『セクシーパロディウス』は、ときめきシューティング❤に見せかけた超上級者以外お断りの超ランクゲー!

『セクシーパロディウス』は、ときめきシューティング❤に見せかけた超上級者以外お断りの超ランクゲー!

『セクシーパロディウス』は、コナミから1996年に業務用の横スクロールシューティングゲームとして発売された、『パロディウス』シリーズの5作目です。グラフィック・音楽・演出共に同シリーズ最高峰の呼び声が高い本作ですが、難易度までもが最高峰に…。もともと難易度が高めのゲームですが半裸の女性が平然と出てくるためよそ見要素が多く、さらに難易度が高くなっています。また、本作以降『パロディウス』の名を冠したシューティングはリリースされておらず、事実上のシリーズ最終作となっています。


パワーアップボイスがキャラによって固有のものになりました。声優さんを起用しており、それぞれに個性が出ています。
イワン/トビーは渡辺久美子氏、ひかる/あかねは中川亜紀子氏、ミカエル/ガブリエルは(勇者王)檜山修之氏が担当されています。
バイパー/ブリティッシュは標準のもの…ではなく、「ハヤクナリマース」「ミサイルウテマース」のように何故か独特すぎる片言に…(笑)。
一方でシューティングスター/ブラックバイパーが本家シリーズのような英語ナレーションになっています。上記通りブラックバイパーとして作られていた名残でしょうか。

その他

本作は1周エンドですが、先述のノルマを全て成功させると最後に隠しステージが追加されるというシューターの挑戦を煽る仕様があります。

難易度のランクが低いときと高いときで、攻撃パターンを派手に変化させる敵が存在します。
単純に敵弾を増やしたり敵が硬くなるだけの調整に留めていないのは、スタッフがこの仕様をしっかり中核と見据えていたからでしょう。
…ただし調整の方向性が万人受けするものではなかったのですが。

問題点…

『バトルガレッガ』以上のランクゲー

ランクを下げる方法はほぼ皆無です。しかし、少しパワーアップしているだけでも目に見えるほどの爆発的な勢いでランクが上がります。
しかもランクを抜きにしても、そもそもの基本的なステージやボスの難易度も非常に高いため、ランクを上げないための低パワーアップ走行ではザコにもボスにも押される、という八方塞がりなゲームバランスに…。
パロディウスシリーズは伝統的にランクゲーでしたが、本作ほど酷い物はありませんでした。
低パワーアップ進行を補うためのベルパワー…と思いきや、敵弾を防げるスーパーボム(青ベル)や菊一文字バリア(赤ベル)はストックを抱えているだけでランクが跳ね上がります。しかも本作でもベルパワーストック中はバリア系装備を付けられないため、かえって不利になってしまう場合すらあり得ます。
挙句の果てに、ミスをしてもほとんどランクが下がらないうえ、通常は戻り復活なので復活時の装備の立て直しでますますランクが上がってゆきます。
ランクが上がると、序盤面でも雑魚敵一体一体が猛烈な量の撃ち返し弾を残すようになります。3面の時点で時間差撃ち返しにまで至っていることもザラでした。
ステージ構成が2面から袋小路や水流のギミックがある高速スクロール面となっているのですが、スクロールに対応するためにどうしても2速以上を取らされるため、余計にランク上昇が速くなります。

後日発売されたサントラでは、1面→4面→3面→2面の順にBGMが流れることから、「当初は4面に配置される予定だった高速ステージが、諸事情で2面に配置変えになったのでないか」と推測されています。

最終&隠しステージの難易度

弾幕シューティング顔負けの圧倒的物量を誇り、開発スタッフからの殺意すら感じる物となっています。(これ以上あの難易度を言葉で表現できません。)

ノルマ制について

本作のノルマ制ですが、初回からノルマ達成は厳しいものになっています。
達成しようとすると「多少の無理をしてでも収集アイテムを最優先で取りに行く」「他の敵を無視してでも対象敵を撃ちまくる」「ベルは白ベル優先で」などと自由度が下がってしまいます。
しかも、何故か「基本的にノルマ失敗後のルートの方がボスが強くて難しい」という調整になっています。
一方、前述の通り隠しステージに挑戦したいならノルマを全て達成しなければいけません。

問題点のみの総評

本作はアーケードとしての前作『極パロ』は『だ!』の高難度の反省からか遊びやすい難易度だったのに、『極パロ』どころか『だ!』の1周目をも上回る激烈難易度になってしまいました。
それどころかあの『グラディウスIII』と並び、コナミシューティング最高難易度の一角に位置するといえるほどのすさまじい代物です。
こちらは1周エンドのゲームであるため、2周目が凄まじく難しかった『だ!』よりも厳しいです。


こうして見ると初心者完全お断りのように見えますが、一応初心者への配慮も全くないという訳でもありませんでした。先述の通り、パワーアップタイプで「オート」を選んだ場合、ランク上昇が緩やかになる上にその場復活になるので、「マンボ/サンバ」や「シューティングスター/ブラックバイパー」といった少ないパワーアップでも強い機体を使い、スペシャルステージを無視してパワーアップを必要最低限に抑えて進行すれば難易度はそれなりに落ち着きます。
この調整は恐らく今までのシリーズで根付いていた「オートパワーアップ=罠」という状況を少しでも打開したかったものと考えられます。
しかし、こうした開発スタッフの努力も虚しくこれまでの感覚で「マニュアル」を選択するプレイヤーが多かった結果、上記の地獄絵図のような難易度を味わうことになってしまったのでした…。

プレイ動画❤

総評❤

相変わらず高評価なサントラ!

『セクシーパロディウス』サウンドトラック

Amazon | セクシーパロディウス | ゲーム・ミュージック | イージーリスニング | 音楽

『パロディウスシリーズ』としてはグラフィック・音楽・演出共に最高峰です。これは間違いありません。しかしゲームの難易度までもが最高峰という代物になってしまいました。
アーケードゲームにありがちな高難易度至高派の一部からは好かれています…が、限度というものがあります。
あまりの難しさに投げてしまった者も多く、評判も芳しくはありませんでした。そして今作は、パロディウスシリーズにとどめを刺す形となってしまうのです…。
同時期に稼働した『沙羅曼蛇2』の評価も芳しくなく、『beatmania』などの音楽ゲームが売れ始めたことも重なってコナミは横シューティングの製作に消極的になっていきます。
巻き返しを図った3年後の『グラディウスIV -復活-』も散々な出来であったため、コナミシューティングは事実上の終焉を迎えることとなります…。

関連する投稿


祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

放送開始から55周年を迎えた国民的アニメ『サザエさん』が、コナミアーケードゲームスより初のアーケードゲーム化!タッチパネルで楽しむ「まちがいさがし」が2026年春に稼働予定です。アニメ本編の画像を使った問題や、2人対戦モードなど充実の内容で、小さなお子様からシニア層まで幅広い世代が楽しめる期待の新作です。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

NHK「おかあさんといっしょ」の人形劇コーナーとして1982年から1992年までの10年間にわたり放送され、累計2,000話以上の物語が制作された人気シリーズ『にこにこ、ぷん』が、令和の時代に新たなかたちで帰ってきます。


「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

1991年3月にミステリーハンターとして登場されると出演回数8回で、出演回数ランキング33位となるジュリー・ドレフュス さん。2013年出演のドラマ「老舗旅館の女将日記」を最後にメディアで見かけなくなり気になりまとめてみました。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。