女子高生と男性教師が結婚したらトラブル続出！な少女漫画「Oh！myダーリン」～ ストーリー編 ～

主人公のひかるは、16歳の女子高生。
幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられました。
高校に入学した年の夏休み、祖父が不治の病で余命いくばくもないということがわかり、ひかるの将来を心配し、祖父はお見合いをさせようとしますが、ひかるは見ず知らずの男と結婚するなんて絶対に嫌だと言い、教師である8歳年上のシンちゃんこと晋平に結婚してと懇願します。
大好きなシンちゃんと晴れて挙式することができたひかるでしたが、実は結婚届が提出されていないことがわかり、駆け落ちに乗り出し、事故で晋平が意識不明になったり、晋平に隠し子？が発覚したり、妊娠してスキャンダルに見舞われたり、女子高生なのにものすごく波乱万丈な生活を送ることになります。
今回はそんな主人公森永ひかるの心の成長を描いた恋愛漫画をご紹介します。

第2弾は、ストーリー編です。

筆者、この漫画を初めて読んだのは小学生の頃でした。
この頃はひかる側の気持ちにいましたが、大人になってから再度読み直してみると、まぁひかるの幼稚な思考、わがままなことに、腹が立って腹が立って(笑)
何より、こんなに幼いひかるを16才で結婚させた祖父も祖父ですし、それを受け入れた晋平も晋平です(笑)

確かに日本の法律では、女子は16才以上なら結婚が出来るという決まりになってはいますが、それは本当に人による…と思わされた漫画です。

祖父が余命いくばくもないという話から結婚を急いだはずが、祖父の病気が誤診だと判明し、もう結婚しなければいけない理由もなくなってしまったため、このまま婚約破棄で良いのではないかという空気になり、英学園の理事長である祖母から別れるように言われてしまった2人。

結婚だけが2人を繋ぎとめるものだと思っているひかるは、結婚さえしていれば！とあくまで結婚にこだわります。

それに対し、晋平は「オレはむしろ結果的にこうなってよかったんじゃないかって思うんだ」と。
「ひかるはまだ16になったばかりなんだし、高校だってあと2年もある。おじいさんの病気も治ったことだし、これからは進学でも就職でももっと自分の可能性をためしたり、社会に出ていろんな世界を見て…結婚のことはまたそれからゆっくり考えてもいいんじゃないか？」と。

至極まっとうな意見です。
さすがは大人であり、教師。
責任ある地位についている人は考え方がしっかりしています。
むしろ、夫がこういうまともな考え方をしていることに誇りを持って欲しいところですよね。

…でも、やっぱりひかるはお子ちゃまです。
それならばと、北海道へ駆け落ちしようと言い出すのです。
私のことが本当に大事だったら来てくれるわよね？と。

北海道へ駆け落ちって…おいおい。
女子高生だったら、すぐにみつかっちゃうでしょうに。
晋平も、北海道へ行ったところでどうやって職を探すんだ？仮に教師になれたとしても、調べればすぐに居所がバレちゃうし…という突っ込みどころ満載な思考。

晋平に裏切られたと思ったひかるは、ひょんなことから小土居と一夜を共にしてしまいます。
小土居は2人が結婚している事実を校内で知っている唯一の人物であり、ひかるに想いを寄せています。

ひかるに寂しい思いをさせている晋平が許せず、ついひかるに自分たちが一夜を共にした時に関係があったという嘘をついてしまい、それを晋平に聞かれてしまいます。
晋平はひかるに手を出した小土居を殴り、小土居も負けじと殴り返します。

そんな2人に対し、ひかるは喧嘩はやめて！と言い、走り去ってしまいます。
女笛岬に着いたひかると晋平でしたが、小土居と関係を持ってしまった罪悪感から、これ以上近づくとここから飛び降りるから！と脅します。

私を軽蔑してるんでしょ？と言うひかるに、「何言ってるんだよ、ひかるはひかるじゃないか。愛してる」と言う晋平。

うーん、大人の対応です！！

そして、足を滑らせて本当に岬から落ちそうになったひかるを庇い、晋平が身代わりとなり、意識不明の重体に…
…ひかるよ、どれだけ周りに迷惑かければ気が済むんだい？？

生死をさまよっている晋平に対し、小土居は、あの夜ひかるとの間には何もなかったと言うのです。ほっ。

すったもんだあり、結局目を覚ました晋平とひかるは固い絆で結ばれ、北海道を後にするのでした。

ちなみに、この時介抱してくれた看護師のマキさんとその彼氏である調理師の黒岩さんにさんざん迷惑をかけ、晋平と共に後からやって来た老体の祖父まで振り回してしまうという大迷惑なひかる。
後にマキさんと黒岩さんは結婚することになったのですが、こんなに迷惑をかけられたというのにひかるを結婚式に招待したり、その後も何かとお世話をしてくれる、とても人情に厚い方々です。

