そもそも『ミュータント・タートルズ』とは?
簡単にまとめると、四足歩行で忍装束の亀たちが活躍する勧善懲悪ものです。1984年に出版されたケヴィン・イーストマンとピーター・レアードによるアメコミを原作にしたアニメ作品であり、日本においては、1993年~1995年にかけてテレビ東京で放送され、一世を風靡しました。
タートルズのメンバーは全員で4人。全員、ルネッサンス期に活躍した芸術家の名前を冠しているところが、なんとも知的。
タートルズのメンバー

レオナルド
Leonardo (Teenage Mutant Ninja Turtles) - Wikipedia
4人のうちでリーダーをつとめるのが、レオナルド。青い鉢巻がトレードマークで、二刀流の剣術の使い手でした。リーダーだけあって性格は真面目で頼りがいがあります。

ラファエロ
Raphael (Teenage Mutant Ninja Turtles) - Wikipedia
赤い鉢巻を巻いているラファエロは、琉球古武術でも用いられる特殊武器・釵(さい)の使い手で、戦隊ヒーローものには欠かせない、短期で喧嘩っ早いキャラを担当。赤=主人公ではないのが、日本とアメリカの文化の違いを感じさせます。

ミケランジェロ
Michelangelo (Teenage Mutant Ninja Turtles) - Wikipedia
ミケランジェロは、橙色(オレンジ色)の鉢巻がトレードマークで、ヌンチャクの達人。日本の戦隊ものだと黄レンジャーがつとめるような大食いのお調子者キャラで、いつもピザを大量に食べています。タートルズでお馴染みだったセリフ「カワバンガ!(Cowabunga!)」(日本語で「やったぜ!」「びっくりした!」の意味)をよく言っていました。

ドナテロ
Donatello (Teenage Mutant Ninja Turtles) - Wikipedia
紫色の鉢巻をしめたドナテロは、棒術を駆使して闘います。また、抜群の頭脳を備えたチームのブレイン的存在でもあります。
変身式のフィギュアが人気を呼んだ
トランスフォーマーシリーズの変形ロボット玩具も手掛けた「タカラ」から、タートルズのフュギュアが発売されていました。ふつうの亀からタートルズに変身するギミックを見せつけるテレビCMが、アニメの合間に毎回放送され、購買意欲を刺激されたものです。また、アメコミ由来のキャラだけあって、顔がアニメよりもだいぶイカツくなっているのも印象的でした。
オープニングテーマが何かかっこよかった
「Teenage mutant ninja turtles♪」という唄い出しから始まるオープニングテーマはすべて英語詞でした。英語詞なので、子どもの時分に聞いても、何を言っているのか、どんなことを歌っているのかちんぷんかんぷん。でも…
Leonardo leads Donatello does machines (That's a fact jack!)
レオナルドがリーダーで ドナテロはメカ・マニア (本当だぜ!)
Raphael is cool but rude (Give me a break!)
クールで陽気なラファエロに (気楽にいこうよー)
Michaelangelo is a party dude (Par-taaaay!)
お調子者のミケランジェロ! (パアリィィィ!!)
こんな感じで軽快なリズムに乗せて、キャラ紹介パートが展開されたりと、とにかくクールでゴキゲンな曲だったため、夕方6時のテレ東でこの音楽が鳴り響くと、なんだか自然とワクワクしたものです。
ちなみに日本語詞バージョンも後にO.A.されたのですが、こちらはかなり微妙。「Teenage mutant ninja turtles♪」⇒「オッレたちゃ、忍者タートルズ♪」、「Michaelangelo is a party dude」 (Par-taaaay!)⇒「ミケランジェロは祭り好き♪(楽しくいこー!!)、こんな感じで、google翻訳でももうちょっとマシになりそうな、とってつけたような日本語訳が、絶妙なダサさを醸し出していたものです。
原作はかなりハードなお話
こんな感じで陽気なアニメ版・タートルズですが、原作はかなり込み入った復讐劇になっています。ざっくり説明すると以下のような感じです。
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フット団(Foot Clan)所属の忍者「ハマト・ヨシ」と「オロク・ナギ」が、「タン・シェン」という女性を巡って対立
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ヨシとシェンは既にデキていて、嫉妬に狂ったナギが、シェンを殺そうとするも、逆にヨシによって殺害される
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ナギの弟「サキ」(シュレッダー)が、兄の仇であるヨシとシェンを殺す
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この殺害劇の最中、ヨシとシェンが飼っていたネズミ「スプリンター」が逃げ出す
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水道で暮らす4匹の亀と遭遇、後のタートルズである
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スプリンターと亀4匹が、動物を人型に変える大いなるパワー「ミュータンジェン」によって擬人化
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長生きな亀に比べてネズミの寿命が短い。そのため、タートルズがまだ若いのに対して、スプリンターはあっという間に年老いてしまう
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自分の死期を悟ったスプリンターは、見よう見まねで覚えた飼い主・ヨシの忍術をタートルズに伝授
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死に際に、「ヨシとシェンの仇・シュレッダーを倒してくれ…!」とタートルズに託す…。
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こんな物語となっています…重い!!

スプリンター
Splinter (Teenage Mutant Ninja Turtles) - Wikipedia
声優陣のアドリブが魅力的だった
もちろん、子供向けアニメだったので、こういった重い背景についてはあまり言及されずに、終始、ポップなノリでストーリーは展開されていきました。特に評判だったのが、声優陣の自由なアドリブ。時事ネタあり、メタ発言ありと、かなり何でもありだったと記憶しています。
中でも印象的だったのが、同作放送期間中の1995年1月17日に阪神大震災が発生した直後に放送されたタートルズの予告編。「今、日本では地震で大変みたいだけど、何とか頑張ってくれよな!」的な激励をしていました。
この1993年~1995年に放送されたテレ東版以降も、2003年版(テレ東で2007年4月2日から2008年3月31日まで放送された)、2012年版、そして、マイケル・ベイ監督の2014年の実写版と、再生産され続けているタートルズ。新作が放送・公開されるたびに、私たちミドルエッジ世代は、93年~95年のテレ東版、通称「旧亀」の思い出にひたることでしょう。

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(こじへい)