矢沢あいさんといえば…

天使なんかじゃない これはOVA化されてましたね!

ご近所物語はアニメにもなりましたね!

マリンブルーの風に抱かれて
が有名ですね!
なんといっても矢沢あいさんの特徴は“オシャレ”!!!
ご本人、被服学校に通っていたこともあり登場人物の服装に細やかなセンスを取り入れています。
また、ミーハーな性格も相まって芸能人やアーティストをモデルにした男性キャラクター描写はほぼイケメン!!社交的な男性というか所謂、モテ男率が高いのが特徴!!!
(๑•̀ㅂ•́)و✧
下弦の月

一年前に再婚した家で複雑な思いを抱える美月(みづき)は、親友に彼氏をとられてしまう。健気に強くあるものの心がズタズタにな美月は、ある夜、耳に入ったメロディーに魅かれギタリストの青年に声を掛けた。それがきっかけで少しの間、共に蜜月を過ごすが、ある日、青年(アダム)は姿をくらます。そしてアダムから電話で“もしも来てくれるなら”という声にはじかれたようにアダムの所へいく。しかし、交通事故にあった美月は、記憶を失い、廃墟の洋館に閉じ込められる。
閉じ込められた中で思い出せるのはアダムのことだけ。
そんな中、夢で出会った少女が洋館にやって来て……。
大まかのストーリー展開
この作品は一度だけでは読んでも全貌が掴めない作品となっています。
私も二回目いや三回目読んでやっと全貌がわかりました。
読んだことのある人には、
一度目は、“美月と蛍をはじめ四人の子供達”がイヴ(記憶をなくした美月の仮名)の記憶探しに奔走するというイメージが先行したのではないのでしょうか。
例えるなら、

を思い出しますね。
ちびっこたちが力を集めて事件解決するというミステリー風に仕立て上げられていますが。
それだけでも大変読み応えがありますが!!!
はたして四人のちびっこたちはイヴの記憶を呼び戻せるのか?!
が肝となっています。涙あり感動あり、シリアスあり。

しかしながら。
本筋は、というと。
張られた伏線を拾い集めることにかかるのではないかと思います。
そこがキーポイントというか、物語の楽しみだと思いますため、
いざ一緒に謎を解き明かして生きましょう!
『下弦の月』の核心 ※ネタバレを含みます※

これは、実はかつてのアダムの恋人だった“上條(かみじょう)さやか”が輪廻転生を繰り返し生まれ変わった“望月(もちづき)美月”が
“上條さやか”の意志を引き継いでアダムの元に行くか、
行かないで今の“望月美月”として生き続けるか、
のストーリー仕立てとなっています。
あなただったらどちらを選ぶでしょうか。
生まれ変わった前の“あなた”がもし、恋人より先に死んでしまった時。
転生したとき、再びまた同じ恋人を選ぶでしょうか。
それともまっさらに忘れて新しい未来を生きるでしょうか?

⁽˙³˙⁾◟( ˘•ω•˘ )◞⁽˙³˙⁾
そういった視点を踏まえて読みますと、それぞれの人の想いが鏤(ちりば)められて切ないほどに深い。
美月は最終的に、蛍ちゃんをはじめ四人のちびっこ探偵団(?)の力に支えられ、“美月”として生き続けることを選びます。それで物語はハッピーエンドを迎えますが。
アダムとかつての美月の転生前の“さやか”との想いを更に含めて読むとまた味わい深いです。
これはアダムの切ない片想いの物語だったのでは……?

泣かないで アダム あたしは絶対に あなたを忘れたりしないから あなたを独りにはしないから きっとすぐに 生まれ変わって またあなたのそばに行くから 約束するから アダム… 愛してる
集英社『下弦の月 Last Quarter 愛蔵版 下』p72-73 2004.9
さやかは約束どおりにアダムと再会を果たします。
アダムは月のサイクルの不思議な現象で美月の元に現われ、そこで運命的に、生まれ変わった“美月”と出会い愛しますが、恋人である“さやか”の病死を後追うようにしんでしまったという過去を背負った念(幽霊?)で彷徨っています。
このまま行けば二人は前世のめぐり合わせ、さやかは美月の身体を得て、そしてアダムの元に行こうとしました。しかし、美月を呼びとどめる現世(美月の彼氏)からの声に止められて一歩のところで……。
意識は眠ったまま、身体から離れた美月の想いは、最初は「アダムに会いたい…!」と、アダムへ傾きますが、記憶を探していく中でちびっこ四人との絆の育みが美月を迷わせます。
アダムと約束を交わしたことばも大事にしたい、けども、培った四人の絆や本当はかけがえのなかった美月を作った記憶も捨てきれない。
いろいろな思いが錯綜する中で、美月は歩を踏み出します。
すると。アダムが現われて――。
以下は本編を是非に拝読ください……!!!
。・゚゚ ‘゜(*/□\*) ‘゜゚゚・。
最後に…

美月は複雑な家庭環境に見舞われ、恋人に二股掛けられ(しかも親友に)痛いほどに傷つきます。
当然、そこに優しく声をかけて愛してくれる人がいたら幽霊でもなんでも、しがみつきますわな。
(´;ω;`)ブワッ
“みんな大っ嫌い あんな毎日には戻りたくない! あんな人生捨てたんだよ!”
と美月の悲痛な叫びもものすごく共感してしまうのではないのでしょうか。
多かれ少なかれ、人生の半ばに至った人ならば。
けども、人の強い想いがあって、なにがなんでも約束を信じて、約束を果たそうとした二人がたしかにこの物語の中で息づいていた。
と思うと、また懲りずに、人を信じる力になっていく力を貰えるのではないかと思います。
“この柵の向こうには 全てを見渡せる そんな世界があるの?”
と問う美月にアダムはこう返します。

そして最後の締めくくりとなる歌詞に込められた意味もいろいろな解釈もございますが、
「さて次はどんなメロディーを君のために作ろうか」
という愛のこもった“さやか”もひっくるめた“美月”に対する、愛のことばだと思うと、
「究極な片想いやな……!!!」と涙を隠すことができないのでした。。