出会いにも感謝ですね☆

2部で現れたのが、晋平の大学時代の年上の元カノである新庄亜矢子。
ひかると晋平がいる学校に新しく教師として赴任してきます。

元カノといっても付き合っていたのは半年ほどですが、3才の息子はその半年の間に晋平との間にできた子だと主張し、認知を求めます。

自分自身私生児で育ったという亜矢子は、息子のゆう太を自分と同じ私生児にさせるのは絶対に嫌だと言い、認知さえしてくれれば他のことは望まないと言います。
しかし、認知させるにはひかるの存在が邪魔なわけです。
晋平は、まだ高校生の妻であるひかるに、自分に隠し子がいるというむごい事実などそう簡単に言えるはずもなく、どう切り出そうか悩みます。

そんな晋平に煮えを切らした亜矢子はひかるを喫茶店に呼び出すのです。
その喫茶店に、亜矢子と待ち合わせしていた晋平が来て、ゆう太が晋平の息子であるという内容の会話を聞いてしまいます。

ひかるを喫茶店に呼び出したと知った晋平は、亜矢子を激しく責め立てます。
どうせ後から知ることになるなら、早い方がいいじゃないと余裕の笑みを見せる亜矢子。

一方のひかるは秘密はなしにしようと約束したのにも関わらず、晋平から裏切られたと思い込み、深く傷つきます。
自分はまだ晋平に抱かれたこともないのに、晋平はかつて自分以外の女性と愛し合い、子どもまで授かっていたなんて…と、晋平から愛されていない気持ちが再発してしまうのでした。

亜矢子から、これがあなたの父親よと晋平の写真を見せられて育ったゆう太は、晋平を父親だと思っています。
しかし、ひかるの前で晋平の癖を真似したゆう太を見て、「シンちゃんはわたしの旦那様なんだからね！わたしのシンちゃん取らないで！」と泣くひかる。
おいおい～、気持ちはわかるけどさ、相手は3才児だよ～。
その3才児に、「ごめんね、お姉ちゃん、パパあげる！」と言わせて泣かせるなよ～。

更に、「ひかるが1番大事だが、どちらかを選ばなくてはいけないなら、ゆう太を選ぶ」と言う晋平。
残酷だけど、当然と言えば当然です。
自分の息子を見捨てるわけにはいきませんから。

それを聞いて、わたしにはもう関係ないから！これ以上わたしの気持ちかき回さないで！とひかる。
まだ女子高生だもんね、当然だよね。

結局、ゆう太は晋平の子ではなく、亜矢子が晋平と付き合っている時に違う男性との間にできた子だということがわかりました。
晋平は、二股かけられた事実を知り身を引いた模様。
亜矢子、とんでもない女です…

しかし、ゆう太の実の父から逃げられ、裏切られたと思っていましたが、その男性が出張先の海外で亡くなってしまったことを知ります。
帰国したら、しっかり亜矢子とゆう太を迎えに行くつもりだったそうです。

「寂しかったのよ！不安だったのよ！」と泣き崩れる亜矢子。
いつも強い女！って感じでしたが、気を張っていただけで、女性のか弱さも持ち合わせていたんですね。

そんなこんなで、晋平はひかるを初めて抱くことになります。
隠し子騒動があり、いつまでも抱いてくれないということに傷ついているひかるの気持ちを知り、抑えていたものを解放させた晋平。
今までは別々の部屋で寝ていた2人でしたが、遂に身も心も真の夫婦になったわけです。

2部から1年が経ち、当たり前のように、同じベッドで寝起きする2人。
穏やかな日々の中、すっかり夫婦らしくなりました。

晋平よ、夫婦とはいえ、何故女子高生の妻をうっかり妊娠させる？あんた、以前ひかるに「これからは進学でも就職でももっと自分の可能性をためしたり、社会に出ていろんな世界を見て…」とか言ってなかったかい？という突っ込みを入れたくなった読者は多かったはずです。

一方で、ガリ勉で地味な印象のひかるの同級生の優実は、トップの成績だったのに受験生になってから成績が落ちてしまいました。
そんな優実に親身になってくれる晋平に対し、恋心を抱いてしまいます。

しかし、ひかるが晋平に残したメモによって晋平とひかるが結婚していることを知ってしまい、更にレイプ被害にまで遭ってしまうのです。

自分とは対照的に、晋平と幸せな結婚生活を送り、更に小説でも成功を収めたひかるへの妬みをどんどん増していき、遂にマスコミに2人の結婚を密告します。
その密告により、北海道の高校へ転勤処置が取られた晋平。

妊娠している不安もあり、離れたくないとまたも泣くひかるに対し、校内だからとなだめる晋平。
しかし、妊娠している事を知るとひかるを一緒に連れて行く決意をします。

そんな中、ひかるを見出した大物小説家の多々羅に、「逃げるな。自分たちの愛を小説で証明して見せろ」と言われ、ひかるはそれに応える決意をします。
ここで、少しだけ大人になったひかる。

晋平は、単身赴任先の住居でたまたま北海道のかけおち事件の時にお世話になったマキさんと出くわします。

事の成り行きを話し、またも心配してくれる優しいマキさん。
どこまでも献身的で素敵な女性です。

マスコミへ密告したのは優実だと知ったひかるでしたが、少し大人になったためか優実に対して淡々とした対応。
その余裕さに腹が立ったのか、優実は階段からひかるを突き落としてしまいます。

そんな中でもマスコミはひかるを取り囲みます。
病院の外に群がるマスコミたち。

ひかるの妊娠が世間に知れ渡り、転勤先の高校で淫行教師呼ばわりされる晋平。
切迫流産のひかるを案じます。

一方のひかるは晋平に会いたい気持ちが募り、病院を抜け出します。
切迫流産の中、北海道へ向かいましたが、その旅路の途中で遂に倒れてしまいます。

仙台でひかるとすれ違ってしまい、東京へ着いた時には、ひかるはもうここにはいないことを知ります。

自分に会いに北海道に向かい、その途中で倒れて北海道の病院に運ばれたことを知り、急いで北海道の病院へ向かいましたが、ひかるの部屋のドアには面会謝絶の文字が…。

医師から、もう子どもは望めないかも知れないと言われてしまいます。

更に、あまりのショックから幼児退行してしまったひかるは、15歳の心に戻ってしまい、連載が始まった頃よりも幼い性格になってしまいます。
看護婦のマキさんのことを忘れてしまい、晋平と結婚したことを忘れ、晋平に対しても初恋の隣のお兄さんという風に接します。

ひかるの祖父は、ひかるがいない隙に晋平にひかるは子どもが持てない体になってしまった、別れてくれて構わないと言います。
それに対し、晋平が「ではそうさせてもらいます」と…
その台詞を偶然聞いてしまったひかるは、ショックで走り去ります。

しかし、台詞はそこで終わってはいませんでした。
「…とでも言うと思いますか？」と晋平。

晋平との思い出の地、女笛岬に到着したひかるは、悲観に暮れていました。
そこへ晋平が来て、例え子どもが持てなくてもひかるはひかるだ、2人で生きていこうと言い、優しく抱きしめます。

思い出の女笛岬で起きたことを思い出し、記憶を取り戻したひかるなのでした。

優実は小土居から「お前は他人を不幸にするばかりで自分から立ち直る努力を何もしていない。自分で這い上げれよ」と言われ、自分の過ちを反省し、ひかるに謝罪。
ひかるのルームメイトの園子は、優実を襲ったレイプ犯を捕まえた小土居を見直します。
それぞれが成長し、高校を卒業していきます。

そして、晋平は教師を辞めることに。
これからは、教師と生徒ではない。胸を張って夫婦だと言えるんだ、と言って、2人は再び前を向いて歩き始めるのでした。

その後も小説を書き続けていたひかるが出した本の筆者近影には、明智道場の前で晋平と赤ちゃんを抱っこしているひかるが写っています。
その赤ちゃんは、晋平とひかるの子の模様。
流産し、子どもは望めないかも知れないと言われてしまったひかるでしたが、無事晋平との間に子どもを授かることができたようです。

また、最終巻の番外編に「～ボクがキミを好きな理由～」というタイトルのお話が収録されています。
小学生の晋平とまだ幼いひかるとの間柄がよくわかるストーリーです。
幼い頃、両親を交通事故で亡くしてしまったひかるは、お隣の明智道場の息子であるシンちゃんによく懐き、晋平もまたひかるを妹のように可愛がります。
時には保護者のような役割をしたりも…

交通事故に遭って、危篤状態のひかるの母は晋平に、ひかるをお願いと言ってこの世を去ります。
晋平君なら安心ね、と。

ひかるの母に言われた通り、晋平はひかるの夫となって本当にひかるを守ることになるわけですから凄いですね！