や特徴があるのですが、マリオは器用貧乏過ぎでした。ルイージはジャンプ力の高さ、キノピオは素早さとモノ投げ能力の高さ、ピーチ姫は空中浮遊、ところがマリオは特殊能力といったものは特になく、しかも本作はステージ毎にキャラクター変更が可能なので、各キャラの状況に合った使い方が分かってくるとマリオは消去法で選択肢から消えています。色々な意味で珍しいタイプの『マリオゲーム』でしたね。
ちなみに筆者はルイージがメインでした